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Powell Industries (POWL) - 電力インフラを支える小さな巨人

ChatGPTやNVIDIAのAIチップの話題で持ちきりの昨今、これらを支えるインフラ企業に注目が集まっている。

今回は、デジタル社会の電力インフラを支えるPowell Industries (NASDAQ: POWL)を紹介する。

 

急増する電力需要に対応するため、Powell Industriesは電力の安定供給を支える企業でだ。

 

特に、同社のスイッチギアや電力管理システムは送電網の安全性と効率性を保つ上で欠かせない存在。

この記事では、同社のビジネスモデルや財務基盤、成長の可能性について詳しく解説する。

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企業概要

主力製品のスイッチギアは、電力の「交通整理」を行う重要な装置であり、高度な電圧調整や異常検知など、電力インフラの安全性と効率性を支えている。

株価

チャートは私の画面。

基本的に重要な移動平均線とトレンドを示す。

(欧米の投資家は50日線を重要視します。あとは200日線)

 

移動平均線は200日線が水色、50日線が紫、21日線が黄色、10日線がピンク。

 

銘柄:POWL

株価:291.76$ (2024年12月5日時点)

年初来:+230.05%

出典:Yahoo Finance: https://finance.yahoo.com/quote/POWL/

POWLの主要製品と機能

  • スイッチギア: 電圧・電流の制御
  • 制御室システム: 電力の監視・管理
  • 保護システム: 設備の安全確保
  • 分析装置: 効率性の最適化

Powell Industriesの役割: 電力管理とスイッチギアの重要性

電力は発電所から家庭やオフィスに届けられる過程で、安全かつ安定した状態である必要がある。

 

電圧が不安定になると、機器の故障や安全リスクが高まる。Powell Industriesが提供するスイッチギアは、この電圧を適切なレベルに調整し、過剰な電流や電圧から設備を保護する重要な役割を果たす。

 

また、Powellの製品は、回路の切断機能や異常を検知するセンサーを備え、安全性と効率性を高めるための「電気の交通整理」を行っている。

デジタル社会の発展に伴い、電力需要は急速な拡大を続けている。

 

データセンターの電力消費量

  • 2022å¹´: ç´„460TWh
  • 2026年予測: ç´„920TWh

出典: cincodias.elpais.com

米国におけるデータセンターの電力需要

  • 2022å¹´: 17GW
  • 2030年予測: 35GW

出典: 資源エネルギー庁

この急増する需要に対応するため、POWLは高度な電力管理システムの開発を進めている。

成長市場への対応: 電力需要の高まりと製品のカスタマイズ化

Powellは、再生可能エネルギーやデータセンターなどの新興市場における電力供給需要に応じて、技術を進化させている。

 

特に、各顧客のニーズに合わせたカスタム設計が可能で、これにより長期的なビジネス関係を構築し、エネルギー市場での地位を強化している。

 

このようなカスタマイズ戦略により、Powellは多様な市場ニーズに対応し、持続的な成長が期待される。

 

財務分析: 驚異的な財務内容

Powell Industriesは堅実な財務基盤を誇り、無借金経営を維持している。最新の財務データからも、収益性と効率性の高さが確認される。

収益性指標(2024年最新)

  • ROE: 31.85%
  • 営業利益率: 17.66%
  • 粗利益率: 26.98%

出典: Investing.com

特筆すべきは、この高い収益性を無借金経営で実現している点だ。

  • ROE(自己資本利益率): 31.85%と業界平均を大きく上回り、株主に対して高いリターンを提供している。
  • 営業利益率: 2024å¹´9月期で17.66%、粗利益率も26.98%と安定しており、収益性の強さを裏付けている。
  • 効率性指標: 資産回転率1.3414と業界平均を上回り、運転資本や在庫の管理が効率的に行われている。これにより、Powellは業界内で収益性と効率性の両面で優れたパフォーマンスを実現している。

