Intel Arc A380 ベンチマーク

Intel Arc A380をゲットしたので、まずはベンチマークで性能がどのくらいなのかをチェックしてみた。ただ、あまりGPUベンチマークはやったことがないので、「回したらスコアがばっちり出る系のベンチマーク」しかやっていないです。



まあ、Arc A380はArcシリーズの中でも下位モデルなのだけど、Intel公式にはGTX1650やRX6400より高性能、ということになっている。

GTX1650とかは持っていないので比較できないけど、手持ちのミドル・ローエンドGPUと比べてどのくらいなのか、確認してみた。

IMG_20220731_9387.jpg


まず共通で使用した環境は、i9 12900Kを使用した環境。この状態でGPUを入れ替えて測定した。

CPUi9 12900K
Cores8P+8E/24T
L2 Cache14MB
L3Cache30MB
Boost5.2GHz
RAMDDR4-3600
RAM Size8GBx4
RAM Timing16-19-19-39-1
RAM FCLKGear1
M/BMSI MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4
SSDPlextor M10P
PSSeasonic FOCUS PX-750
CaseThermaltake Core V7
OSWin11 x64

そして、比較したGPUの一覧。

Arc A380GUNNIR Intel ARC A380 Photon 6G OC
HDG770i9 12900K 内臓GPU
GTX1060ZOTAC GeForce GTX 1060 6GB Single Fan
RX5500XT玄人志向 RD-RX5500XT-E8GB
RX460MSI Radeon RX 460 2G OC

GPUのスペックを比較するとこんな感じ。

コア数・周波数を見ると、Arc A380はGTX1060と比べコア数は少なく周波数が高い。メモリ帯域も一致していて、理論値では同等といえそう。ただ、問題はあくまでスペック上は…ということなのだ。

GPUArc A380UHDG 770GTX1060RX5500XTRX460
Units128EU32EU10SM22CU14CU
Cores102425612801408896
Clock2450MHz1500MHz1506MHz1670MHz1090MHz
Boost2450MHz1500MHz1708MHz1845MHz1210MHz
RAMGDDR6DDR4GDDR5GDDR6GDDR5
Size6GB32GB6GB8GB2GB
Bus96bit64bit192bit128bit128bit
Speed15.5Gbps3.6Gbps8Gbps14Gbps7Gbps
Bandwidth192GB/s57.6GB/s192GB/s224GB/s112GB/s
TDP92W-120W130W75W
Driver3259 Beta3221516.5922.7.122.7.1




まずは、FF14ベンチマーク(1080p デスクトップ高品質)から。

Arc A380は、さすがにi9 12900Kの内臓GPUからは大幅にスコアが向上しているものの、GTX1060とはかなり差がある感じ。スペック表だけでみると、もう少し近づいてもよさそうなものだが…。


次にFF15ベンチマーク(1080p高品質)。さすがに重いベンチマークなので、内臓GPU(HDG770)では落ちてしまった。A380でも結構かくかくで厳しそうだった。

これもスコアはFF14と同様の傾向。GTX1060との差は大きい。



次に3DMark。

Arc A380は3DMarkだけには強烈に最適化されていると見えて、これまでの傾向が嘘のよう。GTX1060をやや上回るスコアが出ている。ここまで露骨だとベンチマーク番長とか言われても仕方ないように思う。

とはいえ、まあ前向きにとらえれば、頑張って最適化すればこのぐらいのポテンシャルはある、ということなのだろうか。




Fire StrikeでもArc A380は健闘しているが、わずかにGTX1060の後塵を拝する形に。

A380は、DX12が得意で、DX11は少し苦手、ということで、DX11のFire Strikeは少し性能が出にくいのかもしれない。


Night Rapidは、GTX1060とRX5500XTの中間ぐらい。




最後に消費電力。ワットチェッカーのような専用の機材はないので、+styleのスマートWi-Fiプラグで、スマホアプリで確認できる消費電力を目視でチェック。アイドル時とFF14ベンチマーク中の消費電力を比較した。

Arc A380はローエンドだけあって、控えめな消費電力に収まっていて、さすがにGTX1060/RX5500XTよりは相当低い電力になっている。まあGTX1060は2016年発売で16nm、一方A380は6nmなので、当然といえば当然なのだが…。

むしろ、Arc A380のアイドル電力が最も高いというのが問題かもしれない。


Arc A380はアイドル時にもBoard Powerが16~17W程度と比較的高い。GPUメモリのクロックが全く下がらないので、ここで無駄に電気を食っているのかもしれない。

hwinfo64_a380.png

また、PCIeのASPMが有効にならないので、これも電力が減らない原因のひとつかもしれない。

hwinfo64_pcie_aspm_a380.png

8月にはドライバ更新等で改善されるという話を聞いたので、期待したい。



というわけで、Intel Arc A380の性能をチェックしてみた。3D Markではそこそこだけど、実ゲームではどうなの? という現状が図らずも確認出来てしまったと思う。

