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┃金融リテラシー あるいは資本主義のメタモルフォーゼ
ビジネスモデル、経営、成長と生産性、金融、会計、税制、経済法など
●ピケティを読む:齋藤潤の経済バーズアイ http://www.jcer.or.jp/column/saito/index667.html
「ピケティは、経済学において不平等の問題が忘れられていた背景には、経済学が「代表的な個人」を前提にしたモデル構築を重んじてきたことがあることを指摘(16頁、135頁)。さらに、経済学は過度に数学的なモデルに依存し、実社会における具体的な問題に対する「政治的、規範的、道徳的」な目的意識を忘れてしまっているとも指摘してい」る。
●CAPITAL in the Twenty-First Centuryが示す世界:Newsletter2014年第27号 http://www.iima.or.jp/Docs/newsletter/2014/NL2014No_27_j.pdf
戦争は、皮肉なことに不平等を解消する作用を持っていた。そしてリスタートした戦後、現在の先進国中間層の拡張期、格差は低く抑えられていたが、1980年代以降再び拡大方向へ転じた。資本主義にはどうしても格差を再生産する作用があり、グローバル化、市場主義の世界化は、格差の世界拡散に結びつきやすい。世界規模での対策、たとえば所得と資産への累進課税を提唱するのが、ピケティ氏の『21世紀の資本主義』だ。「図 10 古代から現代までの資本収益率、成長率と今後の見通し」を見れば、そのスケール感の壮大さがわかる。
●資本主義2題:設研の視点 http://www.dbj.jp/ricf/pdf/information/column/RICF_Column_20140609.pdf
ピケティ氏への反論。「資本収益率の向上を目指す過程で生まれる経済発展やイノベーションのダイナミズム(パイの拡大)をもって是とするか、持つものと持たざるものとの格差拡大(パイの収奪)をもって否とするのか、資本主義の功罪は古くて新しい議論」。
●スタートアップの資金調達をまとめたインフォグラフィックが素晴らしいーどうやって投資家とパイを分けていくか。 http://www.turnyourideasintoreality.com/2014/08/howfundingworks/
パイ(資本と資本が産みだす付加価値)を拡大する、拡大したパイをどう分配するか。その観点と資金調達とを整合させていく発想が必要。経営側=拡大再生産のため投資資金が欲しい。労働者側=賃金が欲しい。株主=配当が欲しい。
●なぜ賃金は上昇しないのか?~非製造業の低い労働生産性が1つの要因 http://www.jkri.or.jp/PDF/2014/Rep134furukane.pdf
グローバル化とテクノロジーの進化が先進国における賃金を低く抑えている。その理由を「(図3)途上国から先進国への労働力移動が及ぼす影響 」に整理。
●企業、なぜ多様な人材確保? http://www.nikkei.com/article/DGXDZO74548380R20C14A7TJP001/
多様性はそれだけで、生産性、企画力をたかめるわけではない。
●「多様性」 と 「統一性」 を結びつけるもの http://www.soumunomori.com/column/article/atc-169755/
経営者、人事・労務担当者の言う「多様性」への違和感を吐露。
●成長戦略としての女性活躍の推進 – 経済産業省 http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/downloadfiles/1407_josei.pptx
女性が生産性をあげてくれるとか新商品を開発してくれる、といった単純な話ではない。ワークライフバランスの発想が企業経営に挿入されることで、男性をも含めた、就業構造が抱える問題点、価値観の変遷への気づき、時間に対する労使の思惑の違いなどが意識され、経営課題解決の俎上に上ることが重要。
●組織成果につながる多様性の取り組みと風土 http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/14j042.pdf
「管理職の性別多様性が高い企業では、従業員への気づきを促し、多様な人材を支援し包括していく取り組みが独創性を高めていた。一方、管理職の性別多様性が低い場合は、広く従業員を意思決定に参画させる風土が、独創性を高めていた」「変革型リーダーシップは、管理職・一般社員の性別多様性の高低にかかわらず効果的だった。多様性浸透施策は、管理職の性別多様性が高い企業では効果がなかった。これは、男性従業員からの反発によるのかもしれない」。
●ウーマノミクス 4.0: 今こそ実行の時 http://www.goldmansachs.com/japan/our-thinking/pages/womenomics4.0-2014/womenomics4.0.pdf
「女性の労働力上昇は、少子高齢化の圧力を軽減し、日本経済の長期潜在成長力を押し上げる効果がある。ウーマノミクスは長期的な投資テーマになる可能性が高い」という観点から、証券会社・ゴールドマンサックスが1991年から発行しているレポートの4回目。今後取り組むべき課題として「介護部門・税制・社会保障面での規制緩和、パートタイムの給与アップ、政府組織で女性管理職を増やす、労働環境の柔軟性」等をあげている。
