2024年7月、伝説のホビー「ハイパーヨーヨー」が復活!!!!
過去、何度かあったヨーヨーブームには全く触れてこなかった私ですが、今回は発売日に購入!!
まんまとハマってしまいました。
そしてあることに気付いたのです。
「ヨーヨーについて詳しくなった今、遊戯王のヨーヨー回を読むと新たな発見があるのでは!?」
※遊戯王のヨーヨー回とは?
ヨーヨー不良が暴れ回る話。
※ヨーヨー不良とは?
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社ヨーヨーを武器にする不良のこと。
※なぜヨーヨーを武器に?
わかりません。
ということで1997年ブーム当時のハイパーヨーヨーと書籍をいくつか用意しました!
これらを触りつつ遊戯王のヨーヨー回をいま一度、読み直してみたいと思います!!
マンガのコマの引用ってちょっと緊張するけど、この記事は引用の用件を満たせてると思うからガンガン引用してくぜっ!!
そしてみんなも遊戯王とハイパーヨーヨーを買おう!!!
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
まずヨーヨー回のタイトルが『城之内!!魂のバトル!!』だったんだ!!という驚きがありますが、そこは今回の主題ではないのでここまでにしておきましょう。
ちなみにこの扉絵のイラストは後にバンダイ版遊戯王カードのイラストになっています。
というか今、初めて気が付きました!ここのポーズだったんだ……!!
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
城之内君が持っているヨーヨーはスーパーヨーヨーの「YOVEGA FIREBOY」
これは間違いなくハイパーヨーヨーの「YOMEGA FIREBALL」をモチーフにしているとみていいでしょう!
さらに下には「BONSAI 1997 MADE IN USA」とあるので、遊戯王世界ではバンダイではなくボンサイという企業がスーパーヨーヨーの輸入・販売を行っていることがわかります。
ちなみにファイヤーボールの発売は97年の7月、この回の載っているジャンプは97年の9月発売なので高橋先生、ハイパーヨーヨーブームの中かなりオンタイムでこの話を描いていたこともわかりました。
あ……、ってことは『超速スピナー』の連載開始前!?ひょっとしてまだ本格的なハイパーヨーヨーブームの波が来る前に出た話だったのか……!?
出典:『ハイパーヨーヨーコレクション』小学館
じゃあハイパーヨーヨーのラインナップはこの時点では実質この6機種しかなかった、ってことか……。
いま見ると少なっ……!!ファイヤーボールが最新機種だった時代って今ではちょっと想像もつかないなー。
このファイヤーボールは性能が良く、人気もあり、比較的安かったので城之内くんにピッタリなチョイスですね。
次は街で暴れているヨーヨー不良の使っている機種も見ていきましょう。
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
大きく目立つのが
・ファイヤーボール
・ハイパープロ
そして少し見えにくいですが
・ハイパーインペリアル
・ハイパーパピヨン
っぽいヨーヨーが確認できます。
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
ヨーヨー不良たちは「ループ・ザ・ループ」および「ラッソー」というヨーヨーを派手に回転させる技(ループ系トリック)で相手を威嚇するのが基本的な戦法なので、それらのトリックがやり易い「ハイパープロ」の使用率が高いのはかなり納得がいきます。
出典:『ハイパーヨーヨーコレクション』小学館
もしかしたら普通にドクロが不良っぽいから選ばれた可能性もあります。
意外とループもしやすい
ループは苦手 出典:『ハイパーヨーヨーコレクション』小学館
そして「ハイパーインペリアル」と「ハイパーパピヨン」の2機種はメンテナンス不要で低価格、かつ入手も容易、そして構造がシンプルで頑丈だったため、人にぶつけて使うことが主目的だったヨーヨー不良にとっては気軽に使いやすい機種だったのではないでしょうか。
また、ここで注目したいのが不良が使っているファイヤーボールです。
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
城之内くんが持っている「YOVEGA FIREBOY」とは違い「YONEGA FIREBOM」と書いてあるんです。
これはひょっとして、不良たちは当時相当量出回っていたとされる「偽物のハイパーヨーヨー」を使っているという描写ではないのか!!???
当時の書籍で偽物の見分け方が特集されるほど深刻な問題だった 出典:『ハイパーヨーヨーメンテナンス』小学館
確かに不良グループなら正規品のハイパーヨーヨーではなく偽物を買いそうだし、なんならその流通に関わっていてもおかしくはない……。
単なるお遊びの可能性も高いですが、そんなところまで考えて描いているのだとしたら高橋先生……すごすぎるぜ!!
