働き方改革やコロナ禍におけるリモートワークの普及の中で、営業活動の見える化や円滑なコミュニケーションの推進のために、営業報告書の重要性が見直されようとしています。
しかし、営業担当者は「報告書を書く時間があれば営業活動に時間を割きたい」、マネージャーは「報告書をまとめる作業に日々時間をさかれ、全体の進捗が把握できてない」と報告書を効果的に活用できていないケースが多いようです。
本来営業報告書は何のために書くのか、メリットは何かということを考え、具体的な書き方も交えながら報告書を管理する方法をご紹介します。
この記事の内容
営業報告書とは?
営業報告書とは、営業担当者が自身の活動内容を記録し、報告するための重要なツールです。
この報告書は、主に上司やチームメンバーに対して営業活動に関する情報を共有し、状況を把握してもらうために作成されます。
具体的には、誰に対してどのような提案を行い、どのような成果や課題があったのかを整理する役割を果たします。
営業報告書の管理方法は企業によってさまざまで、メールやチャットツールを利用して簡易的に管理するケースもあれば、エクセルを用いてデータをまとめる場合もあります。
近年では、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれる営業支援ツールを活用して、効率的にデータを一元管理する企業が増加しており、営業活動の可視化や分析に役立てられています。
関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説
営業報告書の目的
営業報告書とは、日々の営業活動の結果や得られた情報を記録し、社内に共有するための手段です。
- 管理者にとっての営業報告書の目的
- 営業パーソン(営業担当者)が営業報告書を作る目的
それぞれ詳しく解説します。
管理者にとっての営業報告書の役割
管理者にとって、営業報告書の最大の目的はメンバーの活動状況を把握することです。
これにより、個々の営業担当者を正確に評価できるだけでなく、チーム全体の課題を明確化し、解決策を講じるための基盤を築くことができます。
また、報告書を通じて得られた情報を共有することで、組織全体の営業力や業務効率の向上にもつながります。
さらに、個別の案件についても具体的な状況が分かるため、管理者は適切なアドバイスや指示を提供しやすくなり、現場のサポートを強化することが可能です。
関連記事:管理職に求められるスキル3つと高め方
営業担当者にとっての営業報告書の役割
営業担当者にとって、営業報告書の目的は主に2つあります。
1つ目は、自身の営業活動を記録することで現状を客観的に振り返り、次の行動に活かすこと。これにより、自分の成長を促進する機会となります。
2つ目は、営業情報を文書として残すことで、他のメンバーや上司とスムーズに情報を共有するためです。
また、記録を元に上司へ案件相談を行ったり、担当業務を他のメンバーに引き継ぐ際にも役立つため、報告書は業務を効率的に進めるための重要なツールと言えます。
営業報告書の書き方と項目・例文
次に「営業報告書の書き方」について見ていきましょう。
ここでは、
- 営業報告書に記載する項目
- 営業報告書の例文
に分けて紹介していきます。
営業報告書に記載する項目
まず、「営業報告書を作成する際に必要な項目とは何か?」から考えていきましょう。
氏名や件名などの他に必要な項目としては、
- 営業目標
- 訪問先
- 相手の担当者の名前、役職
- 訪問日時
- 訪問の目的
- 訪問先との商談内容
- 特記事項(成果と所感)
以上は最低限必要になるでしょう。
フォーマットはシンプルに統一化する
営業報告書のフォーマットは、できるだけシンプルで統一されたものを使用しましょう。
書き慣れてくると、内容が抽象的になったり、冗長になりがちですが、フォーマットを統一することで記入内容が整理され、報告書の質が一定以上に保たれます。
また、定型フォーマットを確立しておけば、書く際の負担が減り、生産性の向上にもつながります。
関連資料との連携を意識する
営業報告書で忘れがちなのが、関連する資料とのリンクです。
たとえば、「競合他社との違いについて問い合わせがあり、後日資料を送付する予定」と記載した場合、その資料や送付したメール内容を報告書と連携させることで、情報が整理され、読み手にとって分かりやすくなります。
営業担当者自身は内容を把握していても、報告書を読む第三者にとっては情報が不足していることが多いため、周囲の人にも伝わるように具体的かつわかりやすい報告を心がけましょう。
営業報告書の例文
報告書を書く際には、管理したい内容をフォーマットに落としこんでいくことが肝心です。
ここでは、営業報告書の書き方や内容の例文として、1つの簡易的なテンプレートを紹介します。
営業報告書の書き方の例としては次のようなものが考えられます。
営業ならば、訪問先ごとに報告をまとめていくのが一般的です。
記入内容には、訪問の目的、相手の反応、次回アクションなどを書くようにするとわかりやすい営業日報となります。
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営業報告書を書く5つのメリット
続いて営業報告書を書く事のメリットを5つご紹介いたします。
- 数字以外の定性的な行動が評価できる
- 自社の強みと弱みが把握できる
- 今日の仕事の振り返りと以前の情報の再確認ができる
- 営業情報を共有できる
- 引き継ぎ時に文章化されている