まあもともと延期の理由はハードウェアというよりはドライバの問題という噂なので、ドライバの最適化とかそのあたりが、まだまだ全然追いついてないのかな、という感じがする。

まあ、Intel Arcの本命は、A780/770とかだと思うのだけど、最大の問題はとにかくものが出てこない(発売されない)こと。

GeforceやRadeonの次世代が迫ってきている状況の中、最近では8月末いや9月、みたいな話になっているのだけど、はたしてどうなることやら…。

コメントの投稿

非公開コメント

No title

このグラフィックカードがあれば、CPUがAMD系でもQSVって使用可能になっているか確認可能ですか?

Re: No title

現状はi9 12900Kに接続しているため、難しいです。時間があるときにでも試してみたいと思います。

AMD環境でのArc A380動作

遅くなりましたが、5950X搭載のAMD環境でArc A380が動作することを確認できました!
https://rigaya34589.blog.fc2.com/blog-entry-1507.html

No title

確認ありがとうございました。ひょっとしたらダメかもと思いましたが、無事動作しているようでよかったです。
プロフィール

rigaya

Author:rigaya
アニメとか見たり、エンコードしたり。
連絡先: [email protected]
github twitter

最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
いろいろ
公開中のAviutlプラグインとかのダウンロード

○Aviutl 出力プラグイン
x264guiEx 3.xx
- x264を使用したH264出力
- x264guiExの導入紹介動画>
- x264guiExの導入
- x264guiExのエラーと対処方法>
- x264.exeはこちら&gt

x265guiEx
- x265を使用したH.265/HEVC出力
- x265guiExの導入>
- x265.exeはこちら&gt

QSVEnc + QSVEncC
- QuickSyncVideoによるHWエンコード
- QSVEnc 導入/使用方法&gt
- QSVEncCオプション一覧&gt

NVEnc + NVEncC
- NVIDIAのNVEncによるHWエンコード
- NVEnc 導入/使用方法&gt
- NVEncCオプション一覧&gt

VCEEnc + VCEEncC
- AMDのVCE/VCNによるHWエンコード
- VCEEnc 導入/使用方法&gt
- VCEEncCオプション一覧&gt

svtAV1guiEx
- SVT-AV1によるAV1出力
- svtAV1guiExの導入>
- SVT-AV1単体はこちら&gt

VVenCguiEx
- VVenCによるVVC出力
- VVenCguiExの導入>

ffmpegOut
- ffmpegを使用した出力
- ffmpegOutの導入>


○Aviutl フィルタプラグイン
自動フィールドシフト
- SSE2~AVX512による高速化版
- オリジナル: aji様

clcufilters 
- OpenCL/CUDAのGPUフィルタ集
- 対応フィルタの一覧等はこちら

エッジレベル調整MT
- エッジレベル調整の並列化/高速化
- SSE2~AVX512対応
- オリジナル: まじぽか太郎様

バンディング低減MT
- SSE2~AVX512による高速化版
- オリジナル: まじぽか太郎様

PMD_MT
- SSE2~AVX512による高速化版
- オリジナル: スレ48≫989氏

透過性ロゴ (ミラー)
- SSE2~FMA3によるSIMD版
- オリジナル: MakKi氏

AviutlColor
- BT.2020nc向け色変換プラグイン
- BT.709/BT.601向けも同梱

○その他
Amatsukaze改造版
- AmatsukazeのAV1対応版

tsreplace
- tsの映像のみを置き換えて圧縮

rkmppenc
- Rockchip系SoCのhwエンコーダ

fawutil
- FAW(FakeAACWave)⇔aac変換
- 二重音声の取り扱いにも対応

x264afs (ミラー)
- x264のafs対応版

aui_indexer (使い方>)
- lsmashinput.aui/m2v.auiの
 インデックス事前・一括生成

auc_export (ミラー使い方>)
- Aviutl Controlの
 エクスポートプラグイン版
 エクスポートをコマンドから

aup_reseter
- aupプロジェクトファイルの
 終了フラグを一括リセット

CheckBitrate (使い方)
- ビットレート分布の分析(HEVC対応)

チャプター変換 (使い方>)
- nero/appleチャプター形式変換

エッジレベル調整 (avisynth)
- Avisynth用エッジレベル調整

メモリ・キャッシュ速度測定
- スレッド数を変えて測定
- これまでの測定結果はこちら

○ビルドしたものとか
L-SMASH (ミラー)
x264 (ミラー)
x265 (ミラー)
SVT-AV1 (ミラー)

○その他
サンプル動画
その他

○読みもの (ミラー)
Aviutl/x264guiExの色変換
動画関連ダウンロードリンク集
簡易インストーラの概要

○更新停止・公開終了
改造版x264gui
x264guiEx 0.xx
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR