ビジネスパーソンインタビュー

ビジパの悩みインサイト

【朗報】誰もが『頭のいい人』になれるたった一つの方法を学んだら、Fランでも無双できそう

新R25編集部

2024/11/27

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複雑なはずのビジパの悩みを、単純化して取材していた」 「本質的じゃない悩みをでっちあげていた

という反省のうえ、「個人のリアルな悩みにひもづいた取材」を改めてしていくことを方針とした新R25編集部。

今回は、営業チームから新R25編集部に異動してきたばかりの新卒・米久保の「何から勉強すればいいかわからない」という悩みについて。

先輩に聞いても人によって言うことが違って、何が正解かわからん。

“まずはこれさえやっておけば間違いない”という「勉強スターターキット」があったら知りたいところですが…

「知識が足りない!…けど何から手をつければいいのかわからない」新人の悩み

米久保

営業からコンテンツチームに来て、2週間ぐらい経つんですけど…

もっと勉強してくればよかった」って思うんですよね。

営業ももちろん勉強が必要だったけど、ノリでいける部分もあるし、幅広く知識を得るって感じとも違って…

天野

“勉強”とはまたちょっと違うもんね。

米久保

コンテンツチームで(トレーナーの)天野さんと話すことが増えて、自分の知識のなさを痛感してて…

三宅

それは私もめっちゃ感じる。人生で勉強に集中したことってないかも…

米久保

みんなが受験勉強で必死に勉強している間もノリで生きてきちゃって、勉強への耐性がないし。

何かしなきゃとは思うけどどこから手を付けていいかわからない

三宅

私、最近会社で「ロジカルシンキング研修」ってのを受けたんですよ。

でも、すぐ実用的に使いこなせるかというと…

天野

そういうフレームワークは素晴らしいんだろうけど、それだけ覚えても難しいよね。

なんか…だいたい大人って、社会人1〜3年目ぐらいまでに教わったロジックでその後の社会人生活を過ごしてる気がする。最初に何を学べばいいかがめっちゃ大事だと思うんだよね。

今優秀な人って、最初のインストールがハマったんだろうなという人が多い。

とはいえ、上の世代がするアドバイスって、自分を正当化したくて下の世代に同じことをやるように言っているだけな気もして。それでいいのかなって思う。

三宅

めっちゃわかります。

内定者や新卒の子と話すとき、「これって今の時代のこの子のためになるのか」という葛藤がある。

天野

米久保は素直で吸収するタイプだから、“ムダな水”をあげてないかなって思っちゃう。

“今の時代に本当に学ぶべきこと”と“学ぶ習慣”の、ベストインストール術を教えてほしいよね。

「これを学べば必ず伸びる」という、質の高いスターターキットがというか。

米久保

今って情報がありすぎてわからないんですよね。スターターキット、ほしいかも。

三宅

そのスターターキットで覚醒できるかもしれない。

米久保

覚醒するかも!

ぶん回していきます、編集部(?)

天野

なんか不安…

ベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』著者の安達さんにお話を聞かせていただきます!

米久保

安達さん、今日はよろしくお願いします!

安達さん

はい、お願いします。

【安達裕哉(あだち・ゆうや)】著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)が65万部突破の大ヒット。2023年年間ベストセラー1位(ビジネス書単行本/日販・トーハン調べ)。2024年上半期ベストセラー1位(ビジネス書単行本/日販・トーハン調べ)。ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO。ティネクト株式会社 代表取締役

米久保

私、学生時代から勉強が苦手で…社会人で巻き返したいんですけど、なんとかなりますかね…?

安達さん

はい、大丈夫です学生時代の“勉強”と社会人の“勉強”は、明らかに大きな違いがあります

米久保さんは、両者に違いを感じたことはありますか?

米久保

違い…

学生時代のお勉強って、受験とか目標が決まってて、そこに向かうってイメージです。

今の編集部の仕事をしてると、それとは違う、幅広い知識とか、瞬間的にワードが出せるみたいなところが必要なのかなって。

安達さん

まさにそのとおりです。

学校の勉強って、体系があるんです。これをやって、次にこれをやってという順番もあるし、分野もある。きれいに整理されているものをこなしていくだけなんですね。

ところが、社会人になると勉強の体系がない。むしろ、「何を勉強したらいいのかという体系を自分でつくらなきゃいけないところが、真の意味で難しい」んです。

真理をわかりやすい言葉で語ってくれている…本当に頭のいい人特有のやつだ…

安達さん

では、体系のない世界でどうやって勉強していけばいいか?

これはコンサルティング会社でもやるんですけど、めちゃくちゃ有効な手法があるんですよ。

何かというと…とりあえずセミナーをやる

米久保

えっ、自分でですか?

安達さん

自分でです。

セミナーや社内勉強会などを自分で主催し、その講師をするんです。

これをやると、超絶スキルが上がります。

教わりにきたのに講師をやれと言われてフリーズした人

安達さん

学校の勉強って、インプットが中心ですよね。教科書を読んで、問題集を解いて答え合わせをして。要するに体系が決まっているので、自分で問題を作る必要はありません。

一方で、“体系を自分でつくらなきゃいけない世界での勉強”はアウトプットが中心になります

インプットはダメ。大事なのはアウトプットなんです。だからセミナーなんです。

まずアウトプットしなきゃいけない状況になって、必要を感じることで、勉強が進むんです

米久保

…私、英語が苦手だったんですけど、留学して何か喋らなきゃいけない環境になった瞬間に、意欲的に学ぶようになったんです。

それと近いことなのかな…

安達さん

まさに。同じです

語学はアウトプット中心の勉強の代表格。いくら教科書を読んでいても話せるようにはなりません。

インプットから始めるんじゃなくて、アウトプットをしなきゃいけない状態に自分を追い込む。これこそが「勉強スターターキット」です。

米久保

なるほどおお…思ってたよりもヘビーだな…

アウトプット環境に追い込まないといけないのは、私みたいに勉強が苦手な人間だからってことですか?

安達さん

いやいや、全員ですよ。

どんな人でも、「ロジカルシンキングの本を読んで勉強する」というインプットではなく、「ロジカルな資料を作ってみる」というアウトプットをすべき。

この動き方を社会人1年目でできたら、めちゃくちゃ速いスピードで成長できます

天野

僕は、若いうちは本を読むべきで、それがその後の原資、資産になると思ってるんですけど…

「本読め」って、もうあまり時代にフィットしないんですかね?

安達さん

「本読め」はその次の話。

たとえば、“セミナー講師をやる、その資料を作らなければいけない”となったとき、本屋さんに行って、その分野の本を30冊買ってきて読む。

「本を読むこと」を目的にするのではなく、あくまでも目的は「アウトプットすること」に設定すると、本の読み方がものすごく変わります

米久保

目的があれば、たしかに読みすすめられそう…

安達さん

言い換えるなら、「アウトプットの機会を貪欲に取りにいく」こと。なかなか会社で教えてはくれませんが、それが本当の意味で成長への近道なんですよね。

発表する場をつくる、資料をつくるなど、自分で“つくる”ことが大事。そうすることが本当の意味でのスターターキットになる。

とりあえず本を読んで勉強する、というのは本当に無駄なのでやめたほうがいいです

安達さんの本も売れなくなっちゃうような発言ですがいいんでしょうか…(小声)

米久保

めっちゃいいこと聞きました!

安達さん

セミナーが難しいなら、会議の担当者ポジションに、自分から手を挙げてみるとか。先輩の手伝いでもいい。

“追い込まれ感”が勉強の原動力になります。

それをやらないでいると、ずっと与えられた仕事をやる受け身の社会人になるだけです。

天野

米久保は「勉強してこなかった自分が今からできるようになるのか…」という不安があるみたいで。

勉強が苦手な人が、安達さんの教えで伸びた例とかもあるんですか?

安達さん

めちゃくちゃありますよ。

コンサル会社時代、Fランどころか大学卒業してない人もたくさん採用しました

自動車修理工場で働いてます」「八丈島でカツオ釣ってました」みたいな人とか。

米久保

カツオ…。それは、その人のどこを見て採用したんですか?

安達さん

まあその人が面白そうだったから(笑)。ただ、入社後は、とにかくビシビシアウトプットさせました。

最初だけは教えたけど、あとは「泣こうがわめこうが全部やれ」と自力でやらせて。

そんなふうに、「やるしかない」「出したものの評価からは逃れられない」世界に身を置くことが重要ですね。

安達さんに言われたらなんか怖そう

「学ぶべき情報」が多い世の中…“本当に学ぶべきこと”を見抜くためには?

天野

最近SNSで、“若手のうちにこれだけは知っておけ”とか、“勉強しておけ”というコンテンツが蔓延してて、バズってたりもするじゃないですか。

若者は迷うだろうと思うんですが、「今の世の中だからこそ、学ぶべきこと」ってありますか?

安達さん

目の前の仕事をちゃんとやれ」に尽きますね。

米久保

ああ…

安達さん

会社に入って目の前の仕事をしているだけで、普通の人よりも詳しい状態が得られるんですよ。

食品のルートセールスをしている人はその業界に詳しいし、銀行で融資の審査をやっている人は審査に詳しくなる。今置かれている環境で仕事を極めるだけで、一流になれるんです。

なのに、「会計の知識を持っておいたほうが」とか言って、よくわからないまま会計を勉強しはじめたりして。

お前、それ使わねえだろって

米久保

なるほど…

目の前の仕事についても、上司によって言ってることが違ったりするじゃないですか。それで迷ったりすることも…

安達さん

言ってることが違うことこそ、本質だと思いますよ。違うからいいんです。

むしろ、みんな同じだったらウソだと思ったほうがいい。教科書的なものを読んでいるだけなので。

米久保

そうだったのか…

安達さん

立場によって見え方も違うし、たとえば企画書ひとつとっても、そのつくり方は人によって違う。

自分の仕事の体系を、自分で組みあげる。それが唯一無二のコンテンツになる

それをどういう形で表現するかは、自分で選択すればいい。私は書くということで表現しましたが…

米久保

自分に合った「教え」を探すには、数打つしかない…?

安達さん

他人が勧めてくれる本があっても、それが役に立つかどうかを判断するのは自分。

つまり、そういうことです。

「社会人の勉強は“コスパ良く学ぶ”という考えと合わない」

米久保

とはいえ、通常業務だけでいっぱいいっぱいで…「勉強」にそこまで時間を割けない現状もあって。

安達さん

なるほど「コスパよくやりたい」みたいな。

米久保

コスパよくやりたいです!

元気に宣言

安達さん

米久保さんにとって一番いい方法はあるかもしれないけど、それが最初から見えてれば誰も苦労しない。

逆に、米久保さんに「これが一番いい」って言ってくる人って、詐欺師(笑)。あんまり信用しないほうがいいかもしれません。

米久保

間違いないですね(笑)。

安達さん

インプット中心、体系ができている学校の勉強に関しては、“コスパいい勉強法”はあると思います。

ただ、社会人の勉強には、「コスパ」という概念自体がない

ビジネス=商売に体系はないし、昔やったことが今通用するとも限らないので。

米久保

答えがないから…?

安達さん

そう、答えがないからです。

だから、社会人の勉強や商売で「コスパ」とか言い出した瞬間に、多分ダメになる。

だって、コスパよくやりたいんだったら「AIにやらせればいい」という話になるし、そのレベルに定義できてしまうような仕事なわけで。

天野

教える立場として、自分が役に立った本や読んでほしい本を勧めてるんですけど、米久保は多分あんまり読んでなくて…

安達さん

ですよね。でもそれはまっとうだと思いますよ

天野

「この本読んだほうがいい」って、そもそも間違ってるんですか?

安達さん

先輩がそういうふうに言うのは自由ですし、それを受け取る側も恵まれてるとは思います。

ただ、それが相手の役に立つかどうかはまた別の話、ということ。彼女が出そうとしているアウトプットに対して、ストレートに役に立つものじゃないと受け入れられないということです。

社会人は、勉強する前にコスパを判定できない。だから、どうしても「数をこなす」という話になってくるんです。

天野

彼女が勉強しはじめて、何かを求めてきたら、そのときに役立つかもしれない本や知恵を渡すようなイメージ…?

安達さん

そのほうが、圧倒的に響きます。

目の前の仕事に役に立つという確信を持たない限り、人はそこに時間を投入しないんですよ。

そんなの読むぐらいなら飲みに行こうぜ、ってなる。

天野

ああ…(納得)

「人から与えられた仕事をこなしていく人生は嫌」安達さんがたどり着いた、その究極

米久保

でも、自分から「セミナーやります」って宣言できる人って珍しいですよね?

安達さんは、幼いころからずっとそういう人生だったんですか?

安達さん

私は全然普通の人生でしたけど、新卒で会社に入ったときに、「ずっと人から与えられた仕事をこなしていく人生は嫌だな」と。

多くの人はそう思うはずですよ。そして、そう思ってるんだったら宣言するしかないじゃないですか。

米久保

そうなのかな…

安達さん

私は「新卒にコンサルなんかできるわけねえだろ、ボケ」って言われて。「いや、でも採用されてるんだけどな…」と思ったけど(笑)。

仕方ないから「仕事ください」って言って、なんとか食らいついてきただけ。ただ、とにかく先に宣言しちゃうと、今度は助けてくれる人が現れるもんですよ。

その究極のカタチが、「自分で会社を立ち上げる」という、起業です。

安達さん

起業するにしても、「会社に教えてくれる人がいる環境で、自分から宣言して、成果を出すというサイクルを回す経験を積んだうえで独立する」のと、全然そういうことをせずに、「形だけ独立する」のとでは、成功率が全然違うんです。

やっぱりアウトプットのトレーニングをちゃんとやったほうがいい。

米久保

アウトプットですね。まずは宣言する…

安達さん

やる、追い込む、死にそうになりながらなんとかする

ちゃんと頑張ったらそれなりの評価が得られるし、何よりも社内営業的に抜群の効果があります。

頑張れそうなことを選択して、評価をもらう。自分の評価ではなく、人からの容赦ない評価が必要です。

米久保

めちゃくちゃ刺さりました。

自然な流れで自分が勉強できそうな方法を教えていただいたので、すごく納得感を持って悩みが解決しました…!

安達さん

本当に“やってきた”人はみんな同じことを言うと思いますよ。決まったものをインプットしても仕方がないんです。

成果出すまで、ガンガンやって。

…頑張ってください。

とにかく自分から手を挙げて、貪欲にアウトプットの場をつくりにいくことが、“本気”につながる。

「できそうな仕事だけもらう大人」にならないために、新卒以外でも日々意識していきたいことだと思いました…。

超有意義な取材となりましたが、果たして米久保は、本当に爆速で成長できるのか…。ご期待ください。

〈取材=米久保美帆/取材・編集=天野俊吉/編集=鳥山可南子〉

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