国民に様々な不安をもたらしたマイナ保険証。拙速な推進を疑問視する声が相次ぐ中、約9000億円に及ぶ導入コストは一体、どこに消えたのか。ITベンダーや大手広告代理店、デジタル相が絡み合う利権の正体を解明する!

 

▶︎資格確認書5.5億円増 システム改修367億円
▶︎平デジタル相がNTT迎賓館で3度接待を受けていた
▶︎障害連発 富士通は自民に1.6億円献金で700億円受注

 港区・麻布十番のビルの一角にある会員制レストラン「KNOX(ノックス)」。NTTグループの幹部が接待に利用する“迎賓館”だ。ここに1人の政治家が初めて姿を現したのは、2019年2月18日のことだった。

 当時、マイナンバー事業の受注に力を入れていたNTTグループ。IT政策通で知られる政治家に振舞われたのは、最上級の5万円コースだった。奇しくも当日は、彼の52歳の誕生日直前。小誌が入手していたKNOXの内部資料には〈お客様希望メモ〉欄に次のような一節も登場する。

〈*平様 2/21 birthday アルマニャックお勧め中〉

東京4区が地盤で当選7回の平氏

 フランス最古のブランデーとされる高級洋酒を、誕生日祝いに用意していたのだろうか。この〈平様〉が、マイナ保険証などマイナンバー事業を担当する官庁の大臣に就任したのは、それから5年半後のことだった。

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source : 週刊文春 2024年12月26日号