こんにちはユレオです。
何か予想もしなかったトラブルが起きたときは人は誰しも冷静さを失うものですが、皆さんはいかがですか?冷静に行動できていますか?
多くの場合は本人は冷静なつもりでも周囲の人から見ればいつも通りの様子ではなく、「不安」「恐怖」「怒り」「興奮」などの心理状態で冷静でないように見えます。
それゆえに周囲の人間はこう言うのです。
「まー落ち着けって」
これを聞いたあなたは、きっとこのように答えるのではないでしょうか。
「大丈夫、落ち着いてるから、イライラもしてない。」
そういいながら「落ち着け」と言われたことに”イラッ”としているものです。
本日は思わぬトラブルが起きた時に誰でも出来る、対処方法についてお話ししたいと思います。
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人間は思考ではなく心理が身体を支配している
予期しないトラブルが起きると人はトラブルに対して対応しようと、考えられる予測とそれぞれの選択に対するシミュレートを行います。
これはほとんど本能的に行われ、本人の意思に関わらず思考を巡らせ、人は不測の事態に備えて問題を頭の中で物事を反復してシミュレートします。
シミュレートした結果、被害をリアルに想像して「起きてもいない状況が実際に起きた」と誤認して、さらに不安と恐怖が心を支配し冷静さを奪います。
本文を説明しやすくするために、この本能的な自己を守ろうと思考を巡らせることを”自己防衛機能”と命名させていただきます。
この時あなたの中にはいくつかの思考と心理が生まれています。
「思考」
・トラブルが起きたことによる対処を考える思考。(自己防衛機能)
「心理」
・自己防衛機能が想像した内容を事実と誤認して「不安・恐怖」を感じる。
・トラブルが起きた時こそ冷静にならねばと考える「平常」の心理。
「思考」は人として持つ本能なので、「心理」とは切り離して考えることが出来ます。
「心理」は種類があり、普段は「平常」の心理が心理全体を支配していますが、トラブルが起きた時は自己防衛協の影響で「不安・恐怖」の心理が台頭します。
「不安・恐怖」が8で「平常」が2の心理状態は冷静ではないと言えます。
「不安・恐怖」が2で「平常」が8の心理状態は冷静を保っていると言えます。
つまり、「不安・恐怖」の心理が強く働き心理全体を支配することで、人は「不安」や「恐怖」で誤った選択をする可能性が高まり、その心理は身体にも影響を与え、表情がこわばり冷や汗が出ます。
周囲の人はそのあなたの身体的な変化を感じとり、「まー落ち着けって」と声をかけるわけです。
「平常」の心理が強く働き心理全体を支配している場合は「不安・恐怖」が実は思考がもたらしたものを誤認していることを理解しています。
このような心理状況は、いつも通りの冷静な状態に見えます。
周囲の人はそんなあなたを見て「トラブルが起きているのに冷静だな。」と感心するわけです。
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心理自体のリソースを奪い、コントロールする
みなさんお気づきかと思いますが、トラブルが起きた時の「不安・恐怖」の心理の働きが弱ければ焦ることもなく、「平常」の心理が自然と働きトラブルの際でも冷静でいることが出来ます。
当然誰しもがこのような行動をとりたいところですが、いざ目の前にトラブルが発生して巻き込まれると、どんな方でも「不安・恐怖」の心理が働きます。
「不安・恐怖」の心理が増大して冷静な判断ができなくなる前に、「平常」の心理を増大させるということはできますが、この方法は少し難しいです。
良くあるのが、「落ち着け俺!」と自分に言い聞かせて「平常」の心理を強化しようとする方法です。
しかし「不安・恐怖」の心理の増加を止めることが出来なければ、いずれ「平常」の心理は飲まれてしまいます。
それよりも効果が高いのは一時的にトラブルの内容と異なることを考え、「不安・恐怖」の心理が増大しそうになった時に「心理」そのもののリソースを奪ってしまうという方法です。
具体的にどうするのか
”自己防衛機能”が様々なケースを想像して、それをあたかも現実に目の前で起きたと誤認して、「不安・恐怖」の心理が増大しそうになる前に心理自体のリソースを奪ってください。
奪い方は簡単です。頭の中で羊をイメージして数えてみてください。
数える時間は30秒間ぐらいで十分で、「不安・恐怖」に心理が支配されそうになる度に繰り返してください。
これは一見ばかげているようですが効果はあり、数えるのは羊でなくても構いません。
「ジョジョの奇妙な冒険」ではプッチ神父がピンチの時にこんなセリフを言います。
「落ち着け、素数を数えるんだ」
これはけっして漫画のネタとしてのセリフではなく「不安・恐怖」に心理が支配されそうになった時に一時的に心理自体のリソースを奪い、「不安・恐怖」の心理の増長を止めることが出来ます。
私はこの「ジョジョの奇妙な冒険」のプッチ神父のセリフを見てから羊を数えるのをやめて、「2の冪乗(*)」を数えるようにしました。
*2の冪乗(べきじょう) 2.4.8.16.32.64…
一時的に「不安・恐怖」の心理が増大するのを止めることが出来れば、あとは「平常」の心理が勝手に心理を支配してくれます。
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最後に
トラブルが実際に目の前で起きて「不安・恐怖」に飲まれそうになった時、ひと呼吸をおいて以下の行動をとってみてください。
【①】
頭の中で羊をイメージして数えてみてください。(数えるのは羊以外でも構いません)
「不安・恐怖」の心理が増大しようとしているので、心理自体のリソースを一時的に奪えればなんでもかまいません。
【②】
「不安・恐怖」の心理の増大を一時的にも止めることが出来れば、あとは勝手に「平常」の心理が働きます。
「平常」の心理の支配が強い状態で、トラブルの状況の把握を行ってください。
そして何が最適な行動であるかを考えてみてください。
【③】
一度「平常」心理の支配が強い状態で考えた行動を、トラブルに対する行動指針として遂行してください。
「不安・恐怖」の心理が心理全体を支配しそうになったら、一時的に心理自体のリソースを奪う癖をつけておけば、万が一のトラブルが起きた時でもすぐに「平常」の心理が働き、冷静に対処できます。
こういう知識が役に立つことが無いのが一番ですが、記憶の片隅にとどめておくことでいざという時に役立つかと思います。
『落ち着け、羊を数えるんだ』
ほら、もう覚えたのではないでしょうか。
*本日のお話しは以下の書籍で詳しく触れています。
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