JR西日本の和歌山支社は8月9日、同社が展開しているICカード「ICOCA」が導入されていない紀勢本線(きのくに線)海南~新宮間各駅のうち、特急『くろしお』の停車駅に限りICOCAを利用できるようにすると発表した。12月からサービスを開始する。
きのくに線は、紀伊半島西部の和歌山~新宮間200.7kmを結ぶ、JR西日本の鉄道路線。和歌山駅で阪和線と接続しており、京都・新大阪~白浜・新宮間を結ぶ特急『くろしお』も運転されている。阪和線は全ての駅でICOCAを利用できるが、きのくに線でICOCAを利用できるのは和歌山~海南間の10.4kmに限られており、海南~新宮間190.3kmは近畿圏のICOCAエリアから外れている。
JR西日本の発表によると、海南~新宮間の各駅のうち、『くろしお』が停車する箕島・藤並・湯浅・御坊・南部・紀伊田辺・白浜・周参見・串本・古座・太地・紀伊勝浦・新宮の13駅に限り、12月からICOCAを利用できるようにする。JR東日本のSuicaなど、全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードも利用可能だ。ただしICOCA定期券は設定しない。
ICOCAで乗車できるのは、13駅の各駅間や、13駅から近畿圏ICOCAエリア内の各駅まで。御坊駅から普通列車で紀伊田辺駅まで移動する場合や、新大阪駅から特急『くろしお』に乗って新宮駅に向かう場合などは、ICOCAを利用できる。特急に乗車する場合は特急券を別に購入する必要がある。
一方、海南~新宮間の13駅を除く各駅はICOCAに対応しない。たとえば、南部の次の岩代駅はICOCAを導入しないため、南部~岩代間や御坊~岩代間の乗車でICOCAを利用することはできない。