みくのしん、山口むつお、ダ・ヴィンチ・恐山

今回はマンガ好きのオモコロライターが「連載中の集英社おすすめマンガ作品」をご紹介します!

連載中のマンガをおすすめするということは物語の盛り上がりをリアルタイムで追いかけられるということ! 1巻から最新刊までたっぷり楽しめる長編マンガもあれば、今からでもすぐに追いつける最新作もあるので、あなたの夏にぴったりの作品を探してみてくださいね!

 

ダ・ヴィンチ・恐山のおすすめ『ジャンケットバンク』

まず私がおすすめしたいのは、週刊ヤングジャンプで連載中の『ジャンケットバンク』です

名前は聞いたことあるかも! たしかギャンブルマンガですよね

作品のジャンルはそうですけど、舞台が少し特殊でして……

 

『ジャンケットバンク』(田中一行/週刊ヤングジャンプ)

カラス銀行中央支店、どこにでもある平凡な銀行。そこに勤務する新人銀行員・御手洗暉(ミタライアキラ)はある日特別業務部という聞き覚えのない部署の上司・宇佐美銭丸(ウサミゼニマル)に連れられ、銀行の地下へ足を踏み入れる。そこには銀行が経営する“賭場”があった。謎のギャンブラー・真経津晨(マフツシン)の戦いに目を奪われた御手洗は血沸く闘いが忘れられず…!? 銀行員×ギャンブラー 新時代のギャンブルバトル開幕!!(ヤンジャン!より引用)

「銀行ってめちゃくちゃ金あるからカジノ作れちゃうよね」ということで、銀行の地下に作られたカジノでのギャンブラー同士の戦いが描かれる作品です

銀行がカジノを!?

すでにお金持ってる銀行なら、そんな危ない橋を渡ってまで稼がなくてもいいのでは?

でもカジノ作れるなら作ってみたいでしょ

 

ここで戦うギャンブラー達にはマンガ家でいう担当編集者のような形で担当銀行員が付くシステムがあり、担当するギャンブラーが勝てば銀行員も出世するようになっています

どういう世界なんだ……!?

私も説明していて不思議な気持ちになりました

 

ちなみにそのカジノって1000円ぐらいじゃ参加させてもらえないやつですか?

億レベルの戦いだから到底無理ですね。そもそも金以外のものを賭けたりするようになるので……

金以外のものも賭けるんだ……。ランチとか?

1000円の規模から離れなよ

言ってしまえば「命」を賭けます

命かよ……。ランチでいいだろ……

銀行の地下でランチ賭ける人たちをマンガにしてどうすんだよ

 

設定は分かったんですけど、実際ギャンブラーたちはどんなゲームで戦うんですか?

おっ! やっぱりそこが気になりますよね!

いやあ、だってそこがギャンブルマンガの肝じゃないですか。作品の中に出てくるゲームの中身だけでも紹介してくださいよ

ゲームの中身ね……うんうん……

 

私もよく分かってません

そんなことあるかよ

いろんなオリジナルのゲームが登場して、それぞれにちゃんとしたルールがあります。でも正直に言うとその戦略性は私の頭では理解できていません。むしろ「ゲームは理解しなくてもいい」と考えることがジャンケットバンクを楽しむコツだと思っています

そうだとして、恐山は何を楽しんでるの?

そうですね。あくまで個人的な意見でいうと……

 

プライドが高くて性格が破綻した男たちが交互に悪口を言う様子を楽しんでいます

そんな感じでいいの!?

でも、これこそがジャンケットバンクの醍醐味なんですよ!

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

神を自称する男「崇高な神の意志の前では、人の子の力など及ばぬが道理」とかスゴいことを言ったら、対する医者もドヤ顔で「私の診断が誤りである可能性は、この間抜けが本物の神である可能性と同等に低い」返す。そんな舌戦を繰り返す様子を「うひょ〜!かっけ〜!」と思いながら読んでます

バチバチだな〜!! たしかに、これはアツい戦いが始まりそうだわ!

あ、このシーンはタッグ戦なので、こいつらは味方同士です

味方同士でこんな煽り合ってんの???

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

 

もうね、出てくる奴ら、全員頭がおかしいんです

ああ本当だ。みんなダメな目をしている

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

こいつとか絶対やばいだろ!

こいつは逆にそこまでやばくないですね

嘘でしょ!?

 

目こんなになっちゃってるのに?

目こんなになっちゃってるのに、です

でも、恐山さんが言ってた意味も分かるかも。もうすでにジャンケットバンクの人たちがどんな悪口を言い合ってるのか見たくなってるもん

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

このように4人いれば4人が全員互いに悪口を言い合いますし……

セリフがいちいちカッコいいな

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

例えばこいつは小学校の教師だから、相手のミスを突くときに「まずは減点1」と言ったりね

なんだか能力者バトルみたいだ

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

この教師がゲームの途中で逆襲された時に「ここからは教育強度を上げる」と言って、知らない強度を上げていったのがめちゃくちゃ面白かったです

職員室でも先生たち言ってたのかな。「みくのしん君には教育強度が足りませんね」とか

俺の父親が小学校の先生だったから聞いてみるかぁ。「お父さん、教育強度ってあるの?」って

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

御手洗(みたらい)っていう男は銀行員で元々まとも寄りの人だったんですけど、主人公の真経津 晨(まふつ しん)の才能に惚れすぎておかしくなっちゃいました

才能に惚れた結果がこれ?

黒目がダイヤになってるぞ!

いつもは普通の黒目なんですけど、キレたらこうなりました

キレても人はこうならないって!

 

そんなわけで読者一同は登場人物が発する悪口に夢中になっていて、ゲームは深く理解せずに楽しめている人がほとんどだと思います

理解できないのに本当に楽しめるの?

カードを出してニヤリとしたら「ああ、今こっちが有利なんだなあ」くらいは分かるので、それでも十分楽しいですよ

親戚の子がやってる知らないゲームを覗くときと同じでいいんだ

そもそもギャンブラーの大半が相手のカードを直感で当てられる超人でそれ前提の読み合いになるため、一般人には意味不明なときもあります。

作中で戦いを観戦してる人は意味分かってるのかな?

ただ、対決の最後には毎回こんな私でも分かるような「示されたルールの範囲内でそんなインチキが可能だったのか!」と思える大仕掛けがあるんです! それはかなり爽快ですね

なるほど! 小難しく考えなくても分かる面白さがあるのか

僕も絶対にルール理解できないタイプだけど、その感じで楽しめるなら助かるなあ

 


『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

主人公の真経津は勝つたびに相手のプライドをボキボキに折りほぐしてくれるので、それも見ていて気持ちいいです

「折りほぐす」って何だよ

 

そして勝負が終わると、みんなで真経津の家に集まって宅飲みをします

なんでだよ

さっきまでボロクソに罵り合っていた相手がフランクになって「おいおい!なんでだよ!」とじゃれあうようになるんです。それも見どころの一つですね

勝負を経て仲間が増えていくんですね。いいマンガだ!

普通に死ぬときもある

死ぬときもあんのかい

 

 

山口のおすすめ『テラフォーマーズ』

俺のおすすめは週刊ヤングジャンプで連載されている『テラフォーマーズ』です!

 

『テラフォーマーズ』(貴家悠・橘賢一/週刊ヤングジャンプ)

「全く見た事のないものと出会う時、人間は人間ではいられない。」 西暦2599年──。火星のテラフォーミングが進行し、その地表は一面の苔とある生物で覆われていた。そして、選ばれし15人の若者達は重要任務の遂行を期待され、有人宇宙船『バグズ2号』に搭乗し、火星へと向かう。かの地で彼らを待つ、想定外の進化を遂げた生物の正体とは…!?(ヤンジャン!より引用)

映画化もされた有名作品ですよね。たしか10年前くらいから名前は聞いてた気がする

これ、みんなにも読んでほしいんだよな〜! 実は長期の休載を経て今年4月に連載再開したんですよ!

そうなんだ! じゃあ、今めっちゃアツいんじゃないですか?

そらそうよ!

