九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)周辺の放射線測定装置(モニタリングポスト)のあり方を批判した朝日新聞の記事に、装置を設置した鹿児島県や、原子力規制委員会が猛反発している。県は「国の指針に基づいた配置であり、問題はない。不安をあおる記事だ」と憤った。鹿児島県の設置状況を調べた。(小路克明、高瀬真由子)
「あたかも(避難を)判断できないように報道をし、立地自治体に無用な不安を与えたことは、非常に犯罪的だ」
原子力規制委の田中俊一委員長は16日の定例会で、朝日の記事を批判した。
問題の記事は14日付朝刊に掲載された。
「モニタリングポストのうち、ほぼ半数が事故時の住民避難の判断に必要な放射線量を測れない」「事故時の住民避難の態勢が十分に整わないまま、原発が再稼働した」
鹿児島県の態勢の欠点を強調するものだった。
共同通信も同日午前、「監視装置、半数が性能不足」の見出しで、「監視態勢が不十分なまま、再稼働したとの批判が出そうだ」との記事を配信した。
モニタリングポストは空間の放射線量を計測する。原発事故が発生した場合、放射性物質が漏洩(ろうえい)していないかを知る目安となる。
では、鹿児島県の実態はどうか。