港区立青山小学校は2月21日、レノボ・ジャパン、日本マイクロソフトの協力のもと、Windows 8を搭載したThinkPad Tablet2を使った新しい授業の取組みについて発表を行った。 青山小学校 曽根節子校長は、「137年という歴史のある学校として伝統を重んじることに加え、学びのイノベーションにも積極的に取り組んでいます。」と述べ、同校のこれまでのICT活用の取組みとして、日本マイクロソフトとのNEXTプロジェクト、港区研究パイロット校としての活動、DiTTとの実証研究への参加などを紹介した。 これらの活動の中で、21世紀型スキルを育成する授業の必要性を感じているという。21世紀型スキル育成授業とは、日々の授業で得た知識や、それを発展させる探究力へとつなげるために、知識や情報、ツールを活用する力を養うものだ。曽根校長は、児童一人一人に対応した学習支援と児童の主体的な学習にはICT利活用は必須であるとして、2006年のNEXTプロジェクトから教育へのICT活用の研究を続けている。 2012年9月からは、信州大学 東原義訓教授の指導のもと、個別支援システム「インタラクティブスタディ」としても21世紀型スキル育成を実践している。インタラクティブスタディは、一人1台のPC環境のもと、地域コミュニティとも連携し、ノートPC、タブレット、電子ペンなどを活用する新しい授業の取組みだ。同校では、昨年9月と2013年1月に3年生以上で算数のテストを実施したところ、苦手や理解が完全でなかった問題の復習などに個別支援の効果が表れ、1月のテストでは成績が上がったという。 レノボ・ジャパンと日本マイクロソフトは、青山小学校のこれらの取り組みに対してWindows 8を搭載したThinkPad Tablet 2を31台、同校に提供することで21世紀型スキル育成授業を支援する。タブレットは支給されてまだ2週間程度だというが、すでに5年生の社会、4年生の特別支援学級の授業に利用を始めている。 ThinkPad Tablet 2は、これまでの類似のタブレットより軽いため、低学年の児童でも持ち運びが楽とのことで、校外授業での活用も広がっているそうだ。 5年生の社会では、「工業生産と貿易」というテーマの調べ学習で、タブレットを活用。まとめて、その内容を児童どうしで情報交換などしながら、コミュニケーションへの応用を探る。 4年生の特別支援学級では、タブレットを校外に持ち出し、地域を取材したそうだ。さらに、国立科学博物館の見学では、気に入った画像を保護者会で発表するなどの取組みも行ったという。子どもたちの反応も、「軽い」「指で操作できるので使いやすい」と好評のようだ。保護者からもメモ機能など手書き作業が残るのがよい、といった好意的な意見がでている。 発表会の最後の質疑応答で、iPadやAndroidタブレットと比較して、Windows 8のタブレットを利用するメリットは何かという質問が出された。 日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター統括本部 文教本部長の中川哲氏は、画面上に複数のウィンドウを開けるマルチウィンドウシステムであること、業務向けのログ、モニタリング機能、制御機能といったソリューションが教育にも展開可能であることをあげた。 レノボ・ジャパン 執行役員専務 製品事業/パートナー事業 担当の留目真伸氏は、サードパーティを含む開発体制の広さが応用やチューニングに柔軟性をもたせること、PCと親和性の高いデスクトップ環境、製品の信頼性をあげた。 なお、21世紀型スキル育成授業については、2月28日(木)に、青山小学校において中間報告を兼ねた公開授業が行われる。ここで、今回のThinkPad Tablet 2を使った授業を含め、授業へのICT利活用の事例や効果などが発表される。事前に申し込めば一般参加も可能とのことで、興味のある方は同校のホームページから申込書をダウンロードして、手続きをとってほしい。