●日中韓が倣うべき「英・アイルランド」和解への道程 http://www.huffingtonpost.jp/foresight/britain-ireland_b_5680576.html
まず歴史をおさらいすると、英国は約8世紀もの間、アイルランドを植民地にして過酷な支配を敷き、最後の121年間は英国に併合した。アイルランドは武装闘争の末に独立を勝ち取ったが、独立に際してアイルランドの北部地域(北アイルランド)が住民投票で英国残留を決定している。その両国が胸襟を開いた際の共通認識は、「歴史を忘れるべきでないが、歴史に囚われてはならない」。「過去は尊敬をもって評価されねばなりませんが、過去が現在ある潜在性や未来の可能性を危機に晒してはなりません」「失われた命を共に後悔するとしても、英愛が共有する歴史の痛みが両国民の未来の創造を妨げるようなことになってはいけないのです」。
●ロシア:米とEU による対露経済制裁とその影響 http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/5/5326/1408_out_j_sanction_against_Russia.pdf
「ウクライナも資産凍結等の対ロシア制裁に踏み切ったが、ロシア産ガスの通過の禁止も可能性として含めた。これはエネルギー憲章条約第 7 条の「通過の自由の原則」に抵触する可能性があり、下流の欧州諸国にとっても重大な影響がある。一方、現場を預かる Noftgaz は、通過停止はないとしている」。
●特集:ロシア極東経済の諸相 http://www.erina.or.jp/jp/Library/er/pdf/Er119.pdf
ロシア極東地域はロシアの内陸部とより、むしろ中国北東部、日本、さらにはアジア太平洋地域などとの連携を模索、経済関係を重視している。
●ロシア極東地域における日本企業進出可能性に関する調査 報告書 http://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2013fy/E003449.pdf
ソ連崩壊直後はロシア極東地域への日本企業進出は活発だった。しかしその後のロシア経済の低迷、ビジネス環境の悪化、また日本自身の景気低迷から、撤退、事実上の閉鎖が相次いでいる。一方プーチン大統領は極東をアジア太平洋地域における「東の窓口」と位置づけ、インフラ整備などに注力している状況がある。
●【ポスト・ユドヨノを読む】(11)ジョコウィ氏の静かな革命 IT駆使の市民参加型政治 http://www.jakartashimbun.com/free/detail/19636.html
「トップダウンで利権を分配することに没頭してきた政治と決別する。逆に有権者の信託を大事にし、末端からのボトムアップで政策の優先順位を決め、政治が決断する」。
●2014年インドネシア政変――ヘビメタ大統領・ジョコウィの誕生と「新しい風」 http://webronza.asahi.com/synodos/2014080600002.html
ジョコウィ氏は木材家具の輸出業を営んでいた。いわゆるエリートの出ではない。金持ちでも軍人でもない。文字通りの「庶民」。インドネシアの民主主義は、守旧派勢力の脅威に勝った。そういう評価が国内外のメディアを賑わした。その秘密は現場主義、市民目線の政治にある。「対話です。対話から全ての解決策が生まれます。洪水対策も、露天商立ち退きも、労働賃金の問題も。すべて同じです。対話が、これまでのトップに欠けていたものなのです」。
●急拡大したわが国輸送機器の対インドネシア投資 http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/7582.pdf
タイからインドネシアへのシフト。タイは生産拠点として、ネシアは市場の魅力から現地生産へ。すなわち、1.インドネシアの市場規模の大きさと先行きの成長期待、2.所得水準の上昇に伴う自動車購入層拡大期待、3.これまでの円高による海外生産シフトとインドネシアでの低価格・環境配慮型自動車購入促進策。
●第2回 インドネシア進出企業の実態調査~インドネシア進出企業は2年で1.4倍に。サービス業や小売業など消費関連企業が増加 http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p140605.pdf
インドネシアに進出している日本企業は、1763社。2012年3月調査時の1266社に比べ39.3%増加。業種別に見ると、トップは「製造業」の932社(構成比52.9%)で、前回調査比34.7%増加。注目すべきは、「ソフト受託開発」の急増と 中堅規模企業の大幅増加。
┃Others あるいは雑事・雑学
●スウェーデンの父親、ビデオゲームをプレイしたがる子供たちに本物の戦争を見せるため、中東へ連れていく http://slashdot.jp/story/14/08/16/1554250/
●金融に役立つツイッターアカウント50選 http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303959804580092791869639442
ピケティ用語集 http://bit.ly/1vjytXR
ピケティ勉強会(4) 実は、ピケティはこうも言っている。 http://society-zero.com/chienotane/archives/24