太秦萌ちゃん人気、全国級に 京都市地下鉄の美少女キャラ
京都市営地下鉄の応援キャラクター「太秦萌(うずまさもえ)」ら3人の人気が各地に広がりつつある。大手出版社が9月に小説化を決定し、神戸市の私鉄は萌らの活躍をまねて、美少女キャラを誕生させた。もともと経営難から「金をかけないPR策」として市職員の妻が原画を描いたのが始まりで、市交通局は「予想外としか言いようがない」と驚いている。
■原画は市職員の妻
応援キャラは萌のほか、松賀咲(まつがさき)、小野ミサ。名前は地下鉄駅にちなむ。若手職員グループの発案で生まれた。当初は予算がなく、学生時代に漫画家を目指していた職員の妻が無償でデザインした。2011年5月にポスターに登場後、注目を浴び、13年度にプロのイラストレーターにリメークを依頼した。
■ライトノベルに
講談社(東京都)は、京都府内在住の新人作家に依頼し、ライトノベル「京・ガールズデイズ 太秦萌の九十九戯曲(つくもぎきょく)」を9月に発売する。3人が地下鉄などを舞台に怪事件を解決する内容で、編集担当者は「家族構成など人物設定が充実し、他社のキャラとは異なるストーリー性があった」。交通局は無料でキャラの使用許可を出して協力する。
■神戸からも便乗提案
また神戸市の新神戸-谷上間(7・5キロ)で運行する北神(ほくしん)急行は、同局を参考にした増客策を練り、昨年11月に北神弓子(きたがみきゅうこ)という美少女キャラを生み出してPRを始めた。同社は「うちも経営難。職員のアイデアを生かした成功例を見習いたい」とし、萌と弓子の合同企画を提案する。
■ふざけていると言われたが…
市営地下鉄は全国一厳しい経営状況で、萌が登場した当初は「ふざけている場合か」と冷めた声もあった。しかし、観光客数の増加もあり、登場前に比べ1日当たりの乗客数は3万人増加し、赤字は10分の1に縮小した。同局は「若手職員に熱意が生まれたのは確か」と強調する。原作者の職員の妻は「筆をとった当初はこれほど展開するとは思わなかった。今は萌ちゃんの一ファンとして応援してます」と喜んでいる。
【 2015年08月27日 17時00分 】