3月26日、島根県松江市で高校生以下の若者を対象としたプログラミング競技会「スモウルビー・プログラミング甲子園(スモウルビー甲子園)」の決勝大会が開催された。将来のIT産業を担う若者の育成を目的に開催されたもので、今回が第1回目となる。 スモウルビー甲子園では、主催者が用意したゲームを攻略するためのAI(人工知能)プログラムを募集した。全国から100件の応募があり、決勝大会では予選上位10組がトーナメント形式で優勝を目指して戦った。 「スモウルビー」とは、島根県松江市を中心に活動する「Rubyプログラミング少年団」によって開発されているオープンソースソフトウェアである。プログラミング経験の無い小中学生でも、簡単な操作で「Ruby(ルビー)」のプログラム作りを体験し、学習できるようになることを目的としている。 会場にはRubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏と、タレントで「Rubyの女神」と呼ばれる池澤あやか氏も応援に駆けつけた。 熱戦を制し優勝したのは、松江工業高等専門学校3年の高田亮介さん。優勝にあたり、「初代優勝者、という称号は素直に嬉しいです。さまざまな環境に恵まれていると感じました。何より、ブロックを組み合わせてAIプログラムを作るという、新鮮な経験ができました。次回も試行錯誤を重ねた素晴らしいAIプログラムが出てくると思うので、楽しみです。ありがとうございました。」と喜びのコメントを寄せた。 スモウルビー甲子園以外にも、会場にはRubyプログラミング少年団に参加している子どもたちの作品や松江市の各学校によるユニークなIT体験コーナーも用意されていた。 中でも特に人だかりができていたのは島根大学ものづくり部Pimの展示。画面に表示された動くバーを、床に設置されたセンサーの上でジャンプすると止める事ができる。このバーを指定された位置でタイミングよく止めると、お菓子が飛び出すという体験型アトラクションだ。 このアトラクションにもスモウルビーが使われており、3名で10日という短期間で完成させたという。「それだけスモウルビーがいいツールなんです」と、ものづくり部Pimの代表、佐藤公治さんは話す。 スモウルビーを通じ小中高生へのプログラミングの理解が深まり、将来のIT産業を担う若者が育つことを期待したい。◆第1回 スモウルビー・プログラミング甲子園 入賞者※敬称略優勝:高田.exe(個人、松江工業高等専門学校3年 高田亮介)準優勝:佐藤明音(個人、宮城県仙台二華高校1年 佐藤明音)特別賞:橋本兄弟(グループ、松江北高校/松江第一中学校 橋本竜馬、橋本武蔵)