2025/令和7年
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インタビュー 【トップインタビュー】区画整理で移住促進=竹中誉・岐阜県池田町長 2024/12/17 08:30

竹中誉・岐阜県池田町長

 移住促進について、「一番大事なのは、移住者に今すでに住んでいる人たちが温かい目を向けて、手を差し伸べる用意があるかだ」と話すのは、岐阜県池田町の竹中誉町長(たけなか・ほまれ=54)。前町長が町の第三者委員会から女性職員らへのセクハラ行為を認定されて辞職したことを受け、6月に就任した竹中氏は、移住促進のために町の区画整理にも挑みたい考えだ。

 区画整理が必要と考えるのは、道が入り組んでいる旧市街では閉鎖性が助長され、それが移住者から忌避されるためだ。竹中氏は「もう少し開放的な区画にして、徐々に閉鎖的な気持ちを取り除くようなまちづくりをしていかないと駄目だ」と指摘し、「自分が町長を任せていただいている間にはできないと思うが、それを始めるきっかけをつくりたい」と語る。

 背景には、昔からの旧市街で空き家が増える一方で、田畑だった地域に新築の住家が建っている状況がある。竹中氏は田園風景こそが池田町の価値だとして、「町としてはどんどん価値が毀損(きそん)されている気がする」と懸念を示す。不動産業者が空き家のリノベーションなどでも利益を上げられる環境を整え、「田舎の抱える空き家問題にうまくくさびを打ちたい」と意気込む。

 まちづくりにおいては、行政は法整備やインフラ整備に注力すべきだとの考えで、「商売というのは本来民間のやられる聖域で、そこに行政は踏み入れない方が良い」と強調する。利用者が減少している町営の温泉施設「池田温泉」については、民間委託も選択肢の一つとして、早急に運営体制の見直しなどを検討するという。

 町長によるハラスメントの防止対策では、ハラスメント防止条例を12月議会で制定。町長や議員らによるハラスメント事案では第三者委員会を設置し、行為が認定されたときには公表することを定めた。一方、職員間のハラスメント防止について竹中氏は、職員が自分の仕事に使命感を持てるようにすることが他の職員の尊重にもつながるとして、「なぜその仕事をする必要があるのかを、きちっと口に出して説明していくことが必要だ」と話した。

 〔横顔〕社会人になってからはあまりできていないが、専門雑誌に載ったこともあるほどのガンプラ(人気アニメ「機動戦士ガンダム」のプラモデル)好き。「(ガンプラは)色塗りが全てだ」という。

 〔町の自慢〕桜の名所である霞間ケ渓(かまがたに)と大津谷。それぞれ山桜とソメイヨシノが咲き、「同じエリアで2種類の桜が楽しめるというのは他には少ない」とアピールする。

(了)

(2024年12月17日iJAMP配信)

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