トム・ヨーク、その身一つで日本を行脚。全キャリア横断セットでトムの脳内空間へと誘った異次元のステージをレポートする

トム・ヨーク、その身一つで日本を行脚。全キャリア横断セットでトムの脳内空間へと誘った異次元のステージをレポートする

現在発売中のロッキング・オン1月号では、トム・ヨークのライブレポートを掲載しています。
以下、本記事の冒頭部分より。



文=粉川しの

トム・ヨークが約5年ぶりに、単独ソロとしては初となる来日公演を行った。前回はソロ最新作『アニマ』を引っ提げてのフジロックで、前々回は2015年、ソロ2作目『トゥモローズ〜』をフォローするツアーでのサマソニ深夜帯だった。では、3度目のソロ来日はなぜ「今」だったのだろう。今年は映画『Confidenza』の仕事はあったもののソロツアーの動機としては弱いはずで、ザ・スマイルとしてのツアーを6月までやっており、ライブに飢えていたわけでもない。でも、5年ぶりにステージの彼を観て思った。「今」だからこそ可能なライブ、やるべきライブだったのだと。これまでのトムの全てが彼の中で一つになっていく過程に宿った、圧倒的にスムーズで満ち足りた感覚は、未だかつて感じたことがないものだった。一人でこれほど包括的な表現に達することができるのならば、それはもう、ツアーをやりたいに決まっているだろう。

筆者が観たのは東京初日、立川ステージガーデン公演。ほぼ定刻通りにトムが登場、「コンバンハ!」とお馴染みの挨拶と共に始まったオープナーは“ウィアード・フィッシズ〜”だった。『イン・レインボウズ』の中でも際立ってポリリズミックな同曲を、アコギ弾き語りでシンプルに調理する。「トム・ヨーク エヴリシング・プレイング・ワーク・ソロ・フロム・アクロス・ヒズ・キャリア」と題された今回は、文字通り全キャリアを横断する集大成的ツアーで、セットリストは毎晩少しずつ変わるが、約半数がソロ曲、残り半分をレディオヘッド他プロジェクトの曲で分け合う、という比率は概ね維持されていた。2曲目はアコギからピアノに移動しての “ピラミッド・ソングで、どちらも一人ぼっちのステージを強調するミニマルな演奏だが、そのぶん声の存在感が圧倒的。(以下、本誌記事へ続く)



トム・ヨークの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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