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富士通のコンピューティング・グリッドミドルウェアを
〜コンピューティング・グリッド技術を業務に本格採用〜
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通貨オプションフロントシステムは、将来の特定期日に事前に定めた価格で通貨を売買する権利(通貨オプション)を取引する「通貨オプション取引」のためのシステムです。主に価格シミュレーションや取引約定管理を行っています。
金融デリバティブ取引の一つである「通貨オプション取引」を行うためには、金融工学を駆使した高度なシミュレーション処理を行う必要があり、同時に大量の取引を扱うために、優れたパフォーマンスを備えたインフラ構築が重要となります。
東京三菱銀行は、今後の通貨オプション取引の増加に加え、新銀行として金融デリバティブ商品のリスク管理手法の更なる高度化を計画しており、一時的なハードウェア性能の増強に止まらない対応を検討されていました。
当社の提案する「Systemwalker CyberGRIP」は、計算処理の分割、並行処理によって計算処理時間を短縮するだけでなく、将来のシステム変更に柔軟に対応することができます。これらの機能に加え、トータルのコストパフォーマンスの点が東京三菱銀行に高く評価されました。
本システムは、計算処理の分割と並行処理による計算処理時間の短縮と、将来の計算量増大にもサーバの追加により対応する柔軟な拡張性を実現しています。加えて、複数の利用者からの処理依頼を迅速かつ同時に処理するため、データを共有する仕組みやネットワーク経由の要求を高速で振り分ける制御などを実現しており、多数の利用者からのより多くの処理依頼を、より短い計算処理時間で行うことができます。これらにより、本システムでは、通貨オプション取引に必要なシミュレーションの計算処理時間を、従来の約20分の1(当社測定)まで短縮しています。
金融や保険業界などにおいて実施されているシミュレーションや大量データ計算処理に対し、当社は、「Systemwalker CyberGRIP」を中心として、当社のコンピューティング・グリッド技術の適用を提案してまいります。
当社が開発した「Systemwalker CyberGRIP」は、大量の処理を効率的に多数の計算資源に分散させることで、高性能、高精度を実現するコンピューティング・グリッド環境を提供するミドルウェアです。計算資源の状況を常時把握しながら最大限に有効活用し、個別の計算資源にトラブルが発生しても、グリッド環境全体としては安定して処理を実行する高い可用性を実現します。
第一の特長は、業界初の自律型ジョブ(注2)管理により、連携する大量のジョブをより簡単、柔軟に実行することです。従来、利用者が先行するジョブの実行結果をいちいち確認して行っていたパラメーター設定などを、事前に登録した指示情報に基づきシステムが自律的に行うため、利用者はより高度な作業に専念することができ、全体の作業効率を改善します。
第二の特長は、オンライン業務の際、利用者が分散処理のレスポンスを待たないよう、考慮していることです。一般的なグリッドコンピューティングでは、入出力パラメーターをファイルで受け渡しますが、数千、数万の大量ジョブを処理する場合、ファイルの生成、削除や個々のジョブ投入にかかるオーバーヘッド(注3)が問題になります。これらの問題を解決するため、ジョブの入出力パラメーターの受け渡しにファイルを介さないインターフェースを提供しています。これにより、ジョブ投入にかかるオーバーヘッドを抑えて、高速に分散処理することが可能です。
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
以上
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