 

あらすじをざっくり言うと、火星を人が住める環境にするために「表面温度を上げる黒い物」「過酷な環境に耐えられる生物」としてゴキブリを送り込むんです。でも、それがめちゃくちゃ強いゴキブリ人間に進化して人類の脅威になってしまったから、そいつらと戦う話です

そこまではなんとなく聞いたことありますね

もっと細かいストーリーもあるけど、そこは一旦理解しなくても大丈夫!

おすすめ座談会なのにそんなんばっかりで大丈夫?

もちろんストーリーも楽しいよ? でも、難しく考えなくても十分楽しいということを伝えたいんです!

 

『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

まず、ゴキブリが進化してるとも知らずに火星に行った「バグス1号」の乗組員は、棍棒を持ったゴキブリ人間たちに全滅させられるのよ

棍棒!?

そう。火星に着いた瞬間いきなり棍棒で……

 

 

バーン!!!

 

 

バーン!!!

 

です

こわ……

 


『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

そのあと乗組員がたまたま持ってた剣でゴキブリ人間の頭を切り落とし、なんとか地球に送り届けて次の世代に遺志をつなぎます

「たまたま持ってた剣」って何?

絶対にしっかり準備したうえで持ってるはずだろ

それを受けて地球人がゴキブリ人間に勝つための対策を打つんですけど……

 

いろんな虫の細胞を人間の体に組み込んで、その虫の能力を使えるようにするの

へー! 虫に対抗するために虫と合体するんだ!

この合体が一番面白い! だから俺は常に「次の人はどんな虫と合体してるのかな〜♪」と思いながらページをめくってる

昆虫図鑑だと思ってます?

ちなみにどんな虫と合体するんですか?

 


『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

スズメバチとかカマキリとかサバクトビバッタとかミイデラゴミムシとか。メジャーな虫もマイナーな虫もたくさん出てくるよ

なるほど、毒針を使ったり脚力を活かしたりするってことか! 虫ごとにいろんな能力があって面白そう!

そこに人間としての肉体の強さと虫の強さが掛け算になるからね。例えば、空手経験者なんかは、スズメバチと合体してめちゃくちゃ強くなったりします

 

それでもゴキブリ人間にはなかなか勝てないから、そのうち虫だけでなく動物と合体するようになったりしてね。これもまたすごく面白い!

生き物能力バトルか……! めっちゃ読みたくなってきた……!

山口さんのお気に入りキャラとかいるんですか?

 


『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

俺のお気に入りはロシアのシルヴェスター・アシモフ! 合体してる生物は「タスマニアン・キングクラブ」っていうめちゃくちゃ大きいカニです

カニか〜! 一体どんな能力になるんだろ?

能力は「めちゃくちゃ強い」です

能力の説明が「強い」なんてことありますか?

 


『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

とにかくパワーも防御力もすごくて、再生能力も高いのよ!

あ! カニだからハサミで敵を挟んだりも!?

そういうことはあんまりしない

しないんだ

 

マーズランキングっていう火星上で強いとされる地球人のランキングがあったりして、それも面白いんよな〜!

強さランキングって分かりやすい面白さがありますもんね。その1位ってどれくらい強いんだろ……って気になっちゃう

1位はやっぱりゾウ人間とかじゃないですか?

ゾウはおらん。1位は……ただの人です

え!? 合体してないただの人!?

 


『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社

そう。とにかく健康で容姿が良くて頭がいい奴同士だけで代々結婚してる家系の子孫です

ただ、俺が嫉妬しちゃうだけの人間じゃねえか

でも、こいつが最強なんですよ。「人類の到達点」って言われてるんだから

そいつはどう戦うんですか?

剣!?

ただの人が、剣で最強なの!?

こいつも後に生物と合体することになるんだけど、それは読んでのお楽しみということで……

読みてえ〜!!

 

あ、この記事が出る頃には23巻まで出てるんですね。だいぶ続いてるなぁ

いやいや、読み始めたらあっという間よ! 虫の名前が出てくるたびに「爆弾アリだ!」とか「こんな虫もいるんだ〜!」とかテンションあがってると、いつのまにかドンドン読んじゃってるから

やっぱり昆虫図鑑だと思ってます?

