ミニ特集:気象の科学についての本 海外
『温暖化の〈発見〉とは何か』
『ウェザー・オブ・ザ・フューチャー 気候変動は世界をどう変えるか』
『気象を操作したいと願った人間の歴史』
『驚くべき雲の科学』
『雪の結晶 小さな神秘の世界』
『温暖化の〈発見〉とは何か』スペンサー・ワート
●みごとな温暖化発見の科学史!
わずか数十年の間に、地球の気候に関する見解がコロコロさまがわりし、大変な予測を出してしまうほど、科学的な研究が劇的に進んできた。その過程と事実を再確認!
60年代には何万年もかかると信じられ、70年代には何千年もかかると信じられ、1980年代には何百年もかかると信じられていた温度の上昇下降が、わずか数十年で起こりうることが発見された。
21世紀が始まる時点で、世界中で年間に数十億ドルが気候研究に費やされていた。大金のようだが、全地球的な要因で世界じゅうの運命が揺るがされるという問題にしては、かろうじて足りるという程度だ。
この問題はすでに科学界から卒業した。気候変化は、社会的、経済的、政治的な大問題なのだ。世界のほぼすべての人々が適応する必要があるだろう。貧しい集団や国家は最もつらい目にあうだろうが、誰も免除されることはない。
きっとおそらく、地球温暖化は近づいている。気象パターンが変化しつづけ、海面が上昇しつづけることを覚悟すべきなのだ。それは悪化の一途をたどりながら、私たちの生きている間から、孫たちの時代へと続いていく。
”60年代には何万年もかかると信じられ、70年代には何千年もかかると信じられ、1980年代には何百年もかかると信じられていた温度の上昇下降が、わずか数十年で起こりうることが発見された。”🌏 https://t.co/F4F2tnelUe
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2016年4月7日
📉📈『温暖化の〈発見〉とは何か』S・ワート
(訳者から補足) この記述は直接には、過去の自然の気候変動に関する認識の発達についてです。それ以後の専門家の認識は、気候は自然にこれだけの変動を起こしうるのだから人間活動の影響でも起こしうる、となり、自然が重要だから人為は無視できる、とはなりませんでした。 @endBooks
— MASUDA Kooiti (@masuda_ko_1) 2016年4月7日
”年平均気温は、ヤンガー・ドリアス期が始まると同時に3〜4℃も急低下し、終わるときにはわずか50年あまりに6℃も急上昇した。”
— 科学に佇む一行読書心 (@endBooks) 2016年4月7日
人為影響なし変動📘 https://t.co/jIHwtOGRmM
🌏『チェンジング・ブルー 気候変動の謎に迫る』大河内直彦@masuda_ko_1
『ウェザー・オブ・ザ・フューチャー 気候変動は世界をどう変えるか』
ハイディ・カレン シーエムシー出版
●実にシリアスで筋の通った快作。
地元アメリカを中心に、2010年時点で予測される世界各地の気候変動、今後40年間の見通しを知らせてくれる。
惜しむらくは、この手の予想記録は数年も待たずに正確さがどんどん刷新されていくという事実。それでも、(原書が書かれた)2010年当時は「地球は温暖化などしていない」派が大勢を占めていたアメリカにおいて、このような本を記さねばならないその啓蒙意欲や腰構え、そして解き明かしの手腕は拝読に値する。
┗ 大気に含まれる各種炭素同位体の割合をチェックすれば、人間がどんだけよけいな二酸化炭素を大気中にぶち込んでしまっているかが割り出せる。海洋や大気、陸地に由来する炭素には、炭素12と炭素14を多く含んでいる。しかし、化石燃料由来の炭素には炭素14がまったくない。
大河内直彦 ”この問題の真の怖さは「地球温暖化」という言葉が直接的にもつ意味の外にこそある。私たちは、うんざりするほどやっかいな問題を子供や孫の世代に残しつつある。”
『気象を操作したいと願った人間の歴史』
J.R・フレミング 紀伊國屋書店
環境改変兵器禁止条約(ENMOD)は「自然の過程(生物相、岩石圏、水圏、大気圏、宇宙空間…)を故意に操作することによって」変化を起こすような環境改変技術を禁止している。
『気象を操作したいと願った人間の歴史』(ジェイムズ・ロジャー・フレミング)。雲に撃ち込む砲弾、櫓の上で蒸発させる怪しげな化学物質、航空機からドライアイスやヨウ化銀を散布。レインメーカー、気候兵器、ジオエンジニアリングまで、気候制御の失敗史を概観。気候変動対策の議論に歴史的視野を。
— 馬場秀和 (@babahidekazu) 2012, 8月 8
General Electric社で人工降雨の実験をしていました。科学史家J.R.フレミングの話に http://t.co/RYhS9qVQ8e (『気象を操作したいと願った人間の歴史』の本にも)出てきます。@Cristoforou カート・ヴォネガット・ジュニアの兄弟
— MASUDA Kooiti (@masuda_ko_1) 2013, 11月 30
『雪の結晶 小さな神秘の世界』
ケン・リブレクト(ケネス・リブレクト) 河出書房新社
●これを読むと、雪が全然違って見えてくる!!
針型はどうしてできるのか、板が二重にくっついた結晶ができるわけは、花型の枝ぶりから見えてくるその成長過程のドラマとは。
形が異なる仕組み、美しい写真、そして観察方法をやさしく目にもの見せてくれる、ステキな逸品。
こちらで紹介
『雪の結晶 小さな神秘の世界』
『ミニ特集:気象の科学についての本 日本その1』
『ミニ特集:気象の科学についての本 日本その2』
『ミニ特集:気象の科学についての本 日本その3』