とあるFinTechスタートアップのスキルテスト対策

Koushi Kawamoto
The Finatext Tech Blog
7 min readJul 3, 2020
Photo by Ilya Pavlov

こんにちは。Finatextでエンジニアのマネジメントをしている河本です。

先日は当社の技術スタックについて紹介しましたが、今回は「FinTech スタートアップでのスキルテストってどんなの?」という話をしたいと思います。

この記事で伝えたいこと

お伝えしたいのは以下の2点です。

  • Finatextはエンジニア採用でスキルテストをしています。
  • でも、中身はFinTech 特有のテストというわけではないです。

以下、スキルテストの目的から説明していきます。

なぜやるのか

我々がスキルテストを実施する目的は、以下の3つです。

1. 技術力・解決能力をみる

候補者の方にご提出いただいたレジュメは多くのメンバーの目を通り、それなりに時間もかけて審査していますが、それでも読み取れる情報はかなり限定的です。「大規模プロジェクトに携わった」と記載があっても関与度によって評価は大きく変わってきますし、個別に深堀りしたとしても実装方法まで読み解くことはほぼ不可能です。そのあたりを面接時に補っていくのですが、裏付けが欲しい時もあります。また、面接時には職務経歴にある項目を中心に質問をしがちなので、実は得意なのに触れられていないスキルがあるかもしれません。

「面接でアピールが足りなかった」と思った時は、ぜひスキルテストをアピールの場として使って下さい。判断材料が増えるのは、応募者と採用側、双方にメリットがあると思います。

2. コミュニケーションをみる

コードなど技術的な面以外に、コミュニケーションの部分もみています。

「現時点でどれくらい進んでいる(遅れている)」「◯◯の動作がうまく行かず課題の構築が止まっている」という報告や、「課題の△△の箇所に◯◯を使ってよいか?」といった質問、問題が起きた時の姿勢など、実際の業務でのコミュニケーションをイメージしています。

スキルテスト実施中は担当エンジニアからも声をかけるように心がけてはいますが、応募者の方も遠慮なくSlackで話しかけてください。

3. 応募者にも我々を見てもらう

我々からすると選考のプロセスですが、応募者の方にとっては当社がご自身の転職先としてふさわしいか否かの見極めプロセスかと思います。一緒に働くことになる同僚との相性も重要な検討事項ですよね。

先ほども少し触れましたが、スキルテストの間は必ずエンジニアがついてサポートします。この先一緒に働くかもしれないメンバーと直接やりとりできる機会ですので、ぜひテスト以外のことも色々と聞いて、当社での開発の雰囲気をつかんでみてください。

どんなことをやっているのか

以下、具体的な実施内容です。

コミュニケーション手段はSlack

日程調整から当日のやりとりまで、すべてSlackで行います。

実施時間は3時間、場所や環境は応募者の自由

3時間というまとまった時間が必要なので、応募者が時間を確保できる日時を土日を含めて指定いただいています。開発言語や開発環境の指定はありません。サーバを構築するAWS 以外は、慣れたご自身の環境で臨んでください。

GitHubに課題用リポジトリを用意して共有

Privateリポジトリを用意し、担当メンバーをOutside Collaboratorとして招待して下さい。
成果物は実動作での確認を優先していますが、コードは書けたのにAWSに不慣れでうまく動かせなかった等、なんらかの理由で動かない、といったケースがたまにあります。リポジトリが共有されていれば、そんな時にもコードレビューまではできます。まめにcommitしていってください。

課題の事前共有

スキルテストを開始する前に、課題のドキュメントを共有いたします。ドキュメントに従い、いくつかある指示の通りにAPIを作ってもらいますので、じっくりドキュメントに目を通してください。

AWS 上の EC2 インスタンスにログイン

インスタンスを準備しログイン情報を提供します。ログインしたら、スキルテスト開始です。

データファイルをDBに格納

APIがデータを使えるよう、DBに格納して下さい。DBMSについては任意のものを使ってかまいません。

課題のAPI を作りデプロイ

課題が完成したら、担当エンジニアに報告してください。ブラウザ等でチェックしていきます。
時間内にすべての課題が終わった方は、余った時間で課題に無い新機能の追加実装や、品質向上、セキュリティへの配慮の対応などをしてみてください。プラスアルファな要素は加点される可能性があります。

フィードバック

終了時間になったら状況を報告して終了です。翌営業日を目処に結果のフィードバックを行います。

技術力のチェックポイント

技術力に関してどんなところをみているかというと、

  • プログラムが書けるか
  • 基本的なインフラの操作ができるか
  • データベースを扱えるか

の3点です。課題もこれらが判断できるように組んでいます。加えて、

  • セキュリティへの配慮
  • テストを意識した設計

あたりの要素が含まれているとなおよいです。

それって、全然 FinTechじゃなくない?

はい。正直言って、一般的なサーバサイドエンジニアのスキルセットです。

金融ドメインの知識や経験があるに越したことはないのですが、それを基準にしてしまうと、採用側としてもかなり間口を狭めることになります。金融知識や関連技術については入社後にキャッチアップしていただきます。

また、当社にはインフラ専任チームやSRE専任チームがありません。すべてのエンジニアがフルスタックにプロダクトに関わることを理想としています。そのため、スキルセットとして基本的なインフラ操作は必須なのです。

FinTechの世界に飛び込んでみよう

かくいう私も、前職はWeb系企業、その前は長いことゲーム会社にいました。まったくの別業界からFinTechに飛び込んだ一人です。金融に関しては社内の経験者からも教えてもらいながら日々勉強中ですが、学ぶことがたくさんあり、好奇心が尽きません。

もしかしたら「FinTech」「金融」というだけでなんとなく検討の対象外になっているエンジニアが多いのではと思い、この記事を書かせていただきました。

エンジニア募集中です

そんな当社では、引き続きサーバーサイドエンジニアを募集中です。

本稿を読んで、 FinTech への警戒心が少し下がったあなたの応募をお待ちしています!

なお、「まずはカジュアルに話を聞いてみたい」という方は、以下のフォームからご連絡ください。

▶カジュアル面談応募フォーム

※ちなみに、今回はFinatextでのスキルテストにフォーカスしていますが、オルタナティブデータ分析のグループ会社ナウキャストでも、スキルテストを実施しています。こちらはまた別の機会にご紹介します。

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