鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

ー復讐のスワンー攻殻機動隊外伝:プロローグ

2018-09-13 16:02:25 | æ”»æ®»æ©Ÿå‹•éšŠäºŒæ¬¡å‰µä½œ


ー復讐のスワンー
攻殻機動隊外伝


~17世紀~


ードイツ北部ツヴィッカウ王国ー


秋を装う澄んだ空。

この地に住む少女オデット。
演芸酒場の踊り子でもあるオデット。
今日は昼の部の演舞もお休みの休日。
そんなオデットのこの時期の楽しみは、花の首飾りや花冠を作ること。
オデットはいつもの休日となんら変わらず、花畑で花冠に使う花を摘んでいた。今の時期は色とりどりの秋桜(コスモス)が人々の目を楽しませる。

そんな秋桜で花冠を編むオデットの頭上が一瞬、暗くなると「ヒラヒラ」と黒色(こくしょく)の羽が落ちてくる。
「何かしら」とヒラヒラと落ちてくる羽を目線で追うオデット。
そのオデットは自分の眼を疑った。
ヒラヒラと落ちてくる羽はやがて黒色鳥に変わったかと思うと「人」の形にその姿は変わり、オデットの目の前に舞い降りた。
オデットは摘んでいた花を静かに足元に置き、両手で目を擦る。
擦ったせいなのか、目の前にがぼんやりする。
オデットは目をぱちくりさせた。

「あらあら。驚かせしまったかしら」とオデットの目の前に舞い降りた『魔女のロット・バルト』が現れ、「ニコリ」と微笑みながら大きな石の上に腰掛け語りかけた。

「うん。ちょっとだけビックリした」

「でも大丈夫よ」

「貴女(あなた)は妖精さん!?」




オデットが尋ねると「私は黒色鳥の化身。魔女のロット・バルト」と答え、手にする杖を使い呪いの魔術をオデットに掛けたのだ。

「将来、私の邪魔になる存在は早い内に摘み取る事にしたのよ」

「恨むなら自分の運命を恨みなさい」

オデットを白鳥に変えてしまったのだ・・・・・


王宮の前庭。


今日は『ジークフリート王子』の21歳の誕生日。

お城の前庭にはジークフリート王子の友人が集まり祝福の踊りを踊っている。
そこへ王子の母が現われ、明日の王宮の舞踏会で花嫁を選ぶように言われてしまう。

まだ結婚したくないジークフリート王子は物思いにふけり、友人達と共に白鳥が住む湖へ狩りへと向かった。
静かな湖のほとり。
白鳥たちが泳いでいる。月の光が出ると、その中の一羽が、娘の姿へと変わっていった。
ひときわ美しいオデットに王子は惹きつけられる。
彼女は夜だけ人間の姿に戻ることができ、「この呪いを解くただ一つの方法は、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらうこと」王子に告げた。

それを知った王子は明日の舞踏会に来るようオデットに伝え、その場をあとにした。
王宮の舞踏会。
世界各国の踊りが繰り広げられているところへ、『魔女の娘オディール』が現われる。
王子は彼女を花嫁として選ぶが、それは魔女のロット・バルトが魔法を使ってオデットのように似せた娘のオディールであり、その様子を見ていたオデットは、湖へ走り去って行く。

魔女に騙されたことに気づいた王子は嘆き、急いでオデットのもとへ向かう。
破られた愛の誓いを嘆くオデットに王子は許しを請う。
そこへ現われた魔女のロット・バルト。

「来世までその呪いの魔術は解けなくてよ。」

「フッフッフッ。」

魔女のロット・バルトはそう言い残すと、闇夜に消え去った……
オデットの呪いは来世まで解けない。絶望した王子とオデットは、来世で結ばれる事を誓い、湖に身を投げた……

そして1000年の時が流れた……


ー西暦2700年ー


「よーし!!レベルアップと。」

「これでレベル992まで上がった。」

「このゲームをはじめて僅か3日。不正したけど僕の『オデット』は最強のバトルコマンダーに成長した。」

"バンドルネーム":ジークフリート。

16歳の少年。

16歳のこの少年は『電脳体感型:バトル・ロワイアルゲーム』に夢中になっていた。

この少年が実は、この『バトル・ロワイアル』ゲームをはじめたのは約三ヶ月前であった……

先ず、ゲームをはじめるには、このゲームサイトにユーザー登録したあと、早ければ三時間後にゲーム内キャラと連動するバトルプロテクターが届く。
そのバトルプロテクターを自身が装着し、電脳に端末ケーブルを繋げばゲームに参加が可能である。
レベルに合わせてバトルコロシアムが設定されている。

そのコロシアムに育てたバトルコマンダーとファイトマネー(仮想通貨)をエントリーすれば、あとは同じレベルで同等又はそれ以上のファイトマネーをエントリーしている対戦者(ユーザー)がランダムに現れ、バトル開始である。

一度対戦した相手とは二度対戦する事は出来ない。
※ただし、『バルト王座決定戦』等のイベント開催時には再び対戦する事が可能。
『バトル・ロワイアル』方式である為、エントリー者が多ければ勝者には多額なファイトマネー(仮想通貨)を手にする事が出きる。
勝者は敗者からエントリーしたファイトマネー(仮想通貨)を受け取り、バトルスーツを強化し、トレーニングメニューから選んだトレーニングをこなす(仮想通貨が必要。)
ただし、体感型なので、電脳を通じて自身も疲労感もあれば痛みも感じる。
従って対戦相手が異性の場合、意図的に触れれば反則となりペナルティを課せられる。
悪質な場合、強制退会させらて尚且つ、同じ電脳ではユーザー登録する事が出来ない。

