築炉技能士
化学工場や製鉄所などで使われる炉を建設することを築炉と呼びます。高温に耐えられる耐火材をもちいた特殊な技術が必要になるため、築炉技能士という国家資格が用意されています。試験は学科および実技試験からなり、実技では、粘土質耐火煉瓦などで炉壁を築造する作業がおこなわれます。
資格詳細
炉とは金属などを加熱したり溶融したりするためにつくられた装置で、化学工場や製鉄所などで使われます。その炉を耐火れんがなどを使って建設し、整備することを築炉と呼びます。築炉は手作業で耐火れんがを一枚一枚積み上げていく作業であり、熟練職人が造り上げた炉は芸術作品のようであるといわれています。築炉技能士は、耐火物などを用いる特殊な技術が必要な築炉作業に関する技術と知識を保有していることを認定するための資格です。1級と2級があり、受検資格として1級は7年以上の実務経験、あるいは2級を合格してから2年以上の実務経験があること、2級は実務経験2年以上が必要です。ただし、必要な経験年数は学歴により異なりますので、まず確認しておきましょう。1級は難易度が高いため資格保有者が少ないようですが、取得できれば技術の証として自信にもつながり、客先からの信頼度も高くなるでしょう。資格を有する築炉工でも初心者と熟練者とでは、作業の能率と早さで10倍近くの差があるといわれています。そのため、一人前の職人になるには相当の年数がかかりますが、頑張って経験を積めば技術や知識が実際に形になる、やりがいのある職業といえるでしょう。
活躍場所
化学工場や製鉄所、ガラス工場、建設業、焼却炉や工業炉の設計・施工会社などに就職し、工業炉などの築造、修理の現場で活躍します。
収入と将来性
昭和40年代の高炉やコークス炉建設が盛んだった時代には、築炉技能士は高給で処遇されていました。最近は以前ほどの高給は期待できないようですが、それでも築炉の経験者は優遇されるため、年収は比較的高めといわれています。特に、作業の技術レベルの向上に応じて、しっかり昇給が期待できる職種です。求人情報を見ても、築炉技能士を求めている企業は非常に多く、未経験者にも資格取得のサポートを積極的に行っている企業も見られます。工業炉はモノづくりのインフラとしてさまざまな場所で必要ですが、築炉の確かな技術を持っている職人が少なくなっていることもあり、今後もますます重宝される存在として、一定の需要が続くのではないでしょうか。
向いている人
一人前になるには年数がかかる職人仕事ですので、根気よく、日々技術を磨いていこうとする向上心のある人が求められます。炉の築造・整備の仕事は、狭い炉内で体を曲げた状態で重い煉瓦ブロックを積んだり、塗り上げたりなどの作業になりますので、技術だけでなく、体力と気力が求められるでしょう。
取得方法
試験は学科と実技試験があります。実技では、粘土質耐火煉瓦などで炉壁を築造する作業が行われます。実務経験者が受ける試験のためか、この資格の試験対策の情報が非常に少ないですが、「中央職業能力開発協会」の公式サイトで過去の試験問題を公開していますので、問題の傾向を確認しておきましょう。公開されている試験問題は、前年度前期1級・2級の学科試験問題と製作等作業試験問題です。学科試験問題の正解表もありますので、繰り返し学習しておくとよいでしょう。
築炉技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級築炉技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年7月12日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
築炉技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
築炉技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・築炉作業法 ・材料 ・炉 ・燃料および燃焼 ・製図 ・安全衛生 実技試験 ・築炉作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |