英米対決! ガタンゴトンのトレインソング

日本も今日が最後で、明日アメリカに帰るんだけど、ノースキャロライナには戻らない。 フフフ、娘ちゃんとNYに帰って、そこから20年ぶりにイギリスに行くのよん💛 NY↔ロンドンの格安便で大西洋を渡るのよ。 今回はブリットレイルパスなるものを購入して、おもむくままに旅するわ。

ロケンロールで列車の歌はたくさんあるけれど、アメリカのほうが多い気がする。 アメリカは鉄道路線は無いに近いのにどうしてかしら。 貨物優先なので超遅いし路線も限られてるのでどこにも行けない。 

そこで、大西洋を挟んで、英米の列車事情をロケンロールで聴いてみよう。

 

まずは、UK代表、ボウイの「駅から駅へ」。 やけに長いイントロは列車が出発する臨場感がたっぷり。 ビデオの最後にボウイがこの曲について語っている。 それによると、これはアメリカに住むヨーロッパの人間が、ヨーロッパに戻りたがっている歌だそう。 

 

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Station to Station / David Bowie (1976)

シン・ホワイト・デュークの帰還
恋人たちの瞳にダーツを投じる
その不思議なひと時、我々はここにいる

それは夢が織り成すもの
音を曲げ、海を浚い、自分の輪の中に迷い込む
無色の閃光を放つ自分がここにいる

海を見下ろすこの部屋で背伸びをする
ケテルからマルクトへ、ひとつの不思議な動き
ここに君がいる、駅から駅へと悪魔のように走る

シン・ホワイト・デュークの帰還、恋人たちの瞳にダーツを投じる
シン・ホワイト・デュークの帰還、恋人たちの瞳にダーツを投じる
シン・ホワイト・デュークの帰還、白のままを確認する

かつては山々が連なり
そして太陽の鳥が一緒に飛んでいた
そしてかつて私は決して墜ちることはなかった

絶えず探し続けなければならない
ああ、私は何を信じているのだろう、私を愛に繋いでくれるのは誰?
素晴らしい人、誰だろうか、何時だろうか

君は逃げ隠れする幸運を探したことがあるかい? 
僕らを擁護する者に乾杯
飲め、飲め、グラスを傾け、グラスを高く掲げよ。

コカインの副作用じゃなくて
それは愛に違いない
感謝するには手遅れだ

再び遅れるにも手遅れだ
憎しみを抱くにも手遅れだ
ヨーロッパのカノンがここにある

私は稀な存在に違いない
彼女のいなければ一日も生きられない
感謝するには手遅れだ

もう手遅れだ
憎しみを抱くにも手遅れだ
ヨーロッパのカノンがここにある

自分が打ちのめされたことを信じるべきか
私の顔に輝きがあるのだろうか
感謝するには手遅れだ

再び遅れるにも手遅れだ
憎しみを抱くにも手遅れだ
ヨーロッパのカノンがここにある

<Syco訳>

 

対するアメリカは、リッキー・リー・ジョーンズのご機嫌なこの曲。 これも臨場感があって、ウッディとダッチと一緒に電車に乗っている気分になるね。

でも北京行きというタイトルは謎だ。 北京行きはラブレア通りから出ていないし、スタックスレコードやサン・レコードはメンフィスにあるレコードレーベルだから、北京行きに乗ったってたどり着けないよ。 

 

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Woody and Dutch on the Slow Train on Peking / Rickie Lee Jones (1981)

ダッチはラ・ブレア駅から北京行き鈍行列車に乗った
スタックスレコードやサンレコードを目指して
彼らはシンプルなスキャットを歌う
線路は入り組んで交差する
鶏の貨車の後ろで
彼らはビーバップを描いた
真夜中の地図
彼らは言った 「次のジョイントに地図はあるか」
「次のジョイントに地図あるか」

夜汽車に乗せろ
リズムとブルースの角で拾え
仲間全員と出会った場所
遡ること52年
スタックスとサンに連れてこい
クリーヴランドかメンフィスか
どこから来たのか忘れてしまった
気に入ったかい?気に入ったかい?
シンプルスキャットは好きかい?

