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Case study 事例紹介

ジーユー「GU baby」×『シナぷしゅ』
オンライン先行販売分が2時間で完売!
ママの思いで、“赤ちゃんの感性を育むベビー服”を開発

「シナぷしゅ」(テレビ東京)

#商品開発

この事例の担当者

※所属・役職は取材時点の情報

  • 岡林曜子の写真

    岡林曜子

    テレビ東京 イベント局 MDビジネス部

    報道局にて夕方ニュースディレクター・警視庁担当記者・秘書を経てコンテンツ事業局に所属。邦画・洋画の出資および宣伝を担当。2009年、アニメ局に設立とともに所属。現在は主に、テレビ東京で放送したアニメ番組などの海外展開業務とともに、フランスの人気ゲームから派生した海外アニメ『ラビッツ インベージョン』のプロデュース業および国内事業展開を担当。2児の母。

  • 飯田佳奈子の写真

    飯田佳奈子

    テレビ東京 制作局 兼 イベント局 MDビジネス部

    制作局・アニメ局を経て、2014年からは営業局に配属。『Youは何しに日本へ?』『開運!なんでも鑑定団』『出没!アド街ック天国』など人気番組のセールス促進を4年間担当。2018年に第一子を出産。2019年6月に会社復帰してすぐに『シナぷしゅ』の企画を提案。番組のコンテンツ統括プロデューサーを務める。1児の母。

パートナー企業・自治体ご担当者さま

  • 平松修吉の写真

    平松修吉

    株式会社ジーユー
    グローバル商品本部キッズVCP統括リーダー

目次

  • 2021年2月22日にブランド初のベビーコレクションをジーユーが立ち上げる。
  • 赤ちゃんについての知見があるところとブレインストーミングをしようとジーユーが動く。
  • 『シナぷしゅ』の制作陣との縁があり、ママさんプロデューサーの思いにジーユーが共感し企画がスタートした。

  • ベビー用のTシャツおよびパンツ、大人用ユニセックスTシャツの計3アイテムを販売した。
  • 商品のポイントを映像化した合計5本のスペシャルコンテンツを制作した。
  • 『シナぷしゅ』で意識している点を踏まえ、子どもを肯定できる商品アイデアをテレビ東京から提案した。

  • 販売開始2時間でオンライン先行販売分が完売した。
  • 店舗での販売も好調で、入手困難な状況になった。
  • コラボレーションに対する反響が番組SNSにも寄せられた。

経緯

赤ちゃんに対するプロデューサーの熱い思いが、自社にはない視点だとジーユーに響く

民放テレビ局初の赤ちゃん向け番組として、『シナぷしゅ』は2020年4月にレギュラー放送を開始しました(テレビ東京系列 毎週月曜~金曜あさ7時3035分 ※関東ローカルのみ、隔週金曜夕方5時30分にも放送)。ジーユーとのコラボレーションを2021年6月に展開し、共同開発した“赤ちゃんの感性を育むベビー服”をベビーコレクション「GU baby」から発売しました。

平松:
ブランドとして15年の歴史がある中で初めて、2021年2月22日にベビーコレクションをジーユーはリリースしました。当初、赤ちゃんの服をただ単に作るだけではなく、「赤ちゃんや家族の人を含めて、ハッピーになるようなことができないか」とさまざまな取り組みを考えていたんです。そこでまずは、赤ちゃんに詳しい皆さんとブレインストーミング(アイデア出し)をしてみようとなりました。そして『シナぷしゅ』を制作されている皆さんとご縁があり、「一度話したい」と相談したところから今回の企画が始まります。
会ってみると、飯田さんの熱さが何より印象的でしたね。岡林さんを含めて二人は、子育て真っ最中のママさんであり、想像を遥かに超えるほど赤ちゃんに対して熱い思いを今もお持ちです。服を作る私たちとはまるで違う視点を持っていると最初会ったときに感じました。社内で議論しても出てこないような企画案やあふれる思いが伝わってきて、『この人たちに賭けてみよう』と思いました。