私は生き物好きだから、まんまと気になってきましたね

 

みくのしんのおすすめ『MAD』

僕のおすすめは、少年ジャンプ+で連載されている『MAD』です!

 

MAD

『MAD』(大鳥雄介/少年ジャンプ+)

謎の生物エイリアンの襲来で、人類のほとんどが滅んだ惑星。青年ジョンと妹は、僅かな生き残りと共に新天地を求めて移動する日々。そんな中、突如エイリアンの攻撃を受けてしまい…。 (少年ジャンプ+より引用)

え!? いや、俺はこのマンガ知ってるけどさ……?

言いたいことは分かります

 

この作品、まだ2話しか公開されておりません!!(※撮影時点)

オススメするには早すぎない!?

大丈夫!!!

 

僕はこのマンガを広告で見かけて「面白そう!」と思って読んでみたんです。そしたらマジで面白かった!!!

 


『MAD』 ©大鳥雄介/集英社

何より、面白いマンガの絵をしている!!

分かる! 面白さが確定してる絵なんよな!

そこまで言われると内容も気になりますね

 

どういう話かというと、人が普通に生活していた世界にいきなり隕石が落ちてきて、それに乗ってきたエイリアンに支配されるていう話なんですよ

ほ〜

 


『MAD』 ©大鳥雄介/集英社

崩壊した世界で生き残った人たちが仲間や安全地帯を探してる。その中の主人公っぽいおじさんも家族を失って生きる希望がないような状況で、ピンチになるけどなんとか助けてもらったっていうのが1話

これで現時点の半分以上のストーリーが説明されたわけだ

ここまでだと割とよくある導入に思えますけど……

そう! よくある導入ではある。でもすごく面白い雰囲気を感じるんだ……! 信じてくれ……!!

根拠は全くないけど、みくのしんさんがそこまで言うなら信じるか……

 

そしてついに2話!

もう最新話の内容だ

主人公ともう一人がベッドで休んでたんですけど、主人公が起きたらさっきまで隣にいた奴がいなくなってるんです

 

どうしたんだろうと思って廊下を覗いてみたら……

 

これがいたんです……

みくのしんさんが?

俺じゃねえよ

 

現時点で2話しか公開されてないからこれ以上は何も分かりません。でも、僕は見る目があると思うので信じてください

皆さん……

 

『MAD』はこれからもっと面白くなります

どの立場で言ってるんだ

 

なにより「MAD」は始まったばかりの作品ですから。気軽に読んでもらえるし、すぐにみんなで感想を言いあえるのも楽しいよね!

たしかに今みくのしんさんが話している間に2話まで読めました。今後の展開が気になりますね

2話の最後の奴の正体が早く知りたいよな!

でもって! 1巻が8/2に発売するからみんなで一緒に読も!

 

恐山のおすすめ『女子高生除霊師アカネ!』

期せずして3人ともシリアス系の作品を紹介してしまったので、コメディ枠として『女子高生除霊師アカネ!』も紹介させてください!

『女子高生除霊師アカネ!』(大武政夫/週刊ヤングジャンプ)

東雲茜はちょっぴり金に汚いものの、どこにでもいる普通の女子高生。のはずが、愛人と蒸発した父親に預金を持ち逃げされたことをきっかけに、生活費を稼ぐため父親の跡を継ぎ、除霊師として活動することに! 父親直伝の怪しいテクで、今日も霊を祓いまくる! 当然 霊なんて見えない(ヤンジャン!より引用)

なんといっても作者の大武政夫先生はクズを描かせたらピカイチのマンガ家なんです! 先生の作品には本当にダメなヤツがたくさん登場して、カス同士の関係が奇跡的に丸く収まるのが特徴です

クズとかダメとかカスとかすごい言うなぁ

 


『女子高生除霊師アカネ!』 ©大武政夫/集英社

主人公の茜(あかね)は女子高校生の除霊師で、とはいえまったく霊感が無いので霊感商法で詐欺をします

え? 詐欺の話!?

はい

ダメじゃん!!

