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トレノケート社長の早津昌夫さん(左)と千葉工大の角田教授

トレノケート社長の早津昌夫さん(左)と千葉工大の角田教授

デジタルトランスフォーメーション(DX)時代を迎え、リスキリングを迫られながら、何をどのように学んだらいいか分からないと悩む人は少なくない。そこで「デジタル迷子のリスキリング」という連載をお届けする。第9回では、IT人材育成・研修サービスを手掛けるトレノケート社長の早津昌夫さんとデジタル人材育成学会会長の角田仁・千葉工業大学教授に地方の女性のIT人材育成をテーマに対談してもらった。

子育て経てリスキリング 地方もデジタル人材の育成加速 

早津 地方の自治体で、角田教授はCIO(最高情報責任者)補佐官などを務めていますが、日本は東京など大都市圏にIT企業が集中しています。地方でのデジタル人材育成の状況を教えてください。

角田 私は愛媛県の松山市ほか、東京都昭島市、鳥取県湯梨浜町のCIO補佐官を担っていますが、地方には中規模以上のIT企業は多いとは言えません。しかし、コロナ下でオンライン対応が当たり前になり、地方でのデジタル人材育成も急速に進んでいます。

早津 確かにオンラインを活用すれば、地方でも人材を育成して仕事もネット上で対応することが可能ですね。具体的な事例はありますか。

角田 地方でのリスキリングの事例として松山市の清家美樹さんをご紹介します。彼女は地元の短大の秘書科を卒業して証券会社の事務をやっていましたが、結婚・出産を経て30代後半で早期退職した方です。その後、マイクロソフトオフィシャルトレーナーなどの資格を取得後、ハローワークのキャリアコンサルタントとして10年近く働いていたそうです。ただ、ハローワークは人員削減を進めているため、契約更新が難しくなりました。働き方を見直そうと考え、なんと56歳の時にeラーニングを開始し、スキルアップを果たしてシステムエンジニアとしてSAPの仕事を始めたそうです。

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