ノエル・ギャラガー「アルバムがタダで手に入るってんならやるしかねぇよな。でもOasisのは勘弁な」

以下の文章は、TorrentFreakの「Noel Gallagher of Oasis Speaks Out on Piracy」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Noel Gallagher of Oasis Speaks Out on Piracy
著者:enigmax
日付:August 22, 2008

アルバム5000万セールスを誇るOasisのNoel Gallagherは、英国Radio 1にて海賊行為について語った。彼は実際には起こっていないアルバムのリークについて主流メディアのジャーナリストから問われたことをからかい、彼らのライバルバンドの楽曲をダウンロードすることを推奨した。全体的には、彼は実利的、楽観的であるようで、彼のプールをミネラルウォーターで満たすことをの楽しみにしているのだとか。

Time Flies 1994-2009遅かれ早かれ、この種の記事はニュースではなくなっていくのだろう。実際、これまでにも非常に多くのアーティストがファイル共有をポジティブな、少なくとも実際的なものとして話をしている。来年には、我々はファイル共有に対して語ることのないアーティストについての記事を書くことになるかもしれない。それほどまでにP2Pに対する態度の転換が生じている。

Nine Inch Nails、50 CentJoss StoneDuffyTravisといったビッグネームたちも、最近、こうした状況をポジティブなものとして語っている。

しかし、ファイル共有を支持することがメインストリームとなり、我々がそうしたことを報じる必要がなくなるまでには時間がある。、5000万枚のアルバムを売り上げるバンドOasisのNoel Gallagherは、英国Radio 1にて、Zane Loweと(もちろん)ファイル共有を含む多くのことについて会話していた。

Oasisの次のアルバムについての話の中で、Gallagherは英全国紙のリポーターが彼に電話をしてきたときの話をした。リポーターはアルバムの楽曲がインターネット上にリークされているのだと説明したという。

「その全国紙の記者が俺の居場所を突き止めて、こう言ったんだ。『何かコメントはありますか?あなたの最新アルバムがインターネット上にリークされているんですよ!』ってさ。だから『ンなことできるわけねーだろ、アホらしい。』って言ってやったよ。だって、4,5人しかそのコピーを持ってねぇんだから。で、『じゃあ、インターネット上にあるとかいうそのソングリストを読んでみろ』って言ったらよ、そいつ、前のアルバムのトラックリストを読みあげやがったんだよ!もうこう言うしかねぇよ、『それがインターネット上にあるだと?ンなもんHMVにもあんだよ、"O"の棚でも探してみろ…アホか。』」

では、もし最新アルバムの楽曲が実際にインターネット上にリークされていたのだとしたら、彼はどう感じていたのだろうか?彼は怒るのだろうか?

「それがそこにあって、手に入れられるってんなら、まぁ、やるしかねぇよな。これに関しては、Lars Ulrich(訳注:Metallicaのドラマー。違法ファイル共有を嫌っている。Metallicaは初期のNapsterを訴えたことでも知られている。)みたいには絶対ならねぇだろうな。」

ただ、これまでダウンロードを楽しんできたというシンガー Duffyとは違って、Noel自身はそうしたことはしていないようだ。「記事読んでだいたいのことはわかるし、そもそもコンピュータを持ってねぇんだよ。そういうギアは持たない主義でね。」と、Radio 1のホストに語っている。

しかし、Noelは、他の人々がP2Pで音楽を共有することについてはどう思っているのだろうか?

「そういうツラのないCD(訳注:焼いたCDR?)をコレクションに加えても構わないって奴ならいいんだろうな。そもそもロックスターがてめぇのアルバムを買ってくれって要求するなんてかなりダセェよな。キッズなんてアルバム買うだけの金もないんだぜ?だから、もしタダで手に入るってんなら、やっちまえ!でも、Oasisのレコードはダメだからな、そいつは法律違反ってモンだ。」

さらに彼は、他の英バンドをちょっとだけ出し抜くための機会を見逃しはしない。彼はファイル共有ユーザに他のバンドに目を向けることを推奨している。「Kaiser Chiefsを思う存分痛めつけてやってくれよ。あとPigeon Detectivesもだな。でもOasisのだけは盗むなよ!」

最新アルバムDig Out Your Soulは、2008年10月6日にリリースされる。「もう400万ユーロしか残ってねーよ」と言っているように、彼はみんなにアルバムを購入してくれることを望んでいるようだ。さらに悪いことに、彼は「ウチのスイミングプールはエビアンでひたひたにしとかなきゃなんねー」のだとか。

Thanks to Skid

このNoel Gallagherが出演したラジオ番組は、BBC Radio 1 Zane LoweのページからiPlayerで聴くことができる(要RealPlayer)。2時間番組を海外からでも丸々全部聞けるってんだからすごいよねぇ…。

にしてもNoel Gallagherらしい対談だなぁ、これ。

ちなみに、Oasisとプレリリースリークは全く無縁の話ではなくて、アルバムを出すたびにこうした話題を目にするし、実際に新曲をリークされたこともある(今回のアルバムに収録される予定の曲のリミックス版?もリークされたとも言われているし、デモバージョンやレビュワーに送付したものがリークされたこともある)。

コメント

Re: ノエル・ギャラガー「アルバムがタダで手に入るってんならやるしかねぇよな。でもOasisのは勘弁な」

タイトルで吹きました。

Oasisはそれほど好きじゃないんですが、
あまりに「らしく」て楽しく読ませていただきました。

Re: ノエル・ギャラガー「アルバムがタダで手に入るってんならやるしかねぇよな。でもOasisのは勘弁な」

Beatdoctorさま

こんにちは、たびたびコメントいただきましてありがとうございます。

やっぱり「らしい」ですよね。傍若無人な俺様ジョークにはついつい吹いてしまいました。こういう頭の切れはさすがだなぁと思いますね。番組自体も、パブでくっちゃべっているような感じだったので、かなり乱暴に訳してみました。

はじめまして!

人気記事の見出しでオエイシスときいてすっとんで参りました。
翻訳、ご苦労さまです。
おもいっきり笑わせて戴きました。
相変わらずギャラガー兄弟は面白いですねえw
映画「LIVE FOREVER」で肉体労働の過酷さについて延々と方ってた姿を思い出しました。
そんな経歴が経歴だけに、インターネットは彼らにとっては脅威なんでしょうね。
プールにお水をたっぷりとはれるよう、
Dig Your Own SoulはCDで買ってあげようと想います。

lottaさま

コメントありがとうございます。

「Live Foever」は面白かったですね。ミドルクラスのDamonとワーキングクラスのGallagher兄弟という構図のはずが、Damonのほうが質素な感じだったのも、「らしいな」という感じでしたね。

Noelは結構前はテクノロジー嫌いなラッダイトという感じだったのですが、最近では結構変わってきたみたいですよ。テクノロジー嫌いは変わってないようですけど(笑)、それでも理解はしているみたいです。Radioheadのやり方に対しても一定の評価をしていましたしね。ただ、「Oasisがやるわけないだろ、そんなのらしくなさすぎだ」なんて言っているのも、「らしい」なぁとニヤニヤしてしまいます。

私も次のアルバムは買いますよー。毎度毎度買っては残念に思っちゃったりするのですが(笑)。その辺はMorning Gloryが傑作すぎたという感じなんでしょうね。絶対的にみれば良作は多いですし。あと、Ride、Heavy Stereoファンとしても買わずにはいられないですね。
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