忘れがちな「企業年金」
「もしかしたら、あなたには遡ってもらえる年金があるかもしれません」と書くと「それって、大騒ぎになった消えた年金ことでしょう」と思う人も多いでしょう。確かに、2007年には公的年金の納付記録の漏れが約4000万件見つかり、現在でも、まだ約2000万人分が持ち主不明のまま残っています。
けれど、これから説明する「遡ってもらえる年金」は、公的年金のことではありません。企業が私的に設定している企業年金です。
企業年金というのは、企業が独自に公的年金に上乗せしている年金。10年間保険料を支払わなければもらえない公的年金と違って、働いている会社に企業年金があれば、たとえ1ヶ月しか加入していなくとも、一生涯もらえる年金です。
ところが、この「企業年金」を申請しないままもらい忘れている人が、なんと2022年3月末時点で「112万人」もいます。これは最大の企業年金である厚生年金基金を管轄している、企業年金連合会の報告によるもの。