エンジニアが個人事業主になるとどんなメリット・デメリットがある?

創業手帳

個人事業主は柔軟な働き方も可能だが自己管理が必要!


エンジニアは、個人事業主として働きやすい職種です。独立すれば様々な案件に携われる可能性があります。
自分に合った働き方ができることも個人事業主になるメリットです。
しかし、自己管理に徹底して働く必要があり、人によっては独立したことに後悔することがあるかもしれません。

そこで今回は、エンジニアが個人事業主になるメリット・デメリットや働き方、独立に必要なスキルについてご紹介します。
独立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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エンジニアが個人事業主になった場合の働き方


エンジニアが個人事業主になる場合、働き方は在宅型・常駐型・サービス開発型の3つに分けられます。それぞれの働き方の特徴は以下のとおりです。

在宅型

在宅型は、個人や企業からの案件を引き受け、自宅やコワーキングスペースなどからリモートで作業をする働き方です。
契約形態は、受託開発と準委任契約の2種類に分けられます。

受託開発の場合、依頼されたプログラムやシステムの納品を請け負うことになります。
自身で営業を行ったり、案件マッチングプラットフォームを利用したりして案件を受注する働き方です。

一方の準委任契約は、法律行為をともなわない業務の遂行を目的とする締結する契約です。
リモートワークが可能な範囲でシステムを保守するなど、依頼された業務を請け負うことになります。
受託開発は成果物の納品を目的にしているのに対して、準委任契約は労働力を提供する働き方といえます。

常駐型

常駐型は、クライアント企業に常駐して、委託された開発業務に取り組む働き方です。
働き方は正社員や派遣社員と同様で、クライアント企業に通勤して就業します。
常駐して作業をするため時間の拘束がありますが、指揮命令権はなく、クライアント企業から業務に関する指示を強制されることはありません。

報酬単価が高めで、3カ月ごとに契約するケースが一般的であるため、安定した収益を得られやすいことがメリットです。
様々なクライアントの開発現場で業務経験を積める魅力もあります。

サービス開発型

サービス開発型は、サービスを作り出して、広告やユーザーからの課金によって収益を生み出す働き方です。
サービスの開発や運営などを手掛けるため、難易度が高い働き方です。しかし、サービスが軌道に乗れば大きなリターンを得られます。
また、アプリゲームやSNSアプリ、業務支援などのツール系サービスなど、様々なサービスでビジネスを展開することが可能です。
サービスの開発が必要となるため、初期コストがかかりやすい点や、収益化まで時間がかかる上に確実に売れる保証がない点がデメリットになります。

受託開発の請負などで安定した収入を確保した上で、自身のサービス開発に取り組むこともひとつの手段です。

エンジニアが個人事業主になるメリット


エンジニアが個人事業主になることには、様々なメリットがあります。具体的なメリットは以下のとおりです。

案件を自分である程度決められる

個人事業主の場合、受注する案件をある程度自分で決められる自由度の高さが魅力です。
会社員は会社の方針に従って仕事をしなければならず、希望する仕事ができないこともあります。

一方、個人事業主のエンジニアであれば、自分の得意分野から案件を探したり、報酬単価や業務内容にこだわって案件を選んだりすることが可能です。
苦手な案件を無理に引き受ける必要はないため、得意なことで稼げることにやりがいを得られます。

作業する時間・曜日・場所を自由に決められる

1日の作業時間や働く曜日、場所を自由に決められることも個人事業主になるメリットです。
個人事業主には労働基準法が適用されないため、労働時間に制限がなく、休日を自由に取得できます。
そのため、プライベートの都合に合わせて稼働日や作業時間を柔軟に調整することが可能です。

また、作業できる環境が整っていれば、自宅や個人のオフィス、コワーキングスペース、カフェなど、場所を問わず仕事ができます。

年収アップも目指せる

個人事業主は、会社員よりも年収を増やせる可能性があります。
会社員は基本的には固定給であるため、残業や昇給、インセンティブなどが発生しない限り年収アップは困難です。
しかし、個人事業主は働くほど収入を得られるため、会社員よりも収入を増やしやすいといえます。

また、時給や報酬単価を設定した上でクライアントと交渉ができるため、納得のいく条件で契約できます。
保有しているスキルや業務の難易度によっては報酬単価が高く、効率良く年収アップを図ることが可能です。

節税対策がしやすい

節税対策がしやすいことも個人事業主のメリットです。会社員は経費を計上したり、自分の所得を減らして所得税や住民税を節税したりできません。
しかし、個人事業主であれば、業務で発生した支出を経費として会計処理ができるため、事業で得た所得を減らすことが可能です。
スキルアップのために購入したビジネス書籍や、クライアントとの接待や打ち合わせにかかった飲食代、作業にかかった水道光熱費・通信費の一部などを経費にできます。
適切に経費を計上して所得を減らすことで、個人事業主にかかる所得税・住民税を節税につながります。

また、青色申告をする場合は特別控除を活用して大幅な節税を図れることも独立のメリットです。

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エンジニアが個人事業主になるデメリット


個人事業主のエンジニアは会社員と働き方が変わることから、デメリットに感じる部分も出てきます。懸念点は以下のとおりです。

収入が安定しにくい

個人事業主は収入が安定しにくいことがデメリットです。
会社員は毎月給与が支給されるため安定性があります。雇用保険や健康保険の保証制度によって、働けなくなっても急に収入がなくなることはないでしょう。
しかし、個人事業主は案件を継続的に受注しないと収入を得られず、雇用保険や健康保険の保証も受けられません。
そのため、収入が不安定になりやすい傾向にあります。

