医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide
診療科
特集

お知らせ

ログイン
結核再考 L1.png

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
"代替薬時代"の感染症外来

"代替薬時代"の感染症外来

高野哲史

続けて閲覧
🎄解答追加ver.☆彡消えたサンタクロースの謎を追え!【診断推論】

🎄解答追加ver.☆彡消えたサンタクロースの謎を追え!【診断推論】

小栗太一

続けて閲覧

1/16

関連するスライド

英語論文を書くときにちょっとこだわりたい横棒たち

英語論文を書くときにちょっとこだわりたい横棒たち

松浦良樹

6898

65

結核再考

投稿者プロフィール
山口裕崇

飯塚病院

4,146

14

投稿した先生からのメッセージ

結核なんて知ってるよ? そんなあなたにも見てほしい、結核再考。

概要

ぶっちゃけ「何でもあり」の結核を、ただの「何でもあり」で終わらせない、その「何でもあり」を細分化して考えなおす、それが結核再考。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください

関連するスライド

英語論文を書くときにちょっとこだわりたい横棒たち

英語論文を書くときにちょっとこだわりたい横棒たち

松浦良樹

松浦良樹

6,898

65

健康診断で要精査 高血圧の対応方法

健康診断で要精査 高血圧の対応方法

湯浅駿

湯浅駿

149,290

1,020

血液透析 ー原理と条件設定の考え方ー

血液透析 ー原理と条件設定の考え方ー

ねこすけ

ねこすけ

28,203

139

在宅診療の新たな選択肢「パートナーシップ制度による開業」①

在宅診療の新たな選択肢「パートナーシップ制度による開業」①

石黒謙一郎

石黒謙一郎

11,902

20


山口裕崇さんの他の投稿スライド

すべて見る


テキスト全文

結核再考と重要な要点

#1.

飯 塚 病 院 総 合 診 療 科 山 口 裕 崇 と い う ひ と の た め の ミ ニ マ リ ズ ム 体 現 型 講 義 必い結 要つ核 最かを 低遭よ 限遇く のす診 知るる 識かわ をもけ しで にれは つなな けいい た結け い核れ けにど どつ 難い して い こ と は 遠 慮 し た い ケッカク 結核 再考 サイコウ

#2.

要点 Take Home Message 〜 医者をやるなら覚えておくべきポイント 〜 • 結核患者の半分以上は、70歳以上である。 • 粟粒結核や肺外結核が「不明熱」の病像となりやすい。 • 肝生検や骨髄生検も、粟粒結核の診断に有用である。 • 粟粒結核の80%以上で肝臓病理に「肉芽腫」が診られる。 • IGRA陽性と結核患者であることは、同義ではない。 • IGRA陰性であることをもって、結核を除外できない。

活動性結核と潜在性結核の定義

#3.

用語の整理① 活動性結核 Tuberculosis (Tb) “ Tb disease ” • 明らかに発病している状態 • 肺結核が代表 • 排菌している場合も多く、感染対策が必要 • 粟粒結核など肺外結核も含まれる

#4.

用語の整理② 潜在性結核 Latent tuberculosis infection “ Tb infection ” • 生きた結核菌が体内に潜伏している状態 • 排菌なし • 活動結核ではないことの確認が必須

#5.

用語の整理③ イグラ Interferon gamma release assay (IGRA) • T-SPOTやクオンティフェロンが代表 • 過去に結核菌に暴露された証拠 • 活動性があるか否かは判断できない • IGRA陰性でも結核を捨象できない • IGRA陽性だからといって結核症とは限らない

結核の臨床像と診断の難しさ

#6.

結核のよくある臨床像 〜 世界3大感染症のひとつ 〜 • 結核患者の半分以上が70歳以上 • 戦後の日本(『ゴジラ-1.0』の時代)を生き抜いた人びと • 初発よりも再活性化が多い(=二次結核) • 近年では都市部の若年層の結核も目立つ • 適切な治療を受けても1〜3%が再発 • 病像は、もはや何でもあり(症状や熱型のみで判断できない)

#7.

