近年コンビニコーヒーに押されがちな自動販売機のコーヒー。香りとかコク深さとかがもの足りないなって、つい思っちゃうんだよね。
──そんな感じでちょっと寂しい自販機コーヒー界だが、名古屋市内に革命的な商品が降臨していたのでご紹介したい。
そのままでは飲めないけど、コンビニコーヒーよりもずっと美味しい。どういうことかっていうと……コーヒーはコーヒーでも「豆」を売っているのだ!
・名古屋のコーヒーショップ
その自動販売機が設置されているのは、愛知県名古屋市東区にあるイトウコーヒー本店。
以前ご紹介した現存する最古のコメダ珈琲店舗「コメダ珈琲店 高岳店」とは国道41号線を挟んですぐそばに位置することからも、名古屋の喫茶店文化の強さがうかがい知れる。
自家焙煎のコーヒー豆はもちろん店内でも購入できるのだが、今回は自販機を利用させてもらおう。
一見するとペットボトル飲料が並んでいるように見えるのだが、よく見ると「このまま飲むことはできません」「コーヒー抽出器具をお使いください」の注意書き。
上の2段には焙煎前の生豆を含む豆が、
そして下段にはミルで挽いた粉が並んでいる。
かなり人気なようで、半分ほどの商品に「売切」のランプが点灯していたかな。
・ペットボトルのコーヒー豆を買ってみた
せっかくなので豆と粉を両方とも買ってみることにしよう。
まずは「カラコールストレート 60g」という500円の商品。
普段の筆者は200g1000円以下の豆でコーヒーを飲んでいるので、かなり奮発した形だ。きっとめちゃめちゃ美味しいはずっ!
出てきたのは見本と全く同じ見た目のペットボトル。
これは……取引先を訪問した時に出していただくお茶のサイズ感!
続いては「カラコール炭焼焙煎 50g」という460円の商品をチョイス。
ふたつ並べるとゲームの1P・2Pみたいで可愛いね!
ちなみに、カラコールストレートの豆は 筆者が購入したあと売り切れになってしまった。
本当にめちゃめちゃ人気なんだな……!
・2種のコーヒーを飲んでみた
さっそくコーヒーを淹れてみよう。
開ける前のペットボトルは 通常の飲み物と同じように封をされている状態。
キャップをひねると「プシッ」とガスが漏れる音と同時に、ダークチョコレートのような乾いた香りがただよう。
2種のコーヒーは 香りの時点で結構違いがある。ストレートの方はよく知っている いわゆるコーヒーの香りなんだけど、炭焼焙煎からは焚火のような香りが感じられる。
以前お茶(裏千家だったかな)を習っている友人が「家のコンロでお湯を沸かしてたてる時と お稽古中に炭火でたてる時と、味も香りも全然違う」と言っていたが、それに近いのかもしれない。
コーヒーの場合どっちがいいってことはないんだろうだけど、水や豆に香りが移ることでいろんな表情が楽しめるんだな。
ストレートの豆はミルで挽いて、
ドリッパーにセットする。
炭焼焙煎が真っ黒なのに対して、ストレートはふんわりとした焦げ茶色。肉眼で見ると結構違ったんだけど、写真だとわかりづらいかもしれないな。
お湯をゆっくりと注いでいくと……明らかに挽きたてのストレートの方がフワッと大きく膨らむのだ。
図らずも、挽いて時間が経った豆と挽きたての豆を淹れ比べるような形に。手間はかかってもやっぱり挽きたての方が美味しいのね。我が家もそろそろ電動ミルを買うべきかなぁ。
出来上がったコーヒーはさすが専門店といった味。
苦みとコクが深く、フンワリと炭火の香りが漂う炭焼焙煎と、
軽やかな飲み口と酸味があり、チョコレートのように楽しめるストレート。
単体で飲むなら筆者は炭焼焙煎が好きだが、甘いおやつに合わせるならストレートがいいかな。
なおイトウコーヒーはネットショップも運営しているのだが、この記事を書くために調べたところストレートも炭焼焙煎も200gで税込972円とよりお手軽な価格で購入できる模様。
まぁ、自販機が割高になっちゃうのは仕方がないよね。次は200g入りを購入してたっぷりと飲むことにします!
参考リンク:イトウコーヒー公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
▼原材料を見ると同じ豆なのに、焙煎方法でこんなに味が変わるんだね!
▼イトウコーヒー本店では豆屋さん、自販機、喫茶店が3軒並んでいました。