東証1部と大証1部、東証2部と大証2部、2013年7月をめどに統合・ジャスダックとマザーズは併存
2012/10/30 06:45
東京証券取引所と大阪証券取引所は2012年10月29日、先に【東証と大証が統合で合意、2013年1月に持ち株会社「日本取引所グループ」を創設】で記した両社の経営統合に関する契約に基づき、2013年1月1日に合併、その後現物市場は2013年7月をめどに東京証券取引所に、デリバティブ(金融派生商品)市場は2013年度中(2014年3月末まで)をめどに大阪証券取引所に統合すると発表した(【発表リリース】)。
↑ 今件を伝える報道映像(公式)。【直接リンクはこちら】
↑ 各機能の統合後のグループ全体のイメージ
今回の発表によれば、来年初頭の合併後、現物市場は東証証券取引所に統合。区分を市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ(元々大証だが東証に移した上で、マザーズとは別市場として維持)、TOKYO PRO MARKETとし、市場の上場基準は東証の制度に統合。新興市場の上場基準は現在の制度を踏襲。上場廃止基準などは激変緩和措置として相応の経過期間を設ける。売買システムや相場報道システムなども東証のものに統合される。
合併後発足する持ち株会社名は「日本取引所グループ(Japan Exchange Group, Inc.)」。CEO(最高経営責任者)には現東証の斉藤惇社長が、COO(最高執行責任者)には現大証の米田道生社長が就任する。また、その「日本取引所グループ」の傘下に収まる(新しい)東京証券取引所の社長には現東証・岩熊博之専務が、(新しい)大阪証券取引所には現大証・藤倉基晴副社長が就任する。なお新しい大阪証券取引所はデリバティブ市場の統合時に「大阪取引所」に商号を変更予定。
両証券取引所に上場している企業の時価総額は【世界取引所連盟の月次レポート(Monthly Reports)】によれば、2012年9月末時点で
・東証……3兆3423億ドル
・大証……2100億ドル
・NYSEユーロネクスト……13兆7282億ドル
・ナスダックOMX……4兆8015億ドル
・ロンドン証券取引所……3兆4824億ドル
・大証……2100億ドル
・NYSEユーロネクスト……13兆7282億ドル
・ナスダックOMX……4兆8015億ドル
・ロンドン証券取引所……3兆4824億ドル
である。今回の合併で時価総額を単純合算するとロンドン証券取引所を抜いて世界第3位の取引規模となる(現在東証は第4位)。
↑ 証券取引所上場企業時価総額(2012年9月末時点、米ドル、億ドル)
東証は一時期独自上場を行う動きもあったが、業績の悪化や取引の低迷、システムの再構築などを理由として延期を繰り返していた(【東証自身の上場、再び延期・2010年以降に】)。結局単独上場は時勢的に難しいとのことから、2011年3月には大証との統合も模索されたが東日本大地震・震災などの影響もあり、2011年11月の発表にまでずれ込んだ(【東証と大証が統合で合意、2013年1月に持ち株会社「日本取引所グループ」を創設】)。そして今回ようやく、市場統合の具体的な内容が示されたことになる。
東証と大証は今後2012年11月20日に開催の臨時株主総会において、これらの統合用件に関する最終的な承認を得る予定である。
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