茜の父親がもともと除霊師だったんですけど霊感は無いから心理学を使った詐欺で金をせしめてて、稼いだ金はギャンブルとキャバクラにつぎ込んだ挙げ句キャバ嬢と駆け落ちしちゃったから、仕方なく茜もインチキ除霊師で食いつなぐという始まり方なんですよね

クズがクズを生んでしまうんやね

ダメだと思っていても親と同じことをしてしまう気持ち、分かるなあ……

共感する側なんだ

 

普通のマンガは主人公をできるだけ好かれるように描くと思うんですけど、大武先生の場合は「リアルにゴミみたいな人格だけどギリ嫌われないライン」を目指しているように感じるんですよね

なぜそんなことを……

 

でもそのギリギリ嫌いにならないクズさがこの作品の魅力なんです

読んでないから分からないけど、人を騙してたりしてるなら好きになれないと思うけどなぁ

気持ちは分かりますよ。でも、最終的には「まあ親にも原因はあるし、う〜ん、トータルで考えたら仕方ない……かな?」ぐらいに着地できるからギリ許せます

それ許せてるのかな?

話が進むたびに「やっぱりこいつのこと本当に嫌いかもなあ」「でも、まあ、やむをえない状況でもあったか……?」を繰り返して、最終的には自分も詐欺に加担しているような気持ちになって楽しいです

変な楽しみ方してるな

 


『女子高生除霊師アカネ!』 ©大武政夫/集英社

ちなみに霊感商法のインチキがバレそうになったら、客の身辺調査をして弱みを握り「バラされたくなければ……分かるね?」と恐喝して乗り切ります

どこまでクズなんだ

茜は霊感商法のサラブレッドなので

一見普通にかわいい感じの高校生なのに……

 


『女子高生除霊師アカネ!』 ©大武政夫/集英社

学校の友達にも「ここまで人の心が分かっているのに共感能力が全く無いのはなぜなんだ」とか言われてます

一応まともな友達もいるんだね

 


『女子高生除霊師アカネ!』 ©大武政夫/集英社

でもこの友達も、実家の探偵事務所に来た厄介な客を茜に押し付けて、サギに消極的に加担してしまう。茜の影響で周りの人達がだんだん変わっていくストーリーなんです

悪い方に変わっていくの珍しいな

それでもギリギリ許せるのでぜひ読んでみてください!

 

みくのしんのおすすめ『The JOJOLands』

じゃあ、僕からももう一つ

 

『The JOJOLands』(荒木飛呂彦/ウルトラジャンプ)

とある日本人が600万ドルのダイヤモンドを持ってハワイ島に入国した。オアフ島に暮らす少年ジョディオ・ジョースターは、標的のダイヤを盗み出すため、仲間達と共に滞在先の別荘を訪れる。そこで一同が遭遇する謎とは…!?(集英社HPより引用)

ザ・ジョジョランズです!!!

『ジョジョの奇妙な冒険』の最新作ですよね。今度はどんなストーリーなんですか?

ざっくり言うとハワイで不良少年たちが泥棒をする話です

なんちゅう話だよ

実際は、そこからいろいろストーリーが拡がっていくんですけど……一旦それは置いといて、まずタイトルについて言いたいことがある!!

タイトル?

 

例えば「ジョジョの奇妙な冒険の新作タイトルを考えてください」と言われたとして、僕には「ザ・ジョジョランズ」と名付けることはできないと思うんです

そんな依頼ないからね

例えば、僕が「ザ・ジョジョランズとかどうですか?」と言ったところで、それはダサいタイトルでしかないんです。でも荒木飛呂彦先生が「ザ・ジョジョランズです」と言って発表したこのタイトルは、めちゃくちゃカッコいいんだ……!!!

同じ言葉のはずなのに魅力が違うってことですか? その感覚は正直分かりますね

僕ではダメだけど、荒木先生が言うことによってこのタイトルの格好がつくという言葉の力をすごく感じたんですよ! ……で、ジョジョのタイトルは荒木先生のものであるように、僕だからこそ格好がつく言葉もあるんだと思う。だから自分の気持ちのままに自由に物事を言っていいんだと思えた

タイトルだけでこんなに心を動かされているとは……

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

そんで今回のジョジョは第一話から分かりやすくストーリーが描かれているんです! 主人公たちが仲間たちと一緒に何をしていくのかがはっきり示されてるから、めっちゃ助かる!

たしかにこれまでのシリーズの第一話は、分かりやすい説明よりも「新しいジョジョが始まる!」という雰囲気を楽しむ感じの方が強かった気がしますね

僕は、複雑なストーリーを読むと「えっと……? これって何をする話なんだっけ?」と気が散っちゃうんですが、ザ・ジョジョランズはすごく読みやすいんですよ

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

ほら見てよ……「これは亜熱帯の島々でひとりの少年が大富豪になっていく物語」

「まだ謙虚さが足りないだろうか…? …いや……」

「オレが必ず手にするね」

カッコいいなぁ。荒木飛呂彦節って感じがするね

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

主人公たちはみんな10代なので、未熟な子供たちの成長が描かれるのも特徴です!

第5部あたりからそういう傾向あるよね

ジョジョらしいめちゃくちゃ強い主人公も好きだけど、未熟ゆえの人間らしい情けなさも良いんですよね〜

ちなみに、ジョジョといえばスタンド能力(※)も醍醐味のひとつじゃないですか。主人公の能力はどんなものなんですか?

※スタンド能力とは……生命のエネルギーがつくり出すパワーある像(ビジョン)のこと。「時間を止める」「壊れたものを直す」など、キャラクターごとに超能力のようなものが備わっている。

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

主人公のスタンド「ノーヴェンバー・レイン」は、重たい雨を降らせて人や物を押しつぶします

これは強いの???

それは僕もまだ分かりません! これまでの主人公と比べると強そうには見えないんだけど……

でもそういう能力も想定外のアイデアで活きてくるのがジョジョだからな〜

まさにそう!!!

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

他にも、スタンド「スムース・オペレイターズ」は、いろんな物をずりずり引っ張って動かすことができます

これは……なにか数字を動かしてるように見えますね

車のナンバープレートの数字を動かして、警察から逃げるために偽装工作をするシーンですね

悪い能力だな〜!

でも、これがいろんな応用がきく能力で……

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

こうやって体に受けたキズを動かしてビンに移すこともできるんです

すげー!

「この能力、使い道せまくない?」と思ったけど回復にも使えるんですね

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

あれ? これ、岸辺露伴じゃない? 第4部で出てきた人気キャラだ

そうそう! こうやって過去作のキャラが出てくるのも嬉しい!

過去作を知らなくても読めるけど、ファンにとっては嬉しいボーナス要素ですね

あとあと! 最後に僕の大好きなシーンを紹介してもいいですか? ドラゴナ・ジョースターというキャラが車の中で免許証を探すシーンなんですけど

そんな地味なシーンを紹介しなくても

いやいや、言葉だけ聞くとそうなんですけど……

 


『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

ほら見て! 車の中のシーンなんですけど、背景真っ白になって人物とシートベルトだけを描いてるんです!

マンガならではのケレン味ある表現ですね。ここまで思い切った省略表現はよそでは見られないな

これ……なんかスゴくないですか!? こんなカッコいい描き方ある??? たかが「免許証を探す」だけのシーンがここまでかっこよくなっちゃうんですよ!?

 

こんな感じで面白くておしゃれで新しいマンガだから、ぜひ読んでほしいです!

私はシリーズ途中で止まってたんですけど、気になってきましたね。久しぶりに読んでみようかな

ジョジョってシリーズも長いし、初見の人はハードルが高いかもしれないですけど、ザ・ジョジョランズ自体はまだ3巻しか出てませんからね! 今からでも全然追いつけるよ!

 

 

夏! 読もう、マンガ!

以上、マンガ好きのオモコロライターがおすすめする「連載中の集英社マンガ作品」をご紹介しました!

いずれも電子書籍で読めますし、無料で読めるものもあるのでぜひチェックしてみてくださいね〜!

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・The JOJOLands
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【出典】
『ジャンケットバンク』 ©田中一行/集英社

『テラフォーマーズ』 ©貴家悠・橘賢一/集英社
『MAD』 ©大鳥雄介/集英社
『女子高生除霊師アカネ!』 ©大武政夫/集英社
『The JOJOLands』 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社