又、不正が認められた場合、そのバトルは無効。
さらに不正者の仮想通貨と強化パーツ、スーツ等は対戦者に分配され、不正者は強制退会になります。
※強制退会についての一切の意義申し立ては、受け付けません。
又、威力業務妨害で訴える場合も有ります。

この少年はのんびりマイペースで、ゲームに参戦。マイキャラを育てて遊んでいた。

ある日、少年は腕試しのつもりで、バトルにエントリーした。

対戦者はただ一人だけであった。

同じレベルでのエントリーであった。だが、しかし、相手のコマンダーはとてつもない攻撃力を有していたのだ。

「あり得ない!!レベル5で攻撃力:100.000power 防御力:500.000shield。だと!!」

「不正に作られたユニットだ!!」

少年はバトルを拒否、コロシアムを退場しようとするも、コントロールまでもが不正にアクセスされ、1ミリたりとも動かない。

ボディーにワンパンでK.Oされた。

ムカつくが、この相手とは二度と対戦する事はないのだから、今日のところは我慢して諦めようと思っていた・・・・

だが、悲劇は始まったばかりであった。

少年の操るオデットはコロシアムから退場出来ない。
そればかりか、再びエントリーされ、更にファイトマネーまで倍額に羽上がり、強制的に対戦させられたのだ。

「うゎゎゎゎゎぁーーー!!」

「やめろ!!やめてくれ!!」

「僕の……僕のオデットがぁぁぁぁぁーーー!!」

この状態が幾度も続き、少年の仮想通貨は全て巻き上げられ、ここまで育てたオデットは、手足をもがれ、あどけない顔は青ざめ、口からは血反吐を吐き、装備するプロテクトスーツは、見るも無惨に剥がされ、再起不能にまでされてしう。

「こんな……こんなの無効だ……」

「ゲームサイトに不正された事を「チクってやる」泣きながら少年はゲームサイトに今のバトルの無効を訴えた。

十分後、ゲームサイトから審議の結果報告が届く。

「バトルの映像を確認しましたが、不正は認められません」との返事であった。

その一時間後、少年はこのゲームサイトを退会した……
※イメージ曲:チャイコフスキー白鳥の湖


~1ヶ月後~


少年はこのゲームサイトに戻って来た……

『オデット』の復讐の為だけに……

「よーし!!レベルアップと」

「これでレベル992まで上がった」

「このゲームをはじめて僅か3日。不正したけど僕の『オデット』は最強のバトルコマンダーに成長した」

バンドルネーム:ジークフリート。


【新起動】


ーバトル・ロワイアルゲームサイトー


「バトルコマンダー:オデット」起動。起動と同時にオデットの眼が紅く光。

「さてと、先ずはあの糞野郎を血祭りに上げてやる」

バンドルネーム:ジークフリートは不正アクセスにより、以前、対戦しオデットを再起不能にまで落とし入れた対戦相手を検索、探しだした。

「まだ、レベル5で悪さしてんのか」

「オデットの仇きを取らせて貰う」

ジークフリートを名乗る少年は不正アクセスの操作により、強制的にオデットを再起不能にしたプレイヤーユニットをコロシアム内に引きずり込んだ。

否応なしにバトルは開始される。

ジークフリートの眼前には「you.win」の文字化された映像が何度も浮かび上がる。そんな中、何時しか強制的に参戦させられているユーザーは恐怖に怯えていた。

「なんだよ。怯えているのか?」

「お前、自分がやって来た事だぞ!!」

相手のバトルユニットを通し少年はオデットを再起不能まで落とし入れたユーザーの電脳にアクセスした。

勿論、この行為はゲームサイトに限らず違法行為である。

「ベキベキ」とバトルユニットのプロテクトスーツを剥がし、腕と足をもぎ取る。
勿論、この感覚はユーザーである本人にも伝わっている。

だが、実際は本人に対して怪我や痛み、疲労感等が残る事は無く、ゲーム終了と同時に、その感覚は消える。
ましてや実際に腕が「もげる」事などない。
しかし現実には、この相手ユーザーの腕も足も、はもぎ獲られてしまう。

「うぐっ!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁーーーッ!!」

あまりの激痛に悲鳴すら上げる暇もなく、気を失ってしまう。

「ふん。気を失うのはまだ、早い」

「起きろッ!!」

少年は相手ユーザーの電脳へアクセス、強制起動させ、苦痛を与え続けた。

「やっ、やめてくれーーーッ!!」

「お願いだ!!たすけ……

「フッフッフッ。自分の運命を呪うがいい!」

「フッフッフッ。あとは電脳にウイルスを仕込めば完了だな」

電脳にウイルスを注入された復讐のターゲットのユーザーはその後、死亡した。
勿論、ゲームサイトにはこの記録は残っていない。
これもこの少年が操作して隠蔽していてたのだ。


~数日後~


このユーザーの住む隣人から異臭がするとの通報により、この事件が発覚する。
隣人の通報通り、部屋の中は遺体の腐乱した臭いが充満、異臭が立ち込めていた。

「うへッ。こりゃひでぇーな」


◆◆◆◆


第一話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。

この物語りは架空です。攻殻機動隊の二次創作です。
物語りに登場する人物、団体、一部兵器類などは架空です。
実在の人物、団体、兵器類とは関係ありません。
※一部、『白鳥の湖』より、引用。

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