海洋に漂うプラスチックごみ、2050年までに魚の量しのぐ 報告
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【1月21日 AFP】世界の海に漂うプラスチックごみの量は、各国が相当に積極的なリサイクル政策を導入しない限り、2050年までに魚の量を上回ると警鐘を鳴らす報告書が19日、スイス・ダボス(Davos)で発表された。
報告書は、単独ヨット世界一周航海で知られる英国人エレン・マッカーサー(Ellen MacArthur)氏が循環型経済を提唱して立ち上げた「エレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation)」が、世界の政財界の有力者が集う「世界経済フォーラム(WEF)」年次総会(ダボス会議)に合わせて発表したもの。
同財団がマッキンゼー・ビジネス環境センター(McKinsey Centre for Business and Environment)の協力で行った世界規模の調査によると、プラスチック製容器包装の実に95%が1回使用されただけで廃棄されており、その経済的損失は年間800億~1200億ドル(約9兆~14兆円)に上るという。
このうち海洋に投棄されるプラスチックごみの量は、少なくとも年間800万トン。1分間にごみ収集車1台分のプラスチックごみが海に流出している計算になるという。「このまま何の対策もとらなければ、2030年には毎分ごみ収集車2台分、2050年には同4台分に増える」と報告書は予測している。
さらに報告書は「現状が続くならば、海洋に漂うプラスチックごみの量は2025年までに魚3トンにつき1トンの比率にまで増え、2050年には魚の数を上回る」と警告している。(c)AFP/David WILLIAMS