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そろそろ年末年始。不要なパソコンを「自宅にいながら無料で」回収してくれる2つの方法を紹介
2023年12月8日 06:29
PCおよびモニターは、たとえ不要になったとしても不燃ゴミや粗大ゴミとしての廃棄はNGで、PCリサイクル法に基づいた回収および再資源化が必須だ。もっとも、誰もがそう頻繁に行なう作業ではない上に、自治体が案内しているケースも多くないことから、後回しにしたまま放ったらかしにしている人も多いはずだ。
今回は、年末年始を迎えるにあたり、こうした不要になったPCおよびモニターを、自宅にいながらにして無料で回収してもらえる2つの方法についてまとめてみた。いずれも2023年11月現在の情報をもとにしており、今後変更になる可能性があるので注意してほしい。
【方法その1】リネットジャパンを利用する
PCおよびモニターを無料で回収/処分してもらうための方法は、大きく分けて2つある。まず1つは「リネットジャパン」を用いることだ。同社は環境省・経済産業省から認定を受けた「小型家電リサイクル法」の認定事業者であり、全国さまざまな自治体と提携して家庭用PCを回収し、リサイクルを行なっている。
同社の特徴は、製造メーカーを問わず回収を行なってくれることだ。家庭用PCはその製造メーカーに回収および再資源化が法律で義務付けられているが、申し込み窓口は決して分かりやすいとは言えず、また自作PCやショップブランドPCでは、複数のメーカーの部品が混在していることもしばしばだ。
その点、このリネットジャパンは、製造メーカーを問わず回収してくれるので、製造メーカーを調べたり、また型番やシリアル番号を調べる必要もなく、手持ちの製品を梱包して送るだけで済む。ちなみに無料の条件は「PC本体を含む回収1回につき1箱の宅配回収料金が無料」とされている。
送られた品は、分解破砕を行なった後に、金属やプラスチックといった素材ごとに選別が行なわれるので、壊れていて動作しないPCでも問題ない。データの漏洩が心配な人向けに消去サービス(有償)も用意されているほか、心配であれば、ドライブは送らずに取り外してしまっても構わない。
手順は以下のスクリーンショットを参照いただきたいが、同社のホームページで、PCの有無とその台数、データ消去の要不要、PC以外の回収品目の詳細、梱包箱の個数などを入力したあと、回収希望日時や回収先情報を入力して申し込みを実行する。
あとは指定日に、佐川急便が集荷に来てくれる。伝票は持参してくれるのでユーザーが記入する必要はない。ユーザーが行なわなくてはいけないのは、不要なPCおよびモニターを集めて梱包するだけだ。身分証明書のコピーを用意する必要もない。
手順
気をつけたいのは、梱包サイズは「140cm以内」、重量は「20kg以下」という制限だ。同社はPCと合わせて、プリンタ、ゲーム機、デジカメ、オーディオ機器といった小型家電も引き取ってくれるが、欲張って詰め込みすぎると、この重量およびサイズの制限を軽々と突破してしまう。
また家電リサイクル法に基づく4品目、具体的にはTV/冷蔵庫/洗濯機/エアコンは、同梱の対象外となる。サイズや重量からしてこれらの発送が難しいのは一目瞭然だが、万一発送してしまった場合は、着払いで送り返されるので気をつけたい。
ちなみにこのリネットジャパン、筆者が過去に何度か試した限り、到着を知らせるメールが届く場合と届かない場合とがある。マイページや佐川急便の追跡サービスを見るときちんと到着しており、返送された事例もないが、メールはあまり信頼できないので、進捗については同社サイトのマイページ上で確認することをおすすめする。
【方法その2】パソコン3R推進協会経由でのメーカーの直接回収
PCやモニターの無料回収のもう1つの選択肢として、大手PCメーカーの多くが加盟している「一般社団法人パソコン3R推進協会」を通じて回収してもらう方法がある。
正確には、同協会が自ら回収する場合と、メーカーごとの回収窓口を案内する場合の2通りがあり、メーカー名を指定することで、適したフォームへと案内される。前者は同協会の共通フォームからの申し込み、後者はメーカー各社が用意する個別のフォームでの申し込みとなる。
利用条件は、回収対象の品の製造元であるPCメーカーが同協会に加盟していること、また回収対象の品にPCリサイクルマークのシールが貼られていることで、PCリサイクルシールがない場合はもちろん、購入後にシールを剥がしてしまっている場合も有料となる。また併せて回収してもらえるのは同梱の電源アダプタなどに限定され、その他は同梱できない。
つまり条件的には前述のリネットジャパンよりシビアなのだが、佐川急便の集荷に限定されるリネットジャパンと異なり、郵便局への持ち込みで発送できるのは、特に地方などでは利点となりうる。またメーカーサイトでの申し込みでは、下取りの可否といった情報をまとめてチェックできるメリットもある。ケースバイケースで使い分けるとよいだろう。
以下のスクリーンショットは、筆者が2023年春に、NECのノートPCを回収してもらった場合のフローだ。NECは同協会による直接回収ではなく、NEC自社での回収となるが、フロー自体はほぼ共通で、分かりにくい点もない。なおメーカーによっては製品のシリアル番号の入力を求められ、そこで回収の可否が判定される場合もあるが、NECの場合は型番の入力だけで済む。
手順
利用のコツとしては、申し込みから伝票が郵送で届くまで数日かかるので、梱包は後回しにし、先に申し込みを済ませること。特にPCリサイクルマークのない製品の回収では、費用の振込が確認されてからの伝票発送となるので、そうした意味でも申し込みは早めに行なったほうがいい。早まって先に梱包してしまい、申込みにシリアル番号を要求されて泣く泣くバラさざるを得なくなるといった悲劇も回避できる。
またあまり知られていないが、同協会では、倒産したメーカー、事業撤退したメーカーのPC、自作PCの回収も受け付けている。困った時にこうした窓口が用意されているのは、非常に利便性が高い。ただしこちらの場合はPCリサイクルマークがあっても有償となるので、コスト面だけ考えると前述のリネットジャパンのほうが有利だ。
このほか、一般社団法人パソコン3R推進協会に加盟していないメーカーについても、宅配便を用いた自社回収を行なっている場合があるので、「メーカー名 回収」などのキーワードで検索することをおすすめする。申込みのフローや、PCリサイクルマークの有無によって無料か否かが変わる点などは、基本的にどこも同じと考えてよい。
以上、2つの方法についてそれぞれの手順を紹介したが、自宅にいながらにして無料で回収してもらえるのは、ユーザーにとって非常に利便性が高い。しかもどちらの方法も、伝票を手書きする必要すらない。年末年始の大掃除の時期や、進学や就職、転勤などで新生活をスタートさせる春など、これらのサービスを積極的に活用してみてほしい。