ウッディとダッチは14人の部屋で踊る
クスリをやったみたいに一晩中
観客を前に
白い壁、グリースで固めた髪
風景に溶け込む
毎夜土曜日には
近所の家で
仲間を集めて
「ああ、君のこと知っているよ
部屋ならあるよ
そんなに騒がないと約束するならね」
「約束するよ」
「約束する」

<Syco訳>

 

軽快なアメリカ勢に比べて、英国はやっぱり暗いんだな。 いじめられっ子の田舎少年が家出をするこの曲。 ダンスミュージックなのに悲しいうただ。

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Smalltown Boy / Bronski Beat (1984)

君の魂に
君の魂に
泣け
泣け
泣き叫べ

朝、小さな黒い鞄にすべてを詰め込んで、君は旅立つ
ホームでひとり、雨風が悲しく孤独な顔に吹きつける

君が家出する理由など母には決して理解できないだろう。
でも君が探している答えは家では決して見つからない
君が必要とする愛は家では決して見つからない

逃げろ、目を背けろ、逃げろ、目を背けろ、逃げろ
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ。

いじめられ、蹴散らされ、いつも孤独な少年だった
貶められ、噂になるのはいつも君だった

そして、どうにかして君を泣かせようと頑張った
でも、君は彼らに泣かされてたのではなく、自分の魂に泣いていた
いいえ、君は彼らに泣かされたんじゃない。 自分の魂に泣いていた

逃げろ、目を背けろ、逃げろ、目を背けろ、逃げろ(魂に泣きながら)
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ(魂に叫ぶ)
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ(魂に泣きつく)
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ

泣け、少年よ、泣け
泣け、少年よ、泣け
泣け、少年よ、泣け、少年よ、泣け
泣け、少年よ、泣け、少年よ、泣け

朝、小さな黒い鞄にすべてを詰め込んで、君は旅立つ
ホームでひとり、雨風が悲しく孤独な顔に吹きつける

<Syco訳>

 

天国に向かうこの電車、もともとはアメリカのゴスペルソングなので、歌詞は色んなバージョンがある。 これはカントリーやニューオーリンズジャズのミックスという感じ。  列車はテキサスのオースティン発、ニューオリンズ行きだ

 

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This Train is Bound for Glory

この列車、栄光へ向かうこの列車
この列車、栄光に向かうこの列車
この列車は栄光に向かう 
正義と聖なるものだけを乗せて
この列車、栄光に向かうこの列車

この列車、ギャンブラーを乗せないこの列車
この列車、ギャンブラーを乗せないこの列車
この列車はギャンブラーを乗せない、
嘘つきも、泥棒も、ごろつきも乗せない
この列車、栄光を目指すこの列車

この列車、嘘つきは乗せないこの列車
この列車、嘘つきは乗せないこの列車
この列車は嘘つきは乗せない、
髪が望むものは真実のみ
この列車、噓つきは乗せないこの列車

この列車、スモーカーを乗せないこの列車
この列車、スモーカーを乗せないこの列車
この列車にはスモーカーは乗せない、
二枚舌の嘘つき、取るに足らない道化者
この列車には喫煙者は乗せない

この列車、詐欺師は乗せないこの列車
この列車、詐欺師は乗せないこの列車
この列車には詐欺師は乗せない、
口達者な押し売りや行方を眩ます商売人
この列車、詐欺師を運ばないこの列車

この列車、定員以上は乗せないこの列車
この列車、定員以上は乗せないこの列車
この列車には定員以上は乗せない、
天国に行ける人しか乗せない
この列車、栄光へと向かうこの列車

<Syco訳>

私が初めてこの曲を聴いたのは実はイギリスのポストパンクバンド、Girls at Our bestのこのバージョンでした。 これがゴスペルと知ったのはずいぶん経ってから。 こちらもビデオを貼っておくね。

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次はまたブリットポップ。 「僕らが列車に乗った日」。 これを聴くと、あてもなく列車に乗りたくなるね。

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The Day we Caught the Train / Ocean Colour Scene (1996)

それが始まりだとは思ったことはなく
どちらかといえば心変わりと言える
窓を叩き、煙突から風が吹き込み
忘れていた部屋の埃を吹き飛ばす
僕は計画を確固たるものにする

まるでトルバドゥールように家から一歩踏み出して
小一時間散歩する
道端の木々を眺めながら
休暇を取ったみたいに
君と僕は海岸を走ろう
お気に入りのコートに身を包んで
ジョイント煙草を巻いて、曲を書こう
ジミーが列車に乗った日に聞いたような曲を

Oh-oh la-la
Oh-oh la-la
Oh-oh la-la
Oh-oh la-la

彼はまたラム&コークを飲みながら
下品なジョークを口にした
グルーチョのように10番のジョイントを咥えて歩き
タバコの火傷で床を転げまわる
また家に帰ったら、好きだった子を思い出すだろう

家から一歩足を踏み出せば、夜空だ
小一時間散歩する
輝く星空の下を歩くと
眩しい日中のような気がする
君と僕は海岸を走ろう
ジョイント煙草を巻いて、曲を書こう
ジミーが列車に乗った日に聞いたような曲を

