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【ストーリーのネタバレ無し】ダイイングライト:ザ・フォロイング エンハンスト・エディション(Dying Light: The Following – Enhanced Edition)の発売日は2016年4月21日。Steam/PC版なら高画質なグラフィックでオンラインマルチプレイやModが楽しめる。
ダイイングライト(Dying Light)が面白すぎる。一応ストーリークエストは全クリした。評価は、これはもう傑作…いや神ゲーと言い切ってもいい。なぜならどんどん楽しくなってくるからだ。
「神ゲー」なんて言葉は安易に使いたくないが、ダイイングライトこそ神ゲーに相応しい。Steamでの評価・評判も「非常に好評」となっている。
まだ2015年になってから1ヶ月ぐらいしか経ってないのに、2015年のベストゲームが決まってしまったかもしれない。自分の中ではダイイングライト2(Dying Light 2)の発売が決定している。これは次回作でるでしょ。
以下、メインストーリーを全クリした状態でのレビューとなっている。ストーリーの核心的ネタバレはない。
目次
ダイイングライトは神ゲー
ダイイングライトが面白い理由
ダイイングライトは、ゾンビ溢れる都市で猿のように移動しながらサバイバルするゲーム(FPS)だ。ジャンルとしては「アクション・サバイバル・ホラー」。
ダイイングライトは大体下記の通り。
- オープンワールドなマップにゾンビがうようよ
- 基本的に近接戦闘
- 銃もある
- ダッシュが他のゲームと比較して少し速い
- ほとんどの建物は屋上まで登れる
- スタミナ制。連続で攻撃したり、ずっと走り続けたりはできない
- 武器を強化したり、特殊効果を付与できる
- 投擲武器や回復アイテムはクラフトで作成できる
- いろんなゾンビがいる
- 三種類のスキル(SURVIVOR・POWER・AGILITY)がある
- セーフゾーン(絶対に安全な場所)が何ヶ所かある
- 回避(ドッジ)スキルで攻撃を避けられる
- 武器と弾以外のアイテムは無限に持てる
- 夜になるとゾンビが凶暴化する
- 道中に発生するランダムイベントあり
- マルチプレイ(Co-op・PvP)が可能
- 漏電システムあり
- 核施設的なところもある
- グラップリングホック(ゼルダの伝説でいうフックショット)で軽々と移動可能
- ドロップキックが爽快
- ピッキングシステムがスカイリムやフォールアウトシリーズとほぼ同じ
- ゾンビの血を体に塗ってカモフラージュできる
- アイテムやゾンビを探すのが楽になる機能あり
- ゾンビトラップあり
もちろん、上記に書かれたこと以外にもできることはたくさんある。冒頭で神ゲーと言った通り、ダイイングライトがつまらないわけがない。確実に面白いと言える。
なぜなら、ダイイングライトは他のゲームからいいとこ取りしたゲームだからだ。ダイイングライトをプレイしてみると「なんかあのゲームと似てるなぁ…」と感じる部分がけっこうある。
デッドアイランドはプレイしたことがないが、基本的なアクションとシステムはファークライ4やミラーズエッジと似ている。
解錠システムとかオープンワールドなところとかサブクエストがある感じはスカイリム。武器を拾ったり強化したりしていく感じはDiabloとかPath of Exile等のハクスラ。グラップリングホックはジャストコーズ2。核施設はスタルカー(S.T.A.L.K.E.R.)。
ハクスラとはハックアンドスラッシュの略。戦闘・キャラクターの育成・レアアイテムの取得をメインとしたゲーム。
似ているというかパクリというか、オマージュというか。「あの部分があのゲームと似てる!」と言い始めたら、ほとんどのゲームはいろんなゲームからいいとこ取りしたようなゲームと言うことができるので、きりがない。
しかしダイイングライトの場合、パクリ感はあるものの実際のプレイが楽しすぎるので、どこから何をパクったかなんてどうでもよくなってくる。
良い要素が見事に合体した結果、とんでもない怪物が誕生した。そんな感じだ。
ダイイングライトは「走る・登る・蹴る・叩く」、この4つの要素が強い。ハクスラとは言っても、ゲーム全体を100%するとハクスラ要素の「濃さ」は5%ぐらいしかない。
走る・登る・蹴る・叩く(あるいは斬る)。これらのアクション要素だけで濃さは80%はある。要はダイイングライトはアクションゲームなのだ。
ゾンビ+アクション+他のゲームの良い部分+他のゲームの良い部分+他のゲームの良い部分+・・・