クライアントの都合で契約が更新されなかったり、新規の依頼が単発で終わったりすることもあるかもしれません。
普段から安定した収入を得るためには、複数の案件を並行して進めたりする必要があります。

仕事の相談相手やフォローしてくれる人がいない

個人事業主の場合、仕事に関する相談ができる相手やフォローしてくれる人がいないこともデメリットです。
会社員であれば、業務上の悩みやトラブルは同僚や上司に相談しながら解決できます。急病や緊急事態が起きた際も社内でフォローできることが多くあります。
しかし、個人事業主には守秘義務があるため他人に仕事の相談をしにくく、自力で問題を解決しなければなりません。
また、基本的にはひとりで作業を行うので、業務を分散できず負担も大きくなります。

専門分野に特化した仕事ばかりになりやすい

個人事業主は仕事内容をある程度選べることが魅力ですが、専門分野に特化した仕事ばかりになりやすいことが懸念点です。
特定の分野・技術に固執してしまうと、時代遅れになり仕事が途絶えてしまうリスクがあります。

得意分野の仕事だけではなく、可能な限り幅広い分野で仕事をすることが個人事業で成功するための秘訣です。
トレンドの技術について学んだり、新しい分野の仕事にチャレンジしたりして、仕事の幅を広げていく努力が求められます。

社会的信用が落ちやすい

個人事業主は、社会的に信用が落ちやすい点がデメリットです。
会社員は企業から安定した給料を得ており、一定の返済能力があると判断されやすく、クレジットカードやローンの審査に通過しやすくなります。

しかし、個人事業主は収入が不安定になりやすく、返済能力に対する信用を得られにくい傾向があります。
特に開業した直後は収入が少ないことも多くあるため、信用力が求められる審査は落とされやすいかもしれません。
会社を辞める前に、クレジットカードを作ったりローン審査を受けたりするなどの対策が必要になります。

エンジニアが個人事業主になるために必要なスキル


エンジニアが個人事業主になる場合には、仕事の幅を増やすために様々なスキルが必要です。主に必要となるスキルは以下のとおりです。

技術力

エンジニアが個人事業で稼ぐためには、プログラミングスキルをはじめとした実務に関わる技術力が必須です。
必要な技術や知識は、担当する領域や業務内容によって異なります。

例えば、WebエンジニアであればHTML/CSS、UI/UX、SEOなどWebサイト・アプリの構築や運用に関する知識・技術が必要です。
また、インフラエンジニアであれば、設計・セキュリティ、ネットワーク、サーバー・クラウドなど、インフラ全般の知識が求められます。
ほかにも、エンジニアはクライアントの要望に応えられるように、課題解決力や提案力、マネジメントスキルなど幅広いスキルを身に付けておく必要があります。

コミュニケーションスキル

エンジニアが個人事業主で仕事を始める場合には、コミュニケーションスキルも必須です。
クライアントと円滑なコミュニケーションをとり、信頼関係を構築することが継続して仕事を得るためのポイントになります。
個人事業主の場合、クライアントの対応は自分自身で行う必要があります。
コミュニケーションスキルが低ければ、クライアントとうまく連携が取れなかったり誤解を招いたりして、信用を落とすことがあるかもしれません。

特に常駐型は、クライアント企業に出向して働くため、人と接する機会が多くあります。
多くの人と関わることを想定して、コミュニケーションスキルを磨いておけば円滑に仕事を進められます。

自己管理スキル

個人事業主は、自己管理スキルを持つことも大切です。タスクやスケジュールはすべて自己管理となります。
適切なタスク・スケジュール管理が行われなければ、納期に納品が間に合わないなどの事態を招くかもしれません。
特に、複数の案件を並行して行う際は、計画的にスケジュールを組む必要があります。

ほかにも、報酬の請求や入金の確認、税金の申告などの管理も必要です。
自己管理に自信がない人は、独立する前にスキルを磨く(みがく)努力をすることが求められます。

営業スキル

継続的に案件を獲得するためには、営業スキルが必要です。企業であれば、営業専門の担当がいます。
しかし、個人事業主になれば、自分で営業を行い仕事を獲得しなければなりません。
価格や条件の交渉をする機会も多くあります。そのため、交渉力を含めた営業力を身に付けることが求められます。

営業に自信がない人は、フリーランス向けのエージェントで営業活動を支援してもらうこともおすすめです。
ほかにも、身近な人脈から案件を獲得して、人脈を広げながら売り込む手段もあります。

会計・事務処理スキル

個人事業主は、日々の経費管理や確定申告、保険の手続きなど会計・事務処理をするためのスキルも必要です。
特に、経費は適切に管理しないと必要以上の支出があったり、確定申告で正確に申告ができなかったりするリスクがあります。

帳簿付けや税金、確定申告などは専門知識が必要となり、難しさを感じる人も少なくありません。
初心者でも扱いやすい会計ソフトを導入したり、公認会計士や税理士に業務を委託したりするなどの対策を検討してみてください。

エンジニアで個人事業主を目指すなら必要なスキルを磨こう

エンジニアは、ITに関する知識・技術を活かして個人事業として展開できます。個人事業主になれば柔軟な働き方ができ、努力次第で年収アップも可能です。
自分の好きなこと・得意なことを仕事にできるため、やりがいを持って仕事ができることも魅力です。
ただし、実務的なスキルだけでビジネスを成功させることは困難といえます。自己管理スキルや営業力、コミュニケーションスキルなど様々なスキルが必要です。
今後独立する予定であれば、今から個人事業主に必要なスキルを磨いておいてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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