Oh-oh la-la
Oh-oh la-la
Oh-oh la-la
Oh-oh la

君と僕とで列車に乗ろう
そしてただ明日を生き抜くことに気づくんだ
そして君と僕は、出かける時は
ただ戻っているだけなんだ
悲しみは感じない、わかるだろう?
(目の前に広い世界があるのだから)

Oh -oh la -la
Oh-oh la-la
Oh-oh la-la
Oh-oh la-la

物事が手に負えなくなると感じたとき
こんな日が欲しくないかい?
物事が手に負えなくなると感じたとき
こんな日が欲しくないかい?
こんな日が欲しくない?

Oh-oh la-la
Oh-oh la-la

<Syco訳>

 

走り続ける列車の歌と言えばこれ。 オリジナルはエアロスミスじゃないけど、彼らの代表曲みたいになっているね。

ジョー・ペリーのギターが汽笛を鳴らすよ。↓↓

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Train Kept A-Rolling' / Aerosmith (1974)

列車の中で女の人に出会った。
どちらかと言えばハンサムで俺と似ていた
ニューヨーク出身の美人だった
通路を歩きながら
俺は熱くなって、恋をしているのに気づく
でも彼女には言えなかった

列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
ガタンゴトンと音を立てて

でも彼女に言えなかった、ダメだった
仲良くしようよ、カワイ子ちゃん、仲良くしようよ
目的地に着くまで、楽しもうよ
俺は熱くなって、恋している
でも彼女には言えなかった

アルバカーキで停車した
俺のことをクールな間抜けと思ったに違いない
列車から降りて手を振った
彼女はとても綺麗で、去ってほしくなかった
でも彼女には言えなかった

列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
列車は一晩中走り続けた
ガタンゴトンと音を立てて

<Syco訳>

 

イギリスからマッドネス。 いつものように明るく暗いことを歌う。

youtu.be

Waiting for the Ghost Train / Madness (1986)

頭が空っぽの女とたる胸の男
ポケットいっぱいの花びらと砂だらけの帽子、
来ることのない電車を待つ

砂の上を転がるタンブルウィードを追う犬、
ホームを転がって切符売り場のドアを通りぬける
来ることのない電車を待つ
来ることのない電車を待つ

でも何も来ないとは言わせない、騙さないでくれよ
幽霊列車がゴトゴトと音を立てて走るのが聞こえる、
成仏させろと叫ぶ彼らの声が聞こえる、
白と黒だ 隠れるな
白と黒だ、隠れるな

駅長がオレンジ色のチョークで書く100便のキャンセル、
それでも誰も去ろうとしない
背後の骸骨からお腹をすかせた子供たちを守れ、
ジプシーのキャラバンに目を光らせている、
来ることのない電車を待つ
来ることのない電車を待つ

<Syco訳>

 

最後はしんみりと故郷行きに電車に乗る。

youtu.be

Homeward Bound / simon and garfunkel (1966)

僕は駅に座っている
目的地までの切符を握って
一夜で移動のツアーの果て
スーツケースとギターを手に
そのステージでも思いのまま
だってバンドは詩人の僕ひとり

故郷行きの列車
できるなら乗りたい
故郷行の列車
僕の家へと思いが靡く
家、それは音楽が鳴り響き
家、それは愛する人が
静かに僕を待っている

煙草をふかし、雑誌を読んで
毎日が同じことの繰り返し
どの町も同じに見える
映画や町工場
見知らぬ人のどの顔も
会いたい誰かを思い出させる

故郷行きの列車
できるなら乗りたい
故郷行の列車
僕の家へと思いが飛んでいく
家、それは音楽が鳴り響き
家、それは愛する人が
静かに僕を待っている

今夜、僕はまた歌を歌う
役を演じ駆け引きをする
でも僕の凡庸な詩はすべて
ハーモニーの中の空洞のように
影を投じて僕に戻る
誰かの慰めが必要だ

故郷行きの列車
できるなら乗りたい
故郷行の列車
僕の家へと思いが飛んでいく
家、それは音楽が鳴り響き
家、それは愛する人が
静かに僕を待っている

<Syco訳>

 

どうでしょう? アメリカは自動車とハイウェイの文化だから、逆に列車や線路に思いを馳せるのかもしれない。 はみ出し者が列車に乗る、みたいな感じ。 私もイギリスからNYに戻ったら、電車でノースキャロライナに戻る予定で、なんと乗車時間は12時間よ! 

では、イギリスの列車の旅に行ってまいります。