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「RADEON X800は去年の世代の製品」
~NVIDIAがRADEON X800に異論

GeForce 6800 Ultraのリファレンスカード

5月25日 発表



 NVIDIAは25日、報道関係者向けに電話会議を開催。この中で同社アジア・パシフィック担当テクニカルマーケティングマネージャのOng Tze Lin氏は、GeForce 6から3週間後に発表されたATIのRADEON X800に対する同社の見解を示した。

●RADEON X800 XTは死に物狂いの製品

 Lin氏はまず、RADEON X800 XTを「An Act of Desperation! (死に物狂いの製品)」と揶揄。その理由として、(1)R300シリーズと同じShader Model 2.0に基づいた去年の世代のアーキテクチャとソフトウェアを採用している、(2)Shader Model 3.0に対応したかったがうまく実装できなかった、(3)X800 XT Platinum Editionのクロック周波数に誤解を招く点がある、(4)ドライバに不正疑惑がある、という4点を挙げた。

RADEON X800リファレンスカード

 (1)については公然の事実だが、(2)について、ATIの社長兼COOであるDave Orton氏の「Shader Model 3.0の実装は、ダイサイズが大きくなりすぎるため製造できるか判断できなかった」というインタビューコメントを引用。

 また、ATIディレクターのRichard Huddy氏の「Shader Model 3.0はよりリアルな画質をもたらすもので、今後12カ月以内に各社から対応ゲームが出るだろう」というコメントも引用し、ATIが技術的な問題からRADEON X800でのShader Model 3.0実装をしたかったが、断念したのだとした。

 Shader Model 3.0は、32bit演算精度、条件ループ/分岐、ジオメトリのインスタンス化、ダイナミックフロー制御などを盛り込んだ最新のシェーダー規格で、現時点ではGeForce 6シリーズのみが対応している。

 Lin氏によれば、Shader Model 3.0は基本的には、よりリアルな画質や表現を可能とする技術で、同規格への対応は直接性能向上に結びつくものではないが、Shader Model 2.0より長いシェーダープログラムが記述可能なことから、効率的な処理が可能となり、性能向上にもつながるという。同規格には、「FarCry」、「S.T.A.L.K.E.R.」などを始めとする複数のゲームが対応を表明している。

 (3)についてLin氏は、ATIが各メディアに渡した評価ボードのコア/メモリクロックが、ボードによってまちまちだったと言及。ある媒体に渡されたものは500/550MHzだったが、別の媒体に渡されたものは520/600MHzだったといい、一部の媒体にはオーバークロックされたカードが渡されていたことを指摘した。

 (4)については、RADEON X800の異方性フィルタリングの挙動に不審な点があるという。具体的には、異方性フィルタリングの性能(画質)が、OpenGLのアプリケーションでは問題ないが、Direct3Dでは極端に下がるという。

 このことから、これはハードウェアの問題ではなく、またATIはRADEON 9800 XTでも異方性フィルタリングに細工を行なった経緯があることから、ドライバで不正行為を行なっているのではとの疑惑を示した。このような不正行為によりベンチマークパフォーマンスは約3割向上するという。

●GeForce 6ラインナップにGTを追加、電源要求仕様も更新

 またLin氏は、GeForce 6のラインナップや、必要な電源容量についての更新情報を公開した。

 GeForce 6の発表当時は、GeForce 6800(以下、無印)と同Ultra(以下、Ultra)の2モデルが発表されたが、これらの中間に位置するモデルとしてGeForce 6800 GT(以下、GT)をリリースすることを正式に公表した。GTはUltraの低クロック版で、パイプライン数などはUltraと同じスペック。

 カードは冷却機構も含め1スロット式。価格は、Ultraの499ドル前後、無印の299ドルに対し、399ドル程度になる見込み。具体的なクロックは近日中に公開されるという。

 電源ユニットの必要容量は、当初GeForce 6800 Ultraの場合で、480Wクラスが推奨とされていたが、最小容量は350Wであることが追加情報として公表された。GTおよび無印の最小容量は300Wという。

 ただし、これは最小容量で、電源負荷の大きな環境やオーバークロック時などはやはり500W近い電源が必要になるという。

□NVIDIAのホームページ(英文)
(5月25日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.nvidia.com/
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(2004年5月25日)

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