【特別寄稿】 世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年10月版)

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特別寄稿いただき好評だった「【特別寄稿】 世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年9月版)」ですが、読者のタカちゃんさんがアップデートして2012年10月版を作ってくれました。

PERだけでなく、PBR、ROE、実質実効為替レート、長期金利、配当利回り、益回り、内部留保率、配当成長率、予想名目経済成長率といった各種指標を網羅的にまとめたデータは貴重です。

「バリュエーション表の使い方の留意点」のところで、毎回違った内容の解説がされています。その部分だけ読んでもためになると思います。

以下、特別寄稿「世界でいちばん割安なのはどの国?世界各国のバリュエーション表(2012年10月版)」です。


世界各国のバリュエーション表
(タカちゃん作成)

photo20121119.jpg
(クリックで拡大します)


バリュエーション表の使い方の留意点
(タカちゃん作成)

今回は予想名目経済成長率を載せてあります。
注意点は2012年の名目GDPは推計値である為、実際の名目GDPと乖離が出る可能性があります。
無印は2012年の名目GDPは推計値、☆は2011年、2012年が推計値、☆☆は2010年、2011年、2012年は推計値である為、☆、☆☆の国はより大きな乖離が出る可能性が高い点に注意してください。
期待リターンを計算する場合は、国の信用リスクにも注意が必要で信用リスクの高い国の長期金利は高くなる傾向にあります、国の信用リスクの低い方が計算しやすいと思われます。

試に名目経済成長率ベースで期待リターンを計算してみました(円換算しています)。
期待リターン≒「株式益回り」+「名目経済成長率」+「日本の長期金利」-「その国の長期金利」
として計算しています。

米国9.881%
英国10.518%
スウェーデン8.981%
ノルウェー18.341%
日本6.74%
シンガポール11.491%

ノルウェーは益回りが10.87%、名目経済成長率が8.69%と高く、期待リターンが高くなっています。
ただし、現実のリターンでは「成長の罠」もあり、名目経済成長率が高くても実績リターンが非常に悪くなるケースもあります。
日本はROEが他に先進国に比べて低く、注意が必要な場合があります。

また、実際に投資する場合でETFを使う場合には益回りがバリュエーション表と違った値になる場合もあります。
例えばノルウェーの株式インデックスに投資したい場合でiSharesのETFを使った場合だとPER17.32倍(益回り5.77%)と違ってくる場合もあります。
http://us.ishares.com/product_info/fund/overview/ENOR.htm

それでも期待リターンは13.241%にもなります。
実際に投資する場合は投資対象のETFのバリュエーション情報も見ながら投資を考えていく必要があります。
その他にROEベースの期待リターンも参考にしてみましょう。
ちなみに、ノルウェー株式のROEベースで期待リターンを計算すると13.401%になります。
このように先進国の常識的な期待リターンを超えている場合は、他のバリュエーション指標も用いて疑ってみる必要がありそうです。
例えば、名目経済成長率の長期的な推移や長期金利の長期的な推移なども見ていく必要がありそうです。

最終的な判断は自己責任でお願いします。
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