製品紹介

さらに進化したパナソニックの働き方改革支援サービス
パナソニックは2019年5月28日、働き方改革支援サービス「しごとコンパス」の新たなサービス(オプション)として、レッツノートに内蔵されているカメラを用いて社員の「こころと身体の元気度」を推定し、働き方や健康のセルフマネジメントを促進する「きもちスキャン」を発表。翌日から開催された「働き方改革EXPO」でも、「しごとコンパス」と「きもちスキャン」が展示され来場者の大きな注目を集めた。今回は説明会の模様や「しごとコンパス」エバンジェリストへのインタビューとあわせ、レッツノートの2019年夏モデルについてもお伝えする。
「社員の幸せ」と「会社の成長」を両立する働き方改革の実現とは
パナソニックでは2018年2月から、独自の働き方改革支援サービスとして、社員のパソコンの操作ログから使用時間や利用アプリケーションを「見える化」し、生産性向上や長時間労働の抑制に役立てる「可視化サービス」を提供してきた。
2019年4月からはこれをバージョンアップし「しごとコンパス」として提供している。そして今回、「しごとコンパス」のオプションサービスとして、レッツノートに内蔵されているフロントカメラで撮影した顔画像から、社員の脈拍レベルを推定してストレスレベルを推定する「きもちスキャン」を発表した。新たなサービスも追加され、さらに進化したパナソニックの働き方改革支援サービスの中身をお伝えしていく。

2019年4月から大企業への適応が始まった(中小企業は2020年4月から)罰則付きの「残業時間の上限規制」もあり、「働き方改革」や労務管理への取り組みは喫緊の課題となっている。しかし、何から取り組み始めていいのかわからないという企業や、既に取り組んでいるが上手くいっていないという企業も多いのではないだろうか。

モバイルソリューションズ事業部 営業企画部 部長
中島 功太郎氏
発表会に登壇したパナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 営業企画部 部長の中島 功太郎氏は、「失敗しない働き方改革には、『社員の幸せ』と『会社の成長』の両立が必要だ」と説明。
働き方改革自体や労働時間の削減を目的化するのではなく、「『仕事を見える化』することで、ムダな業務を削減し、本来業務時間を拡大するよう効率的な時間の再配置を行い、創出された余剰の時間で新たなビジネスや新スキルに挑戦するというかたちで、社員の自発的な向上心を生み出すことが働き方改革成功のカギだ」と語った。
「しごとコンパス」はこのような社員一人ひとりの自発的な時間の使い方の見直しや、効率的な時間の再配置を促す。
具体的には、アプリケーションの使用状況と使用割合を見える化することができる。実態が見えることにより業務の傾向を把握し、削減すべき業務や増やすべき業務に対する気づきを与え、改善を図ることを可能にする。
また、作業ファイル名から業務を分類することで各業務にかかった時間も見える化する。例えば、お客様向けの資料には「対外」、社内会議用には「社内」、取り組みを強化したいプロジェクト業務には「プロジェクト名」など、ファイル名の先頭に任意のファイル命名規則を設けて業務を区別する。実際にパナソニックのモバイルソリューションズ事業部で行った事例では、見える化により会議の準備時間や開催頻度などを削減することに成功している。

その他にもキーボードやマウスの操作状況から実働時間を見える化することでテレワークや在宅ワークの業務共有が可能になる。東京2020オリンピック期間中、公共交通機関の混雑が予想されることからさらに拡大すると思われるテレワーク導入にも有効だ。
また、今回新たに社員の申告した勤務時間とパソコン使用時間の乖離を見える化する機能を追加している。アプリケーション単位で操作時間を記録し、勤怠管理システムと連携することで、これまではグレーな扱いで業務認定されていなかった作業なども業務としてカウントすることが可能になる。

パソコン内蔵カメラで社員のストレスレベルを推定

モバイルソリューションズ事業部 開発センター 所長
栂尾 幸一郎氏
今回、新たに発表された「きもちスキャン」は、「こころと身体の元気度」を見える化するサービスで、「しごとコンパス」のオプションとして、2019年7月に提供を開始する予定だ。
パナソニック コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 開発センター所長の栂尾 幸一郎氏は、「毎日の業務の中で、こころと身体の状態をきめ細かに把握することで、働き方や健康のセルフマネジメントを促進できる」と説明した。
測定画面では、推定値の推移をグラフで表示するのみならず、専門家の監修によるコメントも表示される。また、管理者は、部門メンバー(10名以上の組織が対象)のこころと身体の元気度の分布図を、日・週・月単位で確認可能。年休取得の推奨などでの対策検討に役立てることができる。

放送大学客員教授/横浜国立大学名誉教授 工学博士
小泉 淳一氏
「きもちスキャン」の監修にあたった日本疲労学会理事で放送大学客員教授/横浜国立大学名誉教授の小泉 淳一工学博士は、自律神経の活動レベルと疲労の関係について説明を行った。
日本疲労学会では、疲労を「過度の肉体的および精神的活動または疾病によって生じた独特の不快感」「休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」と定義している。疲労した人は、自律神経の活動が低下し、自律神経の活動低下は自律神経がつかさどる心拍数の変動となって表れるという。
小泉氏は「自律神経の活動量から疲労度を推計する仕組みは、接触型ではすでにあったが、(カメラによる)非接触型では今回が初めての実用化。大きな進歩と感じる」と語った。
「きもちスキャン」の仕組みは、まずレッツノートに内蔵されているフロントカメラで顔画像を撮影。光の反射から読み取れる血管の容量変化によって脈拍レベルの変動を推定し、「こころと身体の元気度」を把握する。脈拍レベルの変動が大きい場合は「自律神経の活動量が高めで、『こころと身体の元気度』が高い」、変動が小さい場合はその逆と判断する。
パナソニック独自の顔検出技術と画像ノイズ除去技術を応用した、非接触でも脈拍レベルの推定が可能な「非接触バイタルセンシング技術」により、脈拍レベルの推定精度を向上させている。

次のページでは、「しごとコンパス」と「きもちスキャン」サービスの特長やお客様の反響について、パナソニックのエバンジェリストへのインタビューと「働き方改革EXPO」パナソニックブース来場者の声、さらにレッツノートの2019年夏モデルの情報をお伝えする。