古田ラジオの日記「Welcome To Madchester」

フリーライター・婚活ライター・婚活アナリスト、古田ラジオのブログです。

文化系着こなしと着崩し

こないだのラジオにて、文化的な意味での着崩しみたいな話をしたんですが、今日はその続きを書きます。そして、その過程において、私は大カリスマブロガーとクネクネクネクネすることになるでしょう。


http://www.voiceblog.jp/hatenahimote/95318.html

ラジオはこちら(PR!!)。中盤ぐらい(20分前後ぐらいから)で「ウォーラステインの横に蒼天航路が置いてあるのが着崩しができない我々の(文化的な意味での)着崩しだ」というような話題が出ました。
私は、例えばCymbalsが好きだと表明する事がどういうことかということをずっとこだわりがあって、このブログでも度々取り上げてきたつもりでございますので、是非この補足をしたい次第。当たり前だけど、ここでは、表明するということが重要でであって、自分で聴くだけ/好きなだけなら、マイルス・デイビスだろうが、木村カエラだろうが、ハンガリーの民謡だろうがどれが好きだって構わないと思います。ところが、それを人に言ったり、ブログに書いたりすることによってそこに意味が付加されるっつーのが私が言いたい事。


「デートコースペンタゴンロイヤルガーデンが好きだ(とブログに書く)俺」
「birdが好きだ(とブログに書く)俺」
「くるりが好きだ(とブログに書く)俺」


こう、表明し、さらに「女子中学生なのに」、「おしゃれなのに」、「アニオタなのに」という接頭語をつけることによって、音楽自体の意味ではない、別の意味を付加されるんです。これは例えばNew Orderのなんだかよくわからない音楽的魅力だとか、Primal Screamの破壊力だけを純粋培養したような圧倒的な音とは全く関係がなくて、世間的なイメージというか、パブリックイメージというかなんというか…くるり好きな奴はサブカルっぽいよねとかそういうイメージ。で、それを逆手にとって、


「俺ってロックンローラーでダイナソーJrとかストロークスとかロイクソップとか大好きなんだけどモーニング娘も聴くし、中島美嘉だって語れるんだよ。えへへ」
とやるのがいわゆる着崩しです。


ここから、クネクネクネクネクネクネしだします。


http://d.hatena.ne.jp/VanDykeParks2/20060226/1140888403


ここで槍玉に挙がっているのが「ピクシーズが好きな女子中学生」の方なんですが、VanDykeParks2さんは恐らく、「着崩せよ!」って事が言いたいんだと思います。あまりにも類型的すぎるんですよね。趣味が。私も着崩し的なことは大好きなのでなんとなくわかります。好きなアーティストなり映画なり、本なりを表明するということはその背後のイメージと一緒に表明するということなんだから、少しそういうことを言う事の意味に自覚的になった方がいいと思います。さらに、この中学生の子の周りにたかる人々の事まで射程に入ってますからね。
暴言吐くと、「どうせこういう事を言うような子はモーニング娘がロックだとか言い張る(昔ロッキンオン読んでたような)奴らからちやほやされるんだろうなぁ」なんて事がわかるから、着崩し派からすると余計に腹立つんですよね。そう振舞ってる事にもう少し自覚的になれ、と。私は基本的に着崩し派のこの手の嫌味ったらしい物言いが大好きです。


で、反論として出てきたのがこれ。


http://d.hatena.ne.jp/amiyoshida/20060306/1141648272


多分、好きなのを聴けばいいんじゃないか?って事を言いたいと思うんです。で、圧倒的にそれは正しいと思います。だけど、ちょっと待って下さい。服の話で、好きな服着ろって言うのって、正しいけどちょっとずるい気がしませんか?
そりゃー顔もよくて、スタイル抜群な人は何着ても似合うんだろうけど…って。ふつー(もしくはそれより下)の人って結局○○系みたいな形にならざるをえないんですよ。音楽でいうならディスクガイドなり何なりに頼って。あのカリスマが言ってるから…って言ってCD買うしかょうがない。で、音楽界でメンズノンノにあたるのが小西なり小山田なりだという…私にとっては野崎良太とか大沢伸一でしょうか。


結局、何が言いたいかって言うと、ネットで音楽なり本なり何かがが好きって言うことは少しは意識的にやった方がいいっていうことですね。背後にあるものまで含めて判断されますから。


あと、最後に全く関係ないのですが、VanDykeParks2さんが

RIR6くんっていう高校生がはてなでブログを書いてたんだけど、彼の勘違いっぷりもすごかったよ。頭脳警察だって。それは、ぼくが彼のことをちっとは信用している理由でもある。

とおっしゃっていたのですが、私は彼(勇者ロトの子孫。)が中谷美紀が好きだと言うことの方が彼の人となりをよく表していると思います。
こういうのが、「背後まで含めて判断する」だったりします。