Pentacon Prakticar 50mm f2.4 MC review作例 元メイヤー Bokeh Monster
元メイヤーPentacon Prakticar 50mm f2.4 MC Review作例 Bokeh Monster。海外でボケモンスターと呼ばれるエルノスター型オールドレンズ。設計はゾナーやビオゴンを設計したあの天才レンズ設計士ベルテレ。本レンズの写りの特徴はバブルボケやゴースト、フレアー、ボケが狂ったように画面いっぱいに暴れ回る超クセ玉だ。プラクチカBというマイナーなマウントの影響もあり中古市場価格は1万円程度で入手可能なのでコスパは非常に高い。筆者は幸運にもライカLマウントに改造された個体を1万円強で入手した。
Pentacon Prakticar 50mm f2.4 MCとは
VEB Pentacon(ペンタコン) Prakticar(プラクチカ) 50mm F2.4 MCはSonnarの設計者Ludwig Jakob Bertele ルートビッヒ・ヤコブ・ベルテレが開発した4群4枚Ernostar型のレンズ構成を採用したオールドレンズだ。ゾナーはエルノスターを原型にしてベルテレが設計した。
ただし、Prakticar50/2.4MCの設計者はベルテレではなく、1968年Meyer Optik GorlitzのWolfgang GrögerとWolfgang Hecking、Hubert Ulbrichの3人が設計した。Meyerは1968年にVEB Pentaconに吸収合併されたのでその直前に設計されたレンズだ。
プラクチカ50/2.4MCの銘板はペンタコン銘だが、レンズを製作した製造ラインはMeyer Optik Gorlitz(メイヤー・オプティック・ゲルリッツ)。そして後にPentaconはCarl Zeiss財団傘下に吸収合併される。
プラクチカ50/2.4は筆者が愛してやまないメイヤーのエルノスター型のパンケーキオールドレンズ。レンズ構成は4群4枚のエルノスター型なので「どうせ貧乏くさいダメイヤーのレンズだろ?」と思う人もいるかもしれないが、ピント面はシャープかつ立体的でボケも独創的かつ絵画的でエモいを超越したBokeh Monsterレベルの芸術的な写りだ。
画面全体ところ狭しとあらゆる残存収差が暴れ回り恐怖すら感じる程のボケが発生する。スペックを簡単に紹介した後に、筆者が実際に撮影した写真の作例を紹介して本レンズの写りの特徴をレビューしていく。
Pentacon Prakticar 50mm f2.4 MCの外観レビュー
Auto Chinon MCM 55㎜ f1.7 MacroをSony α7Ⅳに装着してPrakticar50/2.4をブログ用に物撮り。被写体のカメラはα7c。Chinon MacroはKern Alpa Switar 50mm f1.7と光学が一緒。
パンケーキレンズと言えどもアダプター装着するとボチボチのサイズ感。
そもそも本レンズのマウントはライカLに改造済みだがその状態でレンズ自体の重量は191g。ヘリコイド付きマクロアダプターを装着して291g、α7cに装着した総重量は813g。
α7cが小さいからね。
マクロ域も強いでっせ的なつくりがいい。
鏡胴はプラスチック製だし小さくて軽いし正直見た目は安価、50mm f2.4というスペックも廉価版を想像させる。しかしレンズ構成は4群4枚のエルノスター型。ここがポイント。確かにレンズ枚数が少ない方がコスト削減できる。しかし写りはBokeh Monster。
Pentacon Prakticar 50mm f2.4 MCのスペック
- メーカー:Pentacon(元Meyer Optik Gorlitz)
- 製造年:1968年~
- Mount:Praktica B(PB)マウント
- レンズ構成:4群4枚Ernostar型
- 絞り値:開放最大F2.4~最小F16
- 最短撮影距離:0.6m
- フィルター径:49mm
- 重量:136g
PENTACON Prakticar 50mm f2.4MCのレンズ構成Optics
PENTACON Prakticar 50mm f2.4MCのレンズ構成図は以下の通り4群4枚のエルノスター型。コストをケチった貧乏くさい4枚玉と考える人もいるだろう。それなら写りを見てみよう。
画像転用元:M42 Mount Spiral
Pentacon Prakticar 50mm f2.4 MCのjpeg撮って出し作例画像と写りの特徴レビュー
撮影機材はSony α7Ⅳ、光源は自然光、画像は未加工のjpeg撮って出し。マジでこのレンズ写りすごいから。
玉ボケ、虹ゴースト発生。花の雄しべが美しい。
フレアーというかシャワーゴースト。逆光で木の葉の葉脈を透かした。開放F2.4という控えめなスペックだがボケは大きい。
こちらも緑の葉の葉脈を透かした。撮影は全て自然光。
ボケ、写りがいかつい。
全てがバブルボケ(シャボン玉)とまでいかないが、環境によっては一部バブルボケが発生する。それもそのはず、レンズの銘板はPentacon銘だが中身はMeyer Optik Gorlitzだから。
虹ゴーストを多めに入れたり。
玉ボケに木々のシルエットが浮かび上がり絵画的にエモい。
筆者的にはこの一枚がお気に入り。ノスタルジックやエモいを通り越してグロエモいというか恐怖に近い。絵画でしかない。
これもお気に入りグロエモい。
エモいじゃなくてエグい。
まとめ
作例を見たら一目瞭然だと思うが、とても50mmのf2.4には見えない大きなボケで描写は唯一無二でボケモンスターの称号は伊達じゃない。MCだから高描写と思ったら大間違い。オールドレンズの醍醐味がここにある。
本レンズは1968年から製造された比較的新しい部類のオールドレンズだが、古き良き4枚構成のエルノスター型を復刻という、傍から見れば貧乏くさいと思われそうなレンズ構成を採用したおかげで、元祖エルノスター復刻みたいなノリで楽しめる貴重なレンズだ。
作例を見て興味が湧いたら探してみるといい。今回のレビューは以上。ちなみにMeyer初のダブルガウスでマクロ的に寄れるDomironもおすすめだ。本日も素敵なオールドレンズライフをお過ごしください。