こにしき(言葉・日本社会・教育)

関西学院大学(2016.04~)の寺沢拓敬のブログです(専門:言語社会学)。

本

早期英語の国際比較分析(Hayes, 2022)

Hayes, D. 2022. Early Language Learning in Context: A Critical Socioeducational Perspective. Multilingual Matters. https://www.multilingual-matters.com/page/detail/Early-Language-Learning-in-Context/?k=9781800415843 本書は、早期言語教育(…

図解:ルイ=ジャン・カルヴェ『言語政策とは何か』

ルイ=ジャン・カルヴェ『言語政策とは何か』を久々に読んだ。意識高い界隈で流行っているようなので、本の内容について自分にだけわかればよいというノリで図解しました。 この本は、大学院進学の直後に読んだ。当時(約15年前)は、言語政策を冠した和書で…

「あとがき」に入れる予定だった小学校英語教育論ブックガイド

2月22日に、拙著『小学校英語のジレンマ』という岩波新書が発売される。 小学校英語のジレンマ (岩波新書)作者:寺沢 拓敬出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2020/02/22メディア: 新書 調子に乗って草稿を書きすぎたせいでページがかつかつで、削りに削って25…

いただきもの『7つの神話との決別 21世紀の教育に向けたイングランドからの提言』

訳者の清泉女子大学大井恭子氏からご恵贈いただきました。 ありがとうございます。 反アクティブラーニングの書、とのこと。 E. D. ハーシュ(カルチュラルリテラシー論で有名)による序文あり。ハーシュによると、アクティブラーニング(AL)に対する批判…

いただきもの:内田良編『調査報告 学校の部活動と働き方改革――教師の意識と実態から考える』岩波ブックレット

名古屋大学の内田良さんからご恵投いただきました。 3章では拙論文も引用いただき、ありがとうございます。 件の拙論文「小学校英語政策の問題点」(http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-880-2.htm …) は、出版以降しばらくたったものの、小…

クリティカル言語テスティング。とは・・・

Shohamy, E. (2001). The power of tests: A critical perspective on the uses of language tests. Harlow, England: Longman. 非常にわかりやすい文章。論のはこびも親切。節見出しだけ拾って言っても大体どういう話かわかる。ただ、各章が短い。しかも、…

中村高康著『暴走する能力主義』(ちくま新書、2018)

暴走する能力主義 (ちくま新書)作者: 中村高康出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2018/06/06メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る 読了。名著。 「コミュニケーション能力」「人間力」「21世紀型能力」「リーダーシップ」「批判的思考」…。現代…

読書ログ:B. ダナーマーク他著『社会を説明する:入門・社会科学の批判的実在論』(1章-3章)

読書ログ:B. ダナーマーク他著『社会を説明する:入門・社会科学の批判的実在論』 Danermark, B. et al. 2002. Explaining Society: An Introduction to Critical Realism in the Social Sciences. Routledge. 原則として英語版(こちらもスウェーデン語か…

読書ログ:Critical Theory: A Very Short Introduction

Bronner, Stephen Eric. (2011) Critical Theory: A Very Short Introduction. (Very Short Introductions) Oxford University Press. 買った1ヶ月後に新版が出てしまった。以下は旧版のログです。 Critical Theory: A Very Short Introduction (Very Short …

リサーチパラダイム(実証主義、批判的リアリズム、解釈主義)の教科書

The Foundations of Research (Palgrave Study Skills)作者: Jonathan Grix出版社/メーカー: Palgrave発売日: 2010/05/07メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る読んだ。 イギリス大学院の社会科学系リサーチメソッドの授業では定評があ…

D. ブロックの新刊『政治経済学と社会言語学』

David Block (2018). Political Economy and Sociolinguistics: Neoliberalism, inequality and social class. Bloomsbury. タイトルにあるとおり、社会言語学における政治経済学(political economy)の意義・位置づけを論じた本。ただ、ふつうの社会言語学…

フェミニスト英語教師のアイデンティティ

以下の本を読んだ。 Yoshihara, Reiko. 2017. The socially responsible feminist EFL classroom: A Japanese perspective on identities, beliefs and practices. Multilingual Matters.8人のフェミニスト大学英語教員の長期にわたるインタビュー調査(教室…

言語政策研究の方法論について(『言語政策リサーチメソッド・実践ガイド』書評)

Research Methods in Language Policy and Planning: A Practical Guide (Guides to Research Methods in Language and Linguistics Book 6) (English Edition)作者: Francis M. Hult,David Cassels Johnson出版社/メーカー: Wiley-Blackwell発売日: 2015/04…

10月に読んだ本(今年の3冊候補)

書店でたまたま手に取ったというだけの縁で読み始めた2冊(いずれも今年発売)。まったく毛色が違う2冊だが、どちらも非常に面白かった。 アナキズム入門 アナキズム入門 (ちくま新書1245)作者: 森元斎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2017/03/06メディア:…

『ことばと社会』第19号「特集 ことばの商品化」に論文が掲載されました。

「経済学から見た言語能力の商品化――日本における英語力の賃金上昇効果を中心に」という論文を(経済学者じゃないのに)書きました。経済学者の皆さん、すみません。ことばと社会 19号 特集:ことばの商品化「英語ができれば賃金アップ!」みたいな話をとり…

『半径5メートルからの教育社会学』という本が出版されます。

片山悠樹・内田良・古田和久・牧野智和(編)『半径5メートルからの教育社会学』という本が大月書店から出版されます。 私は、第7章「『英語は全員が学ぶもの』という自明性を疑う」という章を執筆しています。出版社ウェブサイト - 半径5メートルからの教…

ブックチャプター執筆しました(三省堂『小学校外国語科内容論』)

私がブックチャプターおよびコラムを執筆した本が出ました。 酒井英樹・滝沢雄一・亘理陽一編 (2017)『小学校で英語を教えるためのミニマム・エッセンシャルズ 小学校外国語科内容論』三省堂 私が担当したのは以下の2つです。 第11章 現代社会における英語 …

いただきもの『はじめての英語教育研究』

著者の方々からご恵投頂きました。 ありがとうございます。 勉強いたします。はじめての英語教育研究 −− 押さえておきたいコツとポイント作者: 浦野研,亘理陽一,田中武夫,藤田卓郎,?木亜希子,酒井英樹出版社/メーカー: 研究社発売日: 2016/07/20メディア: 単…

いただきもの『高校英語授業を知的にしたい』

静岡大学の亘理陽一氏からご恵贈いただきました。 ありがとうございます。 勉強します。高校英語授業を知的にしたい −−内容理解・表面的会話中心の授業を超えて作者: 三浦孝,亘理陽一,山本孝次,柳田綾出版社/メーカー: 研究社発売日: 2016/06/18メディア: 単…

いただきもの『中学英文法で大学英語入試は8割解ける!』

アルクの矢部さんから御恵贈いただきました。 どうもありがとうございます。中学英文法で大学英語入試は8割解ける! 高校英語授業の最優先課題 (アルク選書シリーズ) [ 金谷憲 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 教育・福祉 > 教…

いただきもの『英語と日本軍―知られざる外国語教育史』

和歌山大学の江利川春雄氏からご高著『英語と日本軍―知られざる外国語教育史』をご恵投いただきました。 ありがとうございます。 パラっと見た限りですが、英語教育制度(非公式の「制度」を含む)における戦前と戦後の連続性も裏テーマのひとつでしょうか?…

いただきもの:『言語への目覚め活動』

大山万容氏より『言語への目覚め活動 ―複言語主義に基づく教授法』をご恵投いただきました。ありがとうございます。不案内な分野ですのでじっくり読みながら勉強させていただきます。言語への目覚め活動 ―複言語主義に基づく教授法作者: 大山万容出版社/メー…

いただきもの『就業機会と報酬格差の社会学』

東京大学・有田伸先生より、ご新著『就業機会と報酬格差の社会学 非正規雇用・社会階層の日韓比較』をご恵投頂きました。どうもありがとうございます。勉強させて頂きます。就業機会と報酬格差の社会学: 非正規雇用・社会階層の日韓比較作者: 有田伸出版社/…

いただきもの:『東アジアにおける留学生移動のパラダイム転換』

嶋内佐絵氏から『東アジアにおける留学生移動のパラダイム転換―大学国際化と「英語プログラム」の日韓比較』をご恵投頂きました。博論をもとにした書籍ですのでかなり重厚な内容です。勉強させて頂きます。拙著(および著者と2012年に共著で書いた論文)も引…

いただきもの:『コミュニケーション研究のデータ解析』

少し前のことになりますが、著者の一人である岡部大祐氏からご恵投いただきました。紹介が遅くなって失礼しました。理論とハウツーのバランスがとても良いと思いました。勉強させて頂きます。コミュニケーション研究のデータ解析作者: 田崎勝也出版社/メーカ…

いただきもの: 『世界と日本の小学校の英語教育 』

京都大学の西山教行氏からご恵投いただきました。 ありがとうございます。 勉強させて頂きます。世界と日本の小学校の英語教育――早期外国語教育は必要か作者: 西山教行,大木充出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2015/12/28メディア: 単行本この商品を含むブ…

バトラー後藤裕子著『英語学習は早いほど良いのか』(岩波新書、2015)

読んだ。英語学習は早いほど良いのか (岩波新書)作者: バトラー後藤裕子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/08/21メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る 目次 第1章 逃がしたらもう終わり?―臨界期仮説を考える 第2章 母語の習得と年齢―こ…

訳した本が出ました。

私が翻訳協力者として携わった本が出版されました。 黄色い本の3章と6章を訳してます。グローバル化社会と言語教育 ―クリティカルな視点から (久保田竜子著作選1)作者: 久保田竜子,奥田朋世出版社/メーカー: くろしお出版発売日: 2015/08/28メディア: 単行本…

保城広至著『歴史から理論を想像する方法』(勁草書房, 2015)

歴史から理論を創造する方法: 社会科学と歴史学を統合する作者: 保城広至出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2015/03/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る 読んだ。たいへん勉強になった。方法論(メソッドのハウツーという意味ではなくて…

いただきもの:『教育という病』『グローバル教育を考える』

名古屋大学内田良氏から『教育という病』(光文社新書)を、順天堂大学の小泉利恵氏から『グローバル教育を考える』(アルク選書)をそれぞれご恵投頂きました。ありがとうございます。勉強させて頂きます。 教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リス…