「日本版ライドシェア」別府で始まる 県内では初

使われていないタクシー車両を一般のドライバーが有料で運転する「日本版ライドシェア」が13日、県内では初めて別府市で始まりました。

大分県有数の観光地・別府市では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、タクシードライバーが減り、慢性的なタクシー不足が続いています。

このため地元のタクシー協会では、使われないまま保管されている車両を活用して、一般のドライバーが有料で運転する「日本版ライドシェア」を導入することになり、13日、出発式が行われました。

はじめに別府市タクシー協会の田中陽介事務局長が、「お客さんの利用状況に合わせて運行し、さらによくなるようサービスを磨いていきたい」とあいさつしました。

そしてテープカットが行われたあと、3人のドライバーが「ライドシェア運行中」と書かれた3台の車両に乗り込み、一斉に出発していきました。

別府市のライドシェアは飲食店や宿泊施設が多く集まる「繁華街」と、公共の交通機関が少ない「北部地区」が運行エリアで、別府市の外に出ることはできません。

運行時間は「繁華街」が、金曜日と土曜日の午後6時から翌午前1時、「北部地区」が月曜日から金曜日にかけての午後8時から午後11時となっています。

車両はあわせて10台で、利用する際は、スマートフォンの専用のアプリを使って現在地や行き先を入力すると、近くに待機している車の位置や所要時間、それに運賃が表示されます。

ドライバーは当面、タクシー会社の事務スタッフなどが務めるということで、田中事務局長は「リアルタイムでお客様の要望に応えられるようスピード感を意識して取り組んでいきたい」と話していました。