飯田:
「ジーユーさんがベビーを始めるぞ!」「『シナぷしゅ』にも興味があるらしい!」と耳にした私は、ジーユーさんのとんでもなくおしゃれで巨大なオフィスに一人ですぐに押しかけてしまいました(笑)。最初は、ジーユーさんがベビーラインをまだ展開していないタイミングだったため、何が何だかわからない状況でした。お話しするチャンスをもらえたのでとにかく行ってみた感じです。
私も子を持つ母であり、自分たちがどのような思いで番組を作っているかを熱く語りました。同時に、『ジーユーがベビー服を作ってくれないかな』とずっと思っていたので、「このようなことをしたらおもしろそうではありませんか?」とご提案もしました。プレゼンというよりは、熱い思いしか持って行けていなかった感じです(笑)。

取り組み

赤ちゃん用だけでなくパパ・ママ用アイテムも制作!『シナぷしゅ』の思いを、ジーユーが全員で形にした

ベビー用のTシャツおよびパンツ、大人用ユニセックスTシャツの計3アイテム(3色ずつの計9点)を販売しました。『シナぷしゅ』に登場するキャラクター「ぷしゅぷしゅ」をメインに、赤ちゃんの感性を育むようなデザインを考えて、さまざまな工夫を凝らした商品です。お揃いの大人向けTシャツは、赤ちゃん視点でママやパパも一緒に楽しめるように展開しました。赤ちゃんに服の楽しさがより伝わるように、服だけでなく、商品のポイントを映像化した合計5本のスペシャルコンテンツを制作したのもポイントです。

平松:
今回のコラボレーションでは、デザイナー・パタンナー・生産メンバー・工場の皆さんなど、全員で切磋琢磨できたと思っています。限られたコストで最大限のパフォーマンスをこれまでしてきた中でも、いいリクエストを今回は特に多くもらえたため、難易度が高いテクニックの話が出てきました。またベビー服は、安全基準が厳しく、素材の品質や使用の安全性が求められます。そもそも難しい題材をリクエストに応えながら制作する点から、全員が今までで一番努力したと感じています。おかげさまで、本当のクリエイティブを私たちも再認識しました。

飯田:
私たちの無茶なリクエストをデザイナーの皆さんが一生懸命聞いてくださり、打ち合わせの度に頭を抱えていらっしゃった姿が蘇ります。「ポケットの中に刺しゅうを入れましょう」「ポケットを引っ張り出して、ぷしゅぷしゅがいたらおもしろいですよね」などの提案をしました。デザインというより、アイデアでしょうか。子どもがお着替えをする際、たとえ間違えてしまっても「自分で着られた!」と肯定されるようにできないか考えたんです。それでTシャツは、前後どちらでも着られるデザインを提案し実現してもらいました。

岡林:
ビビットでわかりやすい色だけでなく間に存在する多様な色も表現する、大きなボタンで指先を使って頭の発達を促す、形の“同じ”や“違い”を発見する…。今回意識したこれらのポイントはすべて、私たちが『シナぷしゅ』に落とし込んでいるメッセージと同じです。表現する方法が違うだけで、伝えたいメッセージがジーユーさんと一緒なのです。「どのように表現するか・どのように表現したら一番楽しんでもらえるか」という思いがお互い一致していたのかなと思います。

反響・効果

販売開始2時間でオンライン先行販売分が完売!『シナぷしゅ』のSNSにも多くの反響が

2021年6月3日からオンラインストア、6月11日から全国の「GU baby」取扱店舗で販売したところ、発売からわずか2時間でオンラインストアでの先行販売分が完売しました。ジーユー店舗でも、予想を上回るハイペースで購入され入手困難になりました。

平松:
一番驚いたのは大人用ユニセックスTシャツへの反響です。最初は、ベビー服のみ作るつもりでしたから。「親子のコミュニケーションツールとして使えるのではないか」と途中で二人からアイデアをもらい、ベビーと同じような仕掛けのある服を大人用も作る流れになりました。私たちでは思いつかない、素晴らしいアイデアだったと思います。『シナぷしゅ』ファンの皆さんも、このセンスを感じ取って、『親子で着たい!』と思ってくださったようです。思いもよらない領域にまで広がったのが驚きでした。

飯田:
番組開始当初から応援してくださっているファンの皆さんには、「ジーユーのようなビッグネームと『シナぷしゅ』がコラボレーションする日が来るなんて!」と喜んでもらいました。多くのご意見に加えて、「買えなくて悔しかった…」などのコメントも番組のSNSに届いたんです。とにかくすさまじい反響でした。