肺結核の診断 〜 結核菌を証明することが至上命題 • 肺結核ならではの臨床像は少ないものと心得る • 細胞性免疫不全を考慮 • 診断まで空気感染対策が必要 • どの検査も万能とはいえない • 胃液培養の感度が高い 〜

#8.

結核の難しさ 〜 排菌の有無と肺外結核の考慮が必要 〜 • 粟粒結核や結核性胸膜炎も肺外結核 • 感染が想定される臓器から「繰り返し」検体を採取 • 検査は「泥臭く」提出すべき • 肝臓や骨髄生検の病理像では「乾酪壊死と肉芽腫」が特徴 • ALP上昇や肝腫大があれば肝生検を検討 • 微生物学的証明が原則

見逃しやすい結核のパターン

#9.

見逃しうるパターン その① 〜 いつもの肺炎かと思ったら、肺結核 • 入院時の検体で塗抹/培養/PCRを出しておくこと • 一般細菌に結核菌が併存しているかも知れない • 肺炎像の分布で結核か否かは判断困難 • 「治らない肺炎」では結核菌の考慮が必須 • 慢性咳嗽では若年者の「気管支結核」もありうる 〜

#10.

見逃しうるパターン その② 〜 無菌性髄膜炎のふりをした結核性髄膜炎 • アデノシンデアミナーゼ(ADA)も提出 • 原因不確定の髄膜炎、繰り返す髄膜炎 • 中枢神経系の悪性リンパ腫との鑑別を要するかも • 高齢者や寝たきり患者でも要注意 • 脳神経麻痺や精神症状がみられる場合もある 〜

#11.

見逃しうるパターン その③ 〜 心不全と思ったら、結核性胸膜炎 • 両側胸水でも結核性胸膜炎がありうる • 単核球優位の細胞数上昇、ADA高値がポイント • 胸水の培養やPCRの感度も不十分 • 咳嗽や胸膜痛があれば手がかり 〜

#12.

見逃しうるパターン その④ 〜 肝硬変だと思ったら、結核性腹膜炎 • 腹水貯留の原因は肝硬変が多い • 腹水のADAを確認すること • 肺病変や粟粒結核からの播種が多い • 診断まで月単位で症状が遷延しうる • 安易に「肝硬変のSBP」と結論しないこと 〜

結核との向き合い方と要点

#13.

見逃しうるパターン その⑤ 〜 よくあるリンパ節腫脹で、結核性リンパ節炎 • 原因不明のリンパ節腫脹でも無痛 • 原因不明のリンパ節腫脹で慢性経過 • ほとんど片側のリンパ節腫脹 • 外来診療でリンパ節腫脹はよくみる • 穿刺吸引細胞診で診断できなければリンパ節生検 • IGRA陽性でも結核性リンパ節炎とは限らない 〜

#14.

結核との向き合い方 〜 見逃さないポイント 〜 • 診断がわからないときは「診断不明」と認識すること • 暫定的なものである初期診断に「甘んじない」こと • 初期診断は「その後の経過」で結核に取って代わられうる • 細菌学的、病理所見として結核菌を「証明」すること • T-SPOTなどのIGRAを「その根拠としない」こと • 採れる検体は積極的に「採れるだけ採る」こと

#15.

要点 Take Home Message 〜 医者をやるなら覚えておくべきポイント 〜 • 結核患者の半分以上は、70歳以上である。 • 粟粒結核や肺外結核が「不明熱」の病像となりやすい。 • 肝生検や骨髄生検も、粟粒結核の診断に有用である。 • 粟粒結核の80%以上で肝臓病理に「肉芽腫」が診られる。 • IGRA陽性と結核患者であることは、同義ではない。 • IGRA陰性であることをもって、結核を除外できない。 完

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter