ドイツ公共放送の東京五輪中継現場で湧いてきた直観について。別に神秘体験でもなんでもないんだが(マライ・メントライン)
第2ドイツテレビ(ZDF)プロデューサーとして、東京五輪にがっつりかかわったマライ・メントラインが辿り着いた境地とは? あまりと言えばあまりなことばかりだったけど、もう、絶望したり糾弾してる場合じゃないんだよ!
東京五輪の本来の主役って
コロナ問題や五輪開催がどうしようもなく深く民心の分裂を招き、もうこれを再統合させるには人類ゾンビ化現象の勃発拡大ぐらいの超危機イベント発生しかないかなー、などと茹だった頭で考えてしまう猛暑の今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私はドイツ公共放送のプロデューサーとして、東京五輪中継の撮影手配とか編集サポートとかの作業にひたすら埋もれて…となるはずが、ドイツ本局から派遣されてドイツ向け番組に出演する予定だった特派員が諸般の事情で来れなくなったため「お前出ろ」ということになり、
・開会式の中継(日本の事情や文化の地元民視点での紹介役)
・五輪番組での日本文化紹介コーナー出演
の仕事が追加(そう、作業純増)となり、しかもさりげなく残業代を踏み倒されそうになる(!)などドイツ組織的理不尽さと戦う日々が、今日(8/5)もつづいているのです。いろいろ暑過ぎるよ。
で、有明体操競技場や国立競技場、五輪メディアセンター(いわゆる東京ビッグサイト)や東京都内にある支局を行ったりきたり、あと各種マスコミからの「IOCバッハ会長とは何者か? ドイツ人としてどう感じるか?」的な質問に答えたりしているうち、この五輪のコアにいったい何があるのか、というイメージが強固に強烈に湧いてきました。
そもそも東京五輪の本来の主役というか、戦略的にみて主眼となる存在は、アスリートでも記録でも国立競技場でもなく、海外から押し寄せる観戦客、だったと思うのです。
製造業の頭打ち感が慢性化し、産業構造転換の一策として観光立国を目指すニッポン。いろいろ批判や問題はあれどそこそこ回っていた(というのは実際知っている)インバウンド政策の、その節目として大きな勢いをつけ、一気に「いけてる観光大国」としてのイメージを国際的に強化するビッグイベントだったのですよ。東京五輪というのは。
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