大ざっぱに言うとそんな感じ。他にも海外ドラマ「ウォーキング・デッド」や漫画「アイアムアヒーロー」の影響を受けている部分もあって、違和感なく組み込まれている。
ダイイングライトのスリルとアクションについて
ダイイングライトは、
- パルクールアクションの爽快さ
- ゾンビによってもたらされるスリル
- 面倒なことが極力無い
上記の3つの要素と他作品の良い部分が上手に組み合わさった結果、面白く感じるのだと思う。
パルクール(parkour)とはフランス発祥のスポーツのこと(動画)
ダイイングライトはアクションが爽快だから楽しい。ゾンビのアクションも含めて。街中を猿のように素早く移動するのは爽快だし、ゾンビも生き生きしてる。死んでるけど。
建物の屋根の上を忍者みたいに駆け抜けていくのが気持ちいい。ゾンビの大群の中を縫うようにダッシュするのも悪くない。
というより移動してるだけで楽しいのだ。道路にはゾンビがうようよいるし、オープンワールドだけどスカイリムみたいにファストトラベルは基本的にできない。だから、目的地に向かうためには命懸けでゾンビがいる都市の中を移動しなくちゃいけない。
しかし、だからといってゾンビがたくさんいる道路を走るわけにはいかない。必然的に、家の屋根とか車の上を忍者みたいにジャンプしつつ移動するようになってくる。屋根の上をぴょんぴょんと移動していてもゾンビと遭遇してしまう。なんやかんやで下にいる厄介なゾンビにも狙われるから逃げるしかない。とにかく逃げる。
逃げている時に空から救援物資が降ってきたり、バンディットと出くわして急に撃たれたり、ランダムイベントが発生したりもする。
ダイイングライトの開発者たちは「ゾンビがはびこる街中で死に物狂いで移動してほしい」という意図で開発したとしか思えない。ファストトラベルを不可にした判断は大正解だったと思う。ゾンビから逃げるために屋根から屋根へジャンプして移動するのがこれほどまでに楽しく、スリリングだったとは。
ゾンビのやられっぷりはかなりグロいけど痛快。ダイイングライトの世界にはいろんなゾンビがいる。さまようだけの雑魚ゾンビ、爆発ゾンビ、速いゾンビ、ゲロ吐きゾンビ…などなど。
昼と夜とで都市の様子がまるで変わってくる。昼間に活動してるゾンビのほとんどは雑魚ゾンビなのだが、油断してると噛まれて囲まれる。たまにダッシュで襲ってくるゾンビもいて「ゾンビ終末世界感」がすごい。
しかし、昼間のゾンビなんて予行演習みたいなもの。
ダイイングライトの夜はヤバイ。
夜になるとヤバイ奴らが目を覚ます。そいつらは人間を見つけ次第、尋常じゃないスピードで追いかけてくる。場合によっては仲間を引き連れて。真っ暗でほとんど何も見えない状態で襲われる。子供だったら絶対に小便チビる。
ヤバイゾンビは夜にだけ活動するゾンビで、人間を見つけると物凄い速さで迫ってくる。ゾンビは音に反応して集まってくるので、夜にゾンビが爆発したり、銃を撃ったりするとそれが命取りになるのだ。
ヤバイゾンビにロックオンされると本当にヤバイ。
「うわああああああああああああ!!!!!! ゾンビだあああああああああああ!!!!!!!!」ってなる。
昼と夜のギャップがとても素晴らしい。昼だと「ちょっとゾンビと戯れてくるか」という気持ちでプレイできる。油断すると死ぬけど。しかし夜になると「ゾンビきたあああああああああああああああ!!!!!!」と叫びたくなるぐらい焦る。楽しすぎる。
近接戦闘が楽しい
ダイイングライトは近接戦闘も非常に楽しい。キックできるしドロップキックもできるし、タックルもできるしゾンビの頭も潰せる。
ゾンビとの戦闘はもちろん、人間との戦闘もやりごたえがある。人間はナイフとか手裏剣を投げてくる。こちらの攻撃をガードしたり、避けたりもしてくれる。つまり、ちゃんと戦ってくれるのだ。
攻撃を回避したり、クラフトで火炎瓶・爆発手裏剣・電撃手裏剣・火炎手裏剣・釘グレネードなどを作って投げたり、プレイヤー側には対抗手段がそこそこある。
でもやっぱり、回避して攻撃、回避して攻撃、回避して攻撃。このようなヒット・アンド・アウェイな戦闘ができるのがシンプルながらもいい。「俺、今戦ってるんだ!」という実感が得られるからだ。
基本的に楽だし、タイミングがちょうどいい
ダイイングライトはプレイしていくと段々面白くなってくる。初めは走って登って斬るぐらいしかできなかったのが、ランクアップするといろんなスキルを身につけられるのだ。
ドロップキックとか、ゾンビの頭を潰したりだとか、ゾンビの血を塗ってゾンビから狙われなくなったり、グラップリングホックでフックショットみたいなことができたり、様々なことができるようになっていく。
