「世界創造株式会社」は今読むべき仮想通貨&ソーシャルゲームが題材のラノベ
2016年が始まったばかりの今、読んでおきたいラノベを紹介します。2巻まで出版されており3巻待ちですが、ものすごく面白いです!
「あのね、私と一緒に世界征服してみない?」
こんな書き出しで始まり、とてもラノベらしいポップな「世界征服」プロジェクトが動き出す…!
仮想通貨&ソーシャルゲームで世界征服?
この本を今読むべきなのは、この2つのテーマの組み合わせの妙です。
単にキーワードを出しているだけではなくて、ちゃんとストーリーに関係してきます。
「これは正真正銘、世界征服の話だってば。私たちが発行する仮想通貨を世界中にくまなく行き渡らせて、全世界の中央銀行が発行する紙幣を紙屑にしちゃう壮大な計画なんだよ。爆発力を持ったソーシャルゲームの力を借りて、テコの原理みたいに一気に仮想通貨を流通させてしまおうってわけ」
— 日乃原涼香(ひのはらすずか)「世界中の中央銀行は今や紙幣を刷りまくり、世界中にジャブジャブな資金が溢れかえっている状況です。ですが金融緩和で富むのは富裕層ばかり……。こんな世界は終わらせねばなりません」
— 雪丈小春(ゆきじょうこはる)
ビットコインのマキシマリスト的な、中央集権型の通貨を駆逐する考え方は結構過激なのですが、やり方としてはソーシャルゲームのゲーム内通貨として仮想通貨を導入するという、いたって一般人向けの方策を取ることになります。
この結論が出てくるところまでのプロジェクトメンバーの会話も面白いです。
うんちく系コミックが好きな方にぴったりハマる感じの、細かいところまで調べたり取材して書かれているしっかりとしたストーリー運びです。
お話を読んでいるだけで仮想通貨についての知識も身についてしまいますので、仕組みについての難しい本を途中で投げ出した!という方も読む価値アリですよ。
現実にも似たゲームが?
なお、このお話で作ることになるソーシャルゲーム「WWZ」と結構共通点がある実在するゲームが、そろそろ次のβ版が出るという噂の「Spells of Genesis」です。
ストーリー内で開発するソーシャルゲームの「WWZ」ではゼロコインという仮想通貨を発行してそのコインでゲーム内のガチャでカードを引くことができます。
また、発行されたカードはブロックチェーンの仕組みで本物であることを確認できると説明があります。
これって、世界征服は狙ってないと思いますが「Spells of Genesis」とかなり被っている感があります。
物語を書く際に、作者の至道流星さんは、参考にしたりしたのでしょうか?
なお、Spells of Genesisには私のコラボカードSHUMAICARDも登場します!
参照:SHUMAIがスマホゲームSpells of Genesisに参戦!こんなカードになります
あらすじ
【1巻】
飛び級でMIT卒業の天才少女・日乃原涼香が3人のヒキコモリを誘い、世界征服を企てる!
天才+フリーゲーム作者・プログラマー・イラストレーターの4人は仮想通貨を組み込んだソーシャルゲームを開発することに!
【2巻】
リリースした「WWZ」は最初は注目を浴びるが目に見えてダウンロード数が減ってしまう。
そこで取ったメディアをフル活用する秘策とは?!
最後にはアヤシイ人物や警察からマークされて、サスペンス調に。続きが気になります!
仮想通貨普及前&ソシャゲ全盛の今だから読んでおきたい、時代の空気を纏った小説です。
キャラ萌え度は抑えめでストーリー構成がしっかりしているので、あまりラノベを読まない層にもオススメです。