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フェンタニル、疑わしい原料取引を監視 厚労省が事業者に報告求める

(更新)
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厚生労働省は2日までに、合成麻薬「フェンタニル」の原料となる物質を取り扱う卸売り事業者への指導を徹底するよう都道府県などに通知した。不自然な量の発注など疑わしい取引があった場合、監督官庁である都道府県への報告義務を事業者に順守させるよう求めた。

通知では原料の製造や輸出入などを担う事業者が、取引の過程で原料が法律で禁止された麻薬などの製造に使われる疑いがあると判断した場合、国や自治体に積極的に届け出ることを求めた。必要に応じて事業者への立ち入り検査も含めて検討するよう指示した。

厚労省監視指導・麻薬対策課は「世界中でフェンタニルの乱用が問題になっており、国境をまたいだ取引が行われている。不正な流通防止のため管理を徹底したい」と話した。

これを受けて愛知県は1日、フェンタニルの原料となる物質を扱う事業者に立ち入り検査を始めた。知事への届け出がある全26事業所を対象に10日までに実施し、取引実績のある業者の確認などを行う。

厚労省は6月30日、訪日外国人向けに日本への薬物の持ち込み規制を周知するホームページで、対象となる麻薬の具体例にフェンタニルを追記した。同課は「外国人にもわかりやすい表現に改めた」と説明した。

日本経済新聞電子版は25日、フェンタニルを米国に不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いがあると報じた。中心人物が名古屋市に法人を登記し、少なくとも2024年7月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた。

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