そして物語終盤、満を持して登場する闇遊戯の使うヨーヨー「RIDE」
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
これは特徴的な模様からしても間違いなくハイパーレイダーが元ネタ。「RAIDERをライダーと読んでしまう」という読み間違いからさらにモジったのでしょうか?
城之内くんの使っていたファイヤーボールが2000円で買えるところにあらわれた、5000円もする超高級&高性能ヨーヨー。主人公が使うのにこれほど適した機種もありません。
しかし気になるのが、この「HYPER RAIDER」をモデルにしているのであれば「SUPER RIDE」(マンガ内ではスーパーヨーヨーなので)と描かれているはずですが、それがただの「RIDE」となっていること。なぜなのか……。
それはハイパーレイダーの発売日にヒントが隠されています。
そう、ハイパーレイダーの発売日はこの話が描かれた半年も後、1998年4月のことなのです!!
ではなぜ、まだ発売されてもいないヨーヨーをマンガに登場させることができたのか……というと、
そもそもハイパーヨーヨーはバンダイがアメリカで作られたヨーヨーを日本向けにパッケージし直して販売しているもの(OEM商品)なので、日本で未発売でもアメリカでは既に販売されていたのです。
つまり、闇遊戯が使っているこのヨーヨーは、本国アメリカ版「レイダー」なのです!!!!!
輸入版:YOMEGA RAIDER
ちなみに遊戯の実家はオモチャ屋なので、祖父・双六のツテかなにかで入手することが出来ても不思議ではありません。
ファイヤーボールが最新機種の当時、これを持っていたらクラスでは相当ヒーローなハズですがそれをひけらかさないところに遊戯の性格も感じられますね……。
ここまででも高橋和希先生のヨーヨーへの造詣の深さが伝わってきますが、今回読み直して最も衝撃を受けたのがこのシーン。
出典:高橋和希『遊☆戯☆王 6』集英社
闇遊戯が不良たちとは格の違う圧倒的なスピードのループ・ザ・ループを見せつけ圧倒する場面です。
ヨーヨーをやる以前には「ふーん、なんかすごいことやってるんだな~」程度にしか読めなかったシーンですが、よく見ると闇遊戯はヨーヨーで実際にできるコンボを決めていることがわかるんです!!!
注目すべきは闇遊戯の左手!!
①シャーク投げ
ヨーヨーを直接左手に引っ掛けて投げることで、より強く回転を掛ける技
これやってるよね~~~~~~~~!!!!!!
この技ではなく、普通にヨーヨーを投げてから人差し指に引っ掛けた、という可能性も無くはないですがギュルルルという効果音、派手なエフェクトから通常時より明らかに強い回転が掛かっていそうなので、この技からスタートしていると考えるのが自然でしょう。
そして、
②タイダル・ウェーブ
ヨーヨーをキャッチせず、そのまま前方に投げる技
からの、
③ループ・ザ・ループ
ヨーヨーを連続で前方に投げる技
と、これらの組み合わせた3つの技をわかりやすく1コマに収めているのが本当にすごい!!と思うのです。
なにより「ふーん、なんかすごいことやってるんだな~」から「これやってるってこと?!」と気付いた瞬間が本当に気持ちいい。ああ……ヨーヨーがわかるのってすごく自分がうれしいな。
写真を合成してみると・・・・・・こう!!!!
なかなかの再現度じゃないですか!!!???
出典:『ハイパーヨーヨーメンテナンス』小学館
ちなみに「タイダル・ウェーブ」は別名「スキン・ザ・キャット」として書籍内で「ブレインツイスター」や「おもしろロングスリーパー」からのコンボ技として取り上げられていますが、
なにが面白いのかは不明だ 出典:『ハイパーヨーヨーメンテナンス』小学館
「シャーク投げ」は手元の本には載っておらず、また、技名が広まったのも1998年の「タイガーシャーク」というヨーヨーの発売に由来するようなので、それ以前にこの技を知っていた高橋先生ってけっこうヨーヨーで遊んでたんだなぁ~ということが窺えるのではないでしょうか(というかハイパーヨーヨー以前のコカ・コーラヨーヨー世代だったのかも!?)
なにより、不良たちが単発技で襲いかかってくる中、初歩的なものとはいえ闇遊戯を作中で唯一コンボを組み立てられる人物として描写することで彼のヨーヨーの巧さに説得力を持たせている点が流石としか言いようがありませんね……。
改めて読んでも遊戯王、おもしろすぎるぜ……!!!!!!!
というわけで今回は遊戯王のヨーヨー回を機種・トリックに注目して読んでみました!!
みなさんも昔読んだマンガを改めて読んでみると新たな発見があるかも知れませんね。
それでは、
スペシャルループ・イン・ザ・スカイ!!!!!