ジーユーのチーム体制とテレ東の企画力で「新たなものを生み出す」コラボレーションに成功

平松:
テレビ東京さんの企画力を今回目の当たりにしました。格が違いましたね。発想力や想像力を大切にして日々仕事に取り組んでいる私たちでも、学びが多かったです。「何事も決めつけずにやってみて発想していく」のが大切だと教えてくださった気がします。本当のクリエイティブが拝見でき、素晴らしい経験となりました。どちらかの看板だけを使うのではなく、「新たなものを生み出す」というコラボレーションの形自体も新しいと思います。
また多くを出し合った中には、具現化しきれていないアイデアもまだまだあります。赤ちゃんに喜んでもらえること・楽しんでもらえることを今後も形にしていきたいです。チームのメンバーも楽しんでこの仕事をやっているので、『シナぷしゅ』とのコラボレーションを今後も続けていけたらいいなと思っています。

岡林:
赤ちゃんは宝物としてこの世に誕生し、その成長は朝から晩まで365日、何年も続いていきます。チャンスがあれば、赤ちゃんそして家族が喜ぶ商品をジーユーさんと一緒に再び作っていきたいです。 また「赤ちゃんと家族をハッピーに」という同じ目的を共有しながら、“ジーユーさんは服・テレビ東京は映像”と、それぞれの特長を活かした形でコラボレーションが実現できたのが今回の最大の成果だと思っています。自己肯定感・想像力・自立など、『シナぷしゅ』が映像で表現したいことを、ジーユーさんが服で表現してくださいました。単純なコラボレーションではない形を実現できたのは、すごい量のブレインストーミングを最初に行ったからだと考えています。役員からデザイナーまでジーユーさんが総出で参加してくださり、「何のためにこれをやろうとしていて、行き着くところはどこなのか」について熱い議論を交わしました

飯田:
『自分のサラリーマン人生におけるハイライトの大半は、今回のコラボレーションで埋め尽くされるのではないか』と思うくらい、濃密な時間が過ごせて非常に勉強になりました。全員が自分の役割できちんと歯車を回し、それがしっかりと噛み合ってプロダクトが生まれる過程といいましょうか。ジーユーさんのチームとしての体制に感動しました。
ジーユーさんとは、打ち合わせの度にやりたいことがどんどん出てきます。「どのようにアプローチするか・どのような楽しい日常を提案できるか」を考えながら、赤ちゃんファーストの目線を大切にして次回も前に進んでいきたいです。

テレ東と だからできること

人の少なさを思いや熱量で埋めて長所にしていく!失うものがない・怖いもの知らずの姿勢が成功のもと

飯田:
テレビ東京では、人が少ない中でプロジェクトを回していくのが基本です。人の少なさを思いと熱量でカバーするのが“テレ東スタイル”だと私は考えています。人数が少ない分、フットワークが軽く、局のポリシーをぶつけやすい体制なのではないでしょうか。企業の皆さんがテレビ東京とビジネスする際のうまみは、マンパワーではなく、熱いエネルギーなのかなと思っています。 今回、洋服をコンセプトにコンテンツ制作を考えた経験には、社内では得られない学びがありました。表現の幅もグッと広がったと思います。結果として売り上げもついてきましたが、それ以上のプライスレスな経験ができました。

岡林:
テレビ東京の強みは、失うものがないところです。そこに『シナぷしゅ』の強みである「怖いもの知らず」が加わって、「失うものなし、怖いもの知らず」で乗り込んだ結果、ジーユーさんとのコラボレーションにつながりました。いいものを創り出せたと思っています。
テレビ東京の中だけで仕事をしていると、視野が狭くなる部分があります。ジーユーさんと今回向き合い、会議の仕方・社内での議論・プロの仕事の仕方など、皆さんの凄腕を拝見できました。毎回刺激的で、コラボレーション以外の仕事にも大きな影響をもらえたと感じています。世界観が広がるコラボレーションでしたし、「ただのキャラクターコラボレーションではなく『シナぷしゅ』とさらに深いものを展開したい」とほかの企業からもありがたいことにオファーが来るようになりました。お互いの企業理念、また番組理念も突き合わせて、深いところで喜んでもらえるものを作っていく…今回のコラボレーションで、テレビ東京のビジネスも広がったと感じています。

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