NHKの衛星放送を見ていると最近、ニュースなどで「在日コリアン」という言葉がよく登場する。それをタイトルにした特集番組もあった。いわゆる在日韓国・朝鮮人の間で自らの呼称をそう主張する人たちがいるというのだ。
韓国(大韓民国)につながる韓国人でも北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)につながる朝鮮人でもなく、両方の国とは距離をおく独自の存在でありたいと、第3の呼称として英語名になったようだ。
NHKはこの名称をしきりにPRしているようにみえるが、聞き慣れないせいか、あるいは英語のせいか、いささか耳ざわりだ。朝鮮半島での統一国家の名称としては歴史的に「新羅」「高麗」「朝鮮」「大韓帝国」がある。英語の「コリア」は「コリョ(高麗)」からきている。
北朝鮮は以前から南北統一国家論として「高麗連邦」を主張しているから将来、北朝鮮主導の統一国家になった場合、その国民は「高麗人」で日本では「在日高麗人」になるかも。もちろん韓国はこれには反対だ。
韓国主導で統一すれば全て「韓国」「韓国人」になる。今でも北朝鮮系まで「韓国人」といっている。「在日コリアン」などという妙な呼称は、南北が「韓国」と「朝鮮」に分かれ、けんかしているせいである。(黒田勝弘)