鏡の迷宮

鏡の迷宮 (集英社文庫(海外))

E.O.キロヴィッツ/著 越前敏弥/訳 集英社文庫

 

出版エージェントに送られた未発表原稿をきっかけに
20年以上前の未解決殺人事件が掘り起こされる。
4人の語り手を通して事件の真相をつかもうとするが
当時のことを証言する誰かしらが嘘をついているため
話がわかりづらくなっている。
一応真相はつくけれど、すっきり解決されない部分が残る。

などらきの首

などらきの首 (1) (角川ホラー文庫)

澤村伊智/著 角川ホラー文庫

 

<収録作品>

『ゴカイノカイ』『学校は死の匂い』『居酒屋脳髄談議』
『悲鳴』『ファインダーの向こうに』『などらきの首』

 

比嘉姉妹シリーズ短編集1作目。
真琴と野崎との初出会い話、
野崎初の事件、美春小学生の頃の話など
登場人物たちの過去話が多め。
もちろん、りーたんも!

邪悪なる大蛇

邪悪なる大蛇

ピエール・ルメートル/著 橘明美、荷見明子/訳 文藝春秋

 

ルメートルの処女作にして最後のミステリ。
1980年代が舞台で、63歳の殺し屋であるマティルドが
認知症が原因で過激な殺人を繰り返す。
63歳にしてはおばあさんすぎな描写だなと思ったが
現代だったら83歳くらいというイメージで読めばいい感じ。
最悪なマティルドの行動を止めるのが
まさかの人物だったが流れ的に納得。

サイレンズ・イン・ザ・ストリート

サイレンズ・イン・ザ・ストリート (ハヤカワ・ミステリ文庫 ショーン・ダフィ)

エイドリアン・マッキンティ/著 武藤陽生/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

 

ショーン・ダフィ刑事シリーズ2作目。
今作はノワールというよりはハードボイルド度が高め。
作中でフォークランド紛争が起こる。
IRAとの内戦はその分前作より抑えめか。
工場で発見された首なし死体がアメリカ人ということと
その後の話の展開からFBIまで敵にまわしてしまうことに。
前作から懲りて個人プレーをすることを辞めることはいっさいないことが
本作で決定づけられるのであった。

いまこそガーシュウィン

いまこそガーシュウィン

中山七里/著 宝島社

 

岬洋介シリーズ8作目。
ショパンコンクールで知り合った
アメリカ人エドワードと岬洋介が共演することに。
アメリカのBLM問題と新アメリカ大統領暗殺計画が並行する。
テーマは重苦しいので、もはや岬洋介無双を楽しむしかない。
次はロシアが舞台らしい。

怪談小説という名の小説怪談

怪談小説という名の小説怪談

澤村伊智/著 新潮社

 

<収録作品>
『高速怪談』『笛を吹く家』『苦々陀の仮面』
『こうとげい』『うらみせんせい』『涸れ井戸の声』
『怪談怪談』

 

ホラー短編集。
ただの怖い話ではなく著者独特の叙述トリックありの
ホラーものが多めで油断していると恐怖のどんでん返しが起こるのがよい。

コールド・コールド・グラウンド

コールド・コールド・グラウンド (ハヤカワ・ミステリ文庫 ショーン・ダフィ)

エイドリアン・マッキンティ/著 武藤陽生/訳 ハヤカワ・ミステリ文庫

 

ショーン・ダフィ刑事シリーズ1作目。
1981年でダフィーが巡査部長時代で少し若い。
北アイルランド紛争が激しく毎日のように
暴動やストなど発生している背景で連続殺人が起こる。
ダフィが単独でたどり着いた事件の真相と結末がノワール度が高い。