それぞれ詳しく解説します。
1.数字以外の定性的な行動が評価できる(マネージャー向け)
営業であれば組織の目標として具体的な数字が掲げられているはずです。
ですが、同じ商品で扱うにしても地域性、時期により売上に差が出てくるでしょう。
報告書で日々の活動を上司に報告することで、そういった数字だけでは見えてこない評価できる部分が浮かび上がるようになります。
関連記事:部長の役割とは?課長との違いや7つの業務内容・必要なスキルを解説
2.自社の強みと弱みが把握できる(マネージャー向け)
マネージャーは自分の業務だけでは手に入れられる情報量に限界があります。
現場の日々の営業活動をもとに書かれた報告書から、お客さまの直接の声や競合の情報など様々なリアルタイムの情報を得ることが可能です。
マネージャーは他社より優れている点は何かを考え、戦略を策定する必要があります。他の営業担当者の生の情報を得て戦略に活かす事で、よりよい戦略を練ることができます。
関連記事:営業マネージャーの仕事と役割とは?事例でわかりやすく説明
3.今日の仕事の振り返りと以前の情報の再確認ができる(現場向け)
報告書を書くことで今日1日の振り返りが行えます。
顧客と重要な打合せをした場合は記憶に残ると思いますが、雑談程度であればすぐに忘れてしまうかもしれません。
次回、同じ顧客先に訪問する際前回の雑談を覚えていたら顧客側は嬉しいはずです。もちろん雑談だけではなく打合せ内容も再確認できるので、確実な提案を進める助けになるはずです。
4.営業情報を共有できる(現場向け)
報告書を組織として共有すると、他の営業担当者の活動もわかるようになります。
営業ノウハウを隠すと折角身についた知識が属人化してしまいますが、良い事例は皆と共有することで組織全体の成績も良くなるでしょう。
関連記事:営業プロセスとは?見える化の効果と営業力強化のポイント
5.引き継ぎ時に文章化されている(現場向け)
前任者の営業の情報が確認できるので、担当営業が変わる際にスムーズに引き継ぎを行えるようになります。
引き継いだ側は営業報告書を見れば、キーパーソンは誰で、重要なポイントが何で、過去にどのような商談があったのかを把握することが可能です。
関連記事:営業の引き継ぎのポイント|効率化する方法とトラブル防止策
営業報告書の3つのデメリット・改善点
具体的な営業活動が見えてこない
まず、報告書では具体的な営業活動が管理職には伝わってきません。
報告書に書かれる内容は営業の実施結果のほんの一部であるため、案件の全貌を掴むのに必要な情報を過不足なく得ることが難しくなってしまうのです。
過去のアクションと紐づかない
その原因としては、その日提出された報告書が過去の報告書と結びついていないことがあげられます。
例えば、「クロージングでつまずいた。ヒアリング不足であることが原因に感じられる」と書かれてもすぐにその営業先の情報を見たり、ヒアリング内容を検証することができないのです。
データ分析に活かされない
最後に、報告書の内容がデータ分析に活かされないという問題点があります。
報告書を提出してもらってもそれは、定量的な分析には使えません。全外回り営業実施数のうちどれほどが成約に至ったのかということを分析するためには、別にエクセルで管理する必要が出てきてしまうのです。
しかし、これは二度手間になってしまい多くの時間を取られてしまいます。
関連記事:エクセル日報の作り方と管理方法・改善策を紹介【テンプレート付】
上記の営業報告書が提出された場合、次のようなことが改善すべき点としてあります。
営業報告書がもたらす営業成果
上で書いたように、営業報告書は短期的にはコストです。営業担当者のスムーズな仕事の流れを阻害し兼ねません。
一方で、以下のようなことが実現する可能性が高くなります。
- 営業組織のウィークポイントが明確になる
- 案件に対して組織の叡智を結集して解決出来る
- 営業担当者個別の生産性改善が出来る
仮に、1日に1時間、報告書の記入や整理、データ集計に時間を費やしているとします。
しかし、この1時間は決して無駄な時間ではありません。
この時間によって、営業会議の時間が減ったり、案件の情報収集や対策にかける時間が圧縮できたり、過去事例や管理者からの的確なアドバイスを得ることができたり、営業活動全体の効率化が起きるのです。
もし仮に報告書に1時間かけても、営業会議のための資料制作のための時間が30分削れ、案件の情報収集や確認の時間が15分短くなりと積もり積もればかなりの時間の節約になります。
ゆえに、営業報告書は短期的には無駄に見えるかもしれませんが、長期的には営業活動の効率化やデータを基にした営業活動の実現に一役買うこととなります。
報告書を日々積み重ねることでより無駄のない営業組織が実現できるのです。
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営業報告書作成のポイント
これまで紹介してきたように、営業日報・営業報告書を作成することで、さまざまなメリットがあることがわかりました。
ただし、毎日の営業活動日報を書くだけでいいのか?というと、決してそうではありません。
ここでは、営業日報・営業報告書を書く際のポイントについて押さえておきましょう。
端的かつ読みやすい日報・報告書を心がける
営業報告書に限らず、テキスト(文章)で何かを伝える際は、前提として「読みやすさ・分かりやすさ」が重要です。
内容が素晴らしかったとしても、読む相手がいる以上、相手に伝わらなければ意味がありません。
- 結論ファーストで書く
- 一文が長くなりすぎないように書く
- 重要度・優先順位を意識して書く
上記のポイントを意識することで、相手が読みやすく、伝わる文章を書くようにしましょう。
ネクストアクションを含めた日報・報告書を作成する
営業報告書は、ただ1日の活動記録を書けばいいわけではありません。
1日の活動の中で、次にどう活かすか?どのような改善ができるのか?を含めて書くようにしましょう。
そうすることで、自分自身が次に何をすればいいのか?が明確になり、マネージャーとの情報共有もできるようになります。
営業報告書の属人化を防ぐ!営業管理Excelテンプレート
営業の案件や進捗管理に使えるエクセルテンプレートは下記です。
案件がどのチャネルで、どのフェーズで、契約確度や金額はどのくらいなのかを一元管理できます。
また、起こしたアクションをまとめるシートもあるため、適切にPDCAを回せます。
エクセルを用いた顧客管理が苦手なあなたへ。下記の営業管理テンプレートを使えば、エクセルが苦手な人でも案件管理ができます。
テンプレートを使うことで、営業報告書の属人化を防ぎ、組織の資産として活用していくことが可能となります。
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営業報告書を効率的に活用する方法
デメリットで上げたように、Excelでせっかく入力した過去データを紐づけられなかったり、具体的なデータ分析ができないままでは、時代遅れと言わざるを得ません。
ここからは、効率的な営業報告書作成方法をご紹介していきます。
関連記事:なぜ脱エクセルが必要なのか?Excel以外のツール活用のメリットを解説!
SFA(営業支援ツール)による営業日報/営業報告書管理
SFAツールによる報告書管理は部下が日々の業務のデータを蓄積しているデータベースから管理職が部下の業務内容を自由に閲覧することで行われます。
SFAに入力した情報は自動的にスケジュールや案件リストに反映されるので、報告書とは別にスケジュール帳に転記したり予算管理用の資料に反映させたりする必要がありません。
マネージャーへ報告する場面においても進捗状況や訪問件数などがグラフや表で自動的に生成してくれるため、報告の手間が楽になります。
マネージャー側の立場としてもグラフや表で部下の状況がひと目で把握できるため、進捗上問題のある部下に対してフォローアップが素早く行えるというメリットがあります。
SFA/CRMの「Mazrica Sales」では、データを記録しておけば自動的に作られるグラフで営業活動の実績の確認が可能です。例えば、Mazrica Salesにはアクション機能と呼ばれる機能があり、そこにどういったアクションをしたのか記録することができます。
アクション機能を確認することで自分の営業における行動パターンを自分で振り返ることができたり、マネージャーがアクションの記録を確認することができるので日報いらずです。
それだけでなく、AIが次に取るべきアクションを教えてくれたり、受注予測を行ってくれるので報告書プラスアルファの機能が充実しています。
受注予測機能の正確性は92%であり、導入すれば受注ができないと思われる案件に注力するエネルギーをより確実に取れる案件に注ぐことができます。
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SFAでは報告書にとどまらない多彩な機能があるので、SFAの導入で日報を効率化するだけでなく、営業業務全体をデジタルの力で改革してみるのもおすすめです。
関連記事:【Mazrica Sales活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法
まとめ|Mazrica Salesを活用した営業報告書の書き方
営業報告書に記載する項目は下記です。
- 営業目標
- 訪問先
- 訪問先との商談内容
- 特記事項(成果と所感)
営業報告書のポイントは下記です。
- 端的かつ読みやすい報告書を心がける
- ネクストアクションを含めた報告書を作成する
もし報告書の属人化を防ぎたい場合は、下記の営業管理のExcelテンプレートがおすすめです。組織の資産として活用していくことが可能となります。
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ただし、エクセルは他のツールと連携ができなかったり、他の人との共有がしづらかったりと効率的に営業活動をする上では、100点のツールとは言えません。
エクセルにデメリットを感じる場合は、SFAツールの利用がおすすめです。
その中でも「Mazrica Sales」は、各担当の進捗状況を直感的に共有できる案件ボードがあったり、OCR機能を使えば名刺や議事録のスキャン、自動文字起こしが可能。現場の入力負荷を削減したりできます。
また、営業のボトルネックを分析できるレポートやAIによるネクストアクションのレコメンドなど、データの蓄積から営業の分析・改善までをカバーしています。
下記のような企業の方におすすめのツールです。
- 案件管理、進捗管理を手軽に行いたい企業
- 営業の入力負荷を下げ、営業効率を上げたい企業
- データを溜めてそれを活用する文化を醸成したい企業
- SlackやGmailなど、様々なツールと連携して営業管理がしたい企業
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