ダイイングライトは「できることが増えるタイミング」が絶妙。
ゾンビゲームといえば銃をぶっ放してヒャッハー!なゲームが多いが、ダイイングライトは銃を持てるようになるタイミングがちょうどいいのだ。グラップリングホックが使えるようになるタイミングもいい。できることがどんどん増えていくので飽きにくい。恐らく多くの人はストーリーのラストまで突っ走るだろう。
またランク上げ、いわゆる「レベル上げ」をあまり意識しなくてもいい。ダイイングライトには「SURVIVOR」「POWER」「AGILITY」という三種類のスキルがあり、これらの経験値はプレイする内に自然に溜まっていくからだ。
例えばAGILITYスキルの経験値は移動しているだけで、POWERスキルはゾンビと戦っているだけで、SURVIVORスキルはストーリーやランダムイベントをこなしていくだけで溜まっていく。
目的のスキルを得るためにはランク上げをする必要はあると思う。しかしチャレンジ(ミニゲームみたいなもの)で遊んだり、ストーリークエストを進めるだけで自然にスキルは獲得できるから、わざわざ「ランク上げ」をするために苦行する必要はない。普通にストーリークエストを進めるだけでランクは上がるし、それで十分楽しめる。
アイテムを拾うのも楽。サバイバーセンスという能力で落ちているアイテムを楽に見つけられるからだ。夜にサバイバーセンスを使うとゾンビの位置が分かりやすく表示されたりもする。
「ゾンビの位置が分かるのはちょっと親切すぎるのでは」と思うかもしれないが、これがないと人間側はマルチプレイのゾンビモード(Be the Zombie)でボロ負けする。あと、夜のヤバイゾンビに殺られまくるはず。
マルチプレイ(Co-op・ゾンビモード)はこんな感じ
ダイイングライトではマルチプレイが可能で、Coop(協力プレイ)とPvP(対人戦)が用意されている。Coopは他人の世界にお邪魔してクエストをお手伝いするシステムとなっていて、友達と一緒に楽しめる。
PvPは人間vsゾンビ(ハンター)の非対称な対人戦となっていて、ゾンビモード(Be the Zombie)に参加することで他人の世界に侵入できる。ゾンビに侵入されると強制的にPvPが始まり、人間側はマップにある数個のネスト(Nests)を破壊すると勝ちだ。ゾンビ側の勝利条件は何回か人間を殺すこと。
はっきり言ってゾンビが強すぎる。ゾンビもスキルを取得でき、人間一人だとほぼ勝ち目はない。あと、ゾンビモードはちょっとEvolve(エボルブ)っぽい。ただし4人でCo-opしている世界にゾンビが侵入してきたら、ゾンビは4人の人間と対戦することになる。ゾンビが複数人と戦うのはそこそこ厳しく、良い試合になることが多い。
ゾンビが強いのは、人間を一撃必殺で殺せる技(がんじからめにして食べる技)があるからだ。ダッシュで人間に近づいて、必殺技のキーを押したら簡単に人間を殺せる。
人間側はゾンビの対抗手段としてUVフラッシュライト(UV Flashlight)を持っている。この対ゾンビ用ライトを当てると、ゾンビは必殺技を出すことができない。ゾンビにUVフラッシュライトを当てている内に攻撃して倒す、という具合だ。
ゾンビはとても速くてスパイダーマンのように移動でき、しかもマップが暗い。人間側は何もしていないとゾンビがどこから来るのかが分からないが、サバイバーセンスを使うことでゾンビの位置が分かるようになる。しかしゾンビが速すぎる。見つけたとしてもその瞬間に殺られていることが多い。
マルチプレイが面白いのかというと、そこそこ普通だ。個人的にはシングルプレイだけで十分かな。あと、ゾンビに侵入されてもいい設定にしているとゾンビに侵入されてばかりでウザったくなってくる。
マルチプレイがつまらないわけではないが、ゾンビと戦うと大抵負ける。銃がないとかなりキツいだろう。人間側は数をこなさないとゾンビに太刀打ち出来ない。
ダイイングライトで出来ること&気になったこと
武器はバット・警棒・ナイフ・レンチ・パイプ(水道管)・包丁・大きい両手武器・その他刃物など、かなりの種類がある。
それらの武器は基本性能をアップグレードしたり、設計図(BLUEPRINTS)を見つけてクラフトすることでいろんな特殊効果を付けられる。武器が強くなると近接戦闘の爽快さが増す。
電気の効果を付与して殴るとゾンビが痺れるようになったり、ゾンビを燃やせるような特殊効果もある。
各地にセーフゾーンと呼ばれる絶対に安全な場所があり、大抵のセーフゾーンはゾンビが占拠していることが多い。ゾンビを掃除したりして安全を確保し、セーフゾーンをアンロックすると布団でぐっすり寝られるようになる。
