MySQLのインストール方法は、ソース、バイナリ、RPMの3つの方法が用意されています。コンパイル済みのバイナリパッケージ、もしくはRPMを使えばかなり時間が節約できますが、インストール時にカスタマイズできる範囲は限られます。ソースからインストールするにはある程度の知識とツールが必要になります。
MySQLのバージョン
MySQLのインストールファイルには、開発バージョンと安定バージョンがあります。開発バージョンとはその名のとおり開発中を意味していますが、一般的なソフトウエア製品と同程度の安定した動作を期待することができます。安定バージョンというのは、一定の期間、バグが派生することなく動作したバージョンです。
MySQLはファイル名でバージョンを知ることができるようになっています。例えば、mysql-5.0.12-betaとなっていれば、バージョン番号 5.0.12のベータ版と解釈することができます。ファイル名のサフィックス(接尾辞)には、beta以外に、alpha、rc、サフィックス無しがあります。alpha、beta、rc、サフィックス無しの順に動作が安定しています。
サフィックス | 内容 |
---|---|
alpha | alphaバージョンは次期バージョンを検討するためのものです。 開発元でテストが行われていますが、新しい機能の追加があります。 |
beta | 新しい機能の追加が無く、全てのコードがテストされています。 ただし、多くの重大なバグが含まれている可能性があります。 |
rc | 通常のリリース版で、既知の致命的なバグは修正済みです。 |
- | サフィックスがない場合は、バグレポートなしでしばらくの間動作していたことを意味します。 最も安定したバージョンです。 |
特に安定のみを最重視するならサフィックスなしの安定バージョンがオススメですが、alphaバージョンでも運営に支障をきたすことはほとんどありません。
MySQLのダウンロード
MySQLの公式ダウンロード場所
日本のMySQLミラーサイト
インストール場所
バイナリとソース配布のインストールで生成される、ディレクトリのレイアウトを説明しましょう。
バイナリ配布でのインストール先
バイナリ配布は解凍することによりインストールされ、通常「/usr/local/mysql」の中の次のディレクトリを生成します。
ディレクトリ | ディレクトリの内容 |
---|---|
bin | クライアントプログラム, mysqld サーバ |
data | ログファイル, データベース |
include | インクルードファイル |
lib | Libraries |
scripts | mysql_install_db |
share/mysql | エラーメッセージファイル |
sql-bench | ベンチマーク |
ソース配布でのインストール先
ソース配布はconfigureしコンパイルした後にインストールされる。通常、「/usr/local」下に次のサブディレクトリが生成され、各種プログラムファイルがインストールされる。
ディレクトリ | ディレクトリの内容 |
---|---|
bin | クライアントプログラムとスクリプト |
include/mysql | インクルードファイル |
info | Info 形式のドキュメント |
lib/mysql | Libraries |
libexec | mysqld サーバ |
share/mysql | エラーメッセージファイル |
sql-bench | ベンチマークと crash-me test |
var | データベースとログファイル |
ソースインストールのレイアウトはバイナリインストールと次の点が異なります。
- mysqld サーバは /bin ではなく libexec ディレクトリにインストールされます。
- データディレクトリは data ではなく var です。
- mysql_install_db は /usr/local/mysql/scripts ではなく
/usr/local/bin ディレクトリにインストールされます。 - ヘッダーファイルのディレクトリは include/mysql で、ライブラリのディレクトリは
lib/mysql です。 include や lib ではありません。