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理化学研究所と富士通
『日本産業技術大賞・文部科学大臣賞』を共同受賞〜「理研スーパー・コンバインド・クラスタ」の先進的技術が高評価〜
1. 概要「理研スーパー・コンバインド・クラスタ」(2004年3月より稼動)は、世界で初めての、異なる3種類の計算機を統合した複合計算機システムです。中心には大規模なLinuxクラスタシステムを置き、単一プロセスで大量のメモリを必要とする計算のための共有メモリ型ベクトル計算機と、分子動力学計算を高速化する専用ボード(MD-GRAPE2)を搭載したLinuxクラスタシステムが高速ネットワークで接続されています。 理研は、利用者ニーズを分析し、(1)ゲノム検索や実験データ解析等の高まりつつある新たなニーズに適しているLinuxクラスタシステムと、(2)従来の利用者の持つプログラムや分割できない大規模プログラムに適している共有メモリ型ベクトル計算機と、(3)分子動力学計算専用であるが低消費電力で高性能なMD-GRAPE2を複合させることとし、富士通と共同で本システムを開発しました。 本システムは、全国に広がる理研の研究拠点からはもちろん、インターネット経由での利用も可能であり、利用者は複合した上記(1)〜(3)の計算機の存在を意識せずとも、最適に計算の実行が行われるシステムとなっています。 本システムの中心であるLinuxクラスタシステムは、日本初の大規模なLinuxクラスタシステム(2,048CPU、総演算性能12.5TFLOPS(注3))です。超高速インターコネクトInfiniBand(TM)(注4)を使用したシステムの開発で最も先行していた富士通は、株式会社富士通研究所と共同でLinuxクラスタシステム用ソフトウェアSCore(注5)に対応したInfiniBand通信アダプタを開発、システム性能を最大限に引き出し、導入直後の実効性能の測定で8.728TFLOPSを達成しました。この結果、2004年6月の世界のスーパーコンピュータ性能ランキングTop500(注6)では、地球シミュレータに次いで国内第2位、世界で第7位にランクされました(Linuxクラスタシステムとしては、国内第1位、世界第3位)。 2. 今後の展開理研は、本システムを活用し、遺伝子やタンパク質の構造・機能解析を進め、薬剤の開発等を目指すとともに、これまで行われていた流体計算や核物理、量子化学などのコンピュータシミュレーションや計算科学の分野でも、精度等が飛躍的に改善することを期待しています。また、本システムの運用を通じて複合大規模並列システムでの運用制御やソフトウェア開発の知見を蓄積し、次世代スーパーコンピュータシステムの検討を開始する予定です。 富士通は、本システムの技術を発展させ、Linuxクラスタシステムの普及や、利用者の研究開発を、より快適かつ最適な環境で支える次世代センターシステムの実現に向けチャレンジを続けていきます。また、現在、富士通は、2010年に実効性能でTFLOPSの1,000倍を意味するPFLOPS(ペタフロップス)の演算速度を達成するペタスケール・コンピューティングの実現に向け次世代の超高性能スーパーコンピュータシステムの開発に着手しています。今後も、理研をはじめ科学技術分野での先進的な取り組みに積極的に参画し、その成果を活かすことにより、既存技術の技術的な壁を乗り越え、超高性能スーパーコンピュータシステムの実現を目指します。 【商標について】記載されている製品名の固有名詞は、各社の商標または登録商標です。 以上 注釈
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