実は柱も登れる。本当に猿みたい。
ヒロインのジェイド(Jade)がなかなかの美人。
核施設的な建物もある。核施設の作業員っぽいゾンビも…。
Modでさらに面白くなるはず
ダイイングライトはゲームの土台が非常に良い。街中を自由に移動できるし、銃もあるし、アクションも楽しい。世界観を変えるだけで全く別のゲームが作れそうな勢い。
一度マルチプレイ(PvP)のチート対策でModが無効化されてしまったことがあるが、ダイイングライトはModを正式にサポートしている。つまり、さらに面白くなる可能性を大きく秘めているということだ。そしてついには、公式Mod開発ツール(Dev Tools)はカスタムマップ向けのCoop・PvPに対応するまでにもなった。
ちなみに、ゾンビをスーパーアグレッシブにするModが公開されている。昼なのにダッシュゾンビがわらわら。他にもnexusmodsにModがそこそこあったりする。
PC版ダイイングライトについて
PC版ダイイングライトだと綺麗なグラフィックで、PCの性能(GPUやCPU)によっては60fpsで動作するだろう。僕は、CPUは「Core i5-4670K」、GPUは「Geforce GTX 970」、メモリは「16GB」、ストレージは「SSD」でプレイした。
設定を下げないとカクカクになって酔いやすくなる。影(SHADOW MAP SIZE)のクオリティを下げ、Vsyncを無効、描写距離(VIEW DISTANCE)を最低にすると大体40〜60fpsぐらいだった(fpsはAfterburnerで60に制限)。重い場所やダッシュ中でも最低40fpsはでた。
推奨環境以上でもこんな調子なので、どうやらダイイングライトは最適化されていない様子。そのうち最低(必須)環境でも動くような軽量化Modが出てきたらいいのだが…。
まとめ
ダイイングライトの基本的な面白さは、「アクションの爽快さ」「ゾンビの恐怖から生まれるスリル」「面倒だと感じさせない親切設計」、この3つで成り立っている。
さらに他作品の良い部分を上手に組み合わせ、重要な部分(アクション)に面白さを集中させているから飽きにくく、楽しく感じる。つまり神ゲー。コンセプトがしっかりしているゲームだから、Modを導入するとさらに面白くなるはず。
ちなみにシーズンパスを購入すると「Cuisine & Cargo」「Ultimate Survivor Bundle」「The Bozak Horde」がプレイできるようになる。他にも大型DLCである「The Following」が2016年4月21日に発売される予定だ。
ダメなところもあるけれど…
ダイイングライトの欠点をあげるとすれば、
- 最初は酔う
- リーン(左右覗き込み)がない
- メインのストーリークエストがちょっと短く感じる
- 終盤~全クリア後あたりから武器が強くなりすぎる(難易度で変わってくる?)
- PC日本語版はおま国化している(※追記 2015年4月16日にSteamにてPC日本語版が発売された)
- 日本語版はグロ規制がある(※追記 血の色は緑色から赤色に規制解除された)
の6点。
最初はかなり酔う。寝不足かつ体調不良のせいだったのか、初めてプレイした後は久しぶりにFPS酔いした。しかし3回目のプレイからは全く酔わなくなった。慣れってすごい。
表現規制無しの海外版でプレイしたが、ストーリーやメニューは全部英語だった。日本語化してないのでストーリーの詳細はほとんど分かっていない。それでもダイイングライトは本当に面白い。ストーリーに関しては演出が良かったし、内容が分からなくても演出に勢いがあったので楽しめた。
オープンワールドな世界にゾンビがうようよいて、猿みたいに縦横無尽に移動できる。ゾンビゲーに求めていたものがほとんどあったし、想像以上にスリリングだった。
ゾンビゲームが大好きな人たちには「どうせありがちなゾンビゲームなんだろ?」と思われるかもしれない。でもこれは長年の夢が実現したようなゲームなのだ。ぜひ体験してほしい。
爽快感を求めるなら最初はノーマルで挑戦した方がいいだろう。しかし、極限のゾンビサバイバルを堪能したいなら高難易度でチャレンジすることをおすすめする。
※PS4/Xbox One版には血の色が緑色になるという規制があったが、規制解除された。
※2016年4月21日に、ストーリーを拡張する新大型DLC「The Following」など全DLCが含まれた『ダイイングライト:ザ・フォロイング エンハンスト・エディション』が発売された。