財務健全性: 安定したバランスシート

Powellは無借金経営を維持し、強固な財務基盤を構築している。

財務健全性指標

自己資本比率が高水準で、財務の健全性が際立っている。

流動比率も高く、短期的な資金ニーズに対して十分な流動性を備えている。

キャッシュフローの安定性もあり、必要な設備投資や株主還元が適切に行われている。

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マクロ環境と政策支援

電力インフラ業界の成長に伴い、Powellはマクロ経済や政策支援の影響も追い風としている。

  • 金融政策の影響: 短期的に利上げ環境が続く可能性があるものの、将来的に利下げに転じた際にはプロジェクトコストの低下や顧客の投資意欲向上といった恩恵が期待される。
  • エネルギー政策: IRA(インフレ削減法)に基づくエネルギーインフラ投資の拡大は、再生可能エネルギー関連でのPowellの成長機会を提供している。また、国内製造業の復活やサプライチェーン強化といったリショアリングの動きも、Powellに有利な市場環境を作り出している。

成長を支える3つの柱

Powellは以下の3分野で着実な成長を遂げている。

  1. デジタルインフラ分野

    データセンター市場は今後も拡大が続く見通しである。

    市場規模予測

    • 2023å¹´: 2,150億ドル
    • 2030å¹´: 3,400億ドル
    • 年平均成長率: 6.6%

    出典: Grand View Research

  2. グリーンエネルギー分野

    再生可能エネルギーの普及に伴い、電力の安定供給がますます重要になっている。

    再生可能エネルギー設備投資

    • 2023å¹´: 5,500億ドル
    • 2030年予測: 7,000億ドル

    出典: IEA

  3. 産業近代化分野

    工場の自動化や効率化に伴い、高度な電力管理が求められている。

競争優位性の源泉

Powellが高い収益性を維持できる理由は、以下の強みにある。

顧客基盤の実績

  • Fortune 500企業との取引: 67社
  • 平均取引期間: 15.3å¹´
  • リピート率: 92%

これらの数字は、Powellの技術力と顧客満足度の高さを示している。

成長予測: 今後の見通し

アナリストによると、Powell Industriesの成長は引き続き堅調と予想されている。

  • 収益成長: å¹´é–“8.6%の成長が見込まれており、今後もエネルギー市場での需要に応じた収益拡大が期待されている。
  • EPS(1株当たり利益): å¹´é–“7.7%の成長が予測されており、3年後にはROEが24.8%に達する見込みである。これにより、長期的な成長が見込まれる。

投資判断のポイント

Powell Industriesは、電力インフラの安定供給と効率化を支える企業として、電力需要の高まりと政策支援を背景に成長を続けている。

無借金経営をはじめとする堅実な財務基盤と、カスタマイズ製品を提供する戦略が際立っており、長期的な視点での投資先として注目に値する銘柄の一つとして注視している。

羊の雑記

昨日の米国市場はテクノロジーが相場を引っ張り上昇しましたね。

年末にかけて追い込みですが、すでに来年へ向けた銘柄の選定をする時期でもあります。

個別株に関しては賛否両論があると思いますが、ポートフォリオに少な目でもいいので購入してみるのはいい考えだと思います。

 

私の場合は個別株の比率が50%を超えてますが、現在の上げ相場では年初来S&P500より20%ほどアウトパフォームしてます。

基本はVOOやVTI などの指数連動のETFを積み立てつつ、個別株で企業価値、財務などファンダメンタルを勉強すると、下落でも購入できるマインドとナレッジができるのでおすすめです。

次回は私が個別株を購入した事例をもとに、購入タイミングや考え方の記事を書きたいと思います。

 

※リアルタイムでの情報発信はXで投稿中です。

https://x.com/USStockSheep

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注意事項

当ブログの内容は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものでも、投資の助言を行うものでもありません。

投資判断はご自身の責任で行ってください。各銘柄に関するリスクや将来の見通しについては、必ずご自身で確認し、慎重に検討するようお願いします。

マーケットは常に変動する可能性があり、最新の情報に基づいて判断することが重要です。