SaaS アプリ向け Okta Customer Identity Cloud の全て

エンタープライズ対応アイデンティティで企業顧客を獲得

TL;DR: Okta は、コンシューマー/SaaS アプリの2つのユースケースをサポートする Auth0 を搭載した、Okta Customer Identity Cloudを発表しました。この記事では、SaaS アプリのユースケースと機能、そして製品およびエンジニアリングのリーダーが、企業顧客向けに構築されたアイデンティティ・ソリューションを使って成長を加速化する方法を説明します。

SaaS (Software as a Service) 市場は急成長を続け、日々新しい製品がオンライン化されています。 Okta の「Businesses at Work 2022 レポート」.によると、企業が使用するアプリの平均数は、今年、89個にもおよび、大企業では187個にも上りました。

こうした成長は、SaaS 分野に激しい競争をもたらしています。競争を勝ち抜く企業は、主力製品に集中しながらも、企業顧客の迅速なオンボーディングと高級品市場への進出に成功している企業です。 

アイデンティティおよびアクセス管理の用語では、「カスタマーアイデンティティ」と呼ばれ、顧客がどのような企業で、御社とどのような関係性を築きたいのかを理解することで、顧客について学び、同意に基づく信頼関係を安全に構築することです。

これまで、SaaS ユースケースでは、市場における顧客 ID の選択肢は非常に限られていたため、製品およびエンジニアリングのリーダーは、消費者向けと従業員向けのアイデンティティソリューションを組み合わせて使うしかありませんでした。

こうした場当たり的な対処すら必要ないとしたらどうでしょうか?アイデンティティは自社の動きをスローダウンさせる代わりに、市場機会をつかむことができるでしょうか?

簡素化された SaaS アプリのビジネスカスタマーアイデンティティ 

SaaS アプリ向け Okta Customer Identity Cloud を使えば、アプリビルダーはアイデンティティのエキスパートにならなくても、エンタープライズに対応し、成長を加速できるようにします。全社規模でのフェデレーション、委任管理、多要素認証 (MFA)、カスタムブランディング、セキュリティ機能などの SaaS 固有の機能をすぐに使用できます。当社はしっかりとしたアイデンティティ製品の方向性を持ち、お客様のために常に革新を続けています。

「Kandji は、企業が Apple デバイスを大規模に管理できるよう支援することで、未来の働き方のパイオニアとなることを約束します。顧客に最高のエクスペリエンスを提供するということは、オンボーディングを可能な限りスムーズにし、ワークフローを管理・カスタマイズし、管理者とエンドユーザーの両方の視点から最も安全なエクスペリエンスを提供することを意味します。当社は Okta Customer Identity Cloud を使い、自社ソリューションの4倍の速さでこれらすべてを実現しました。それが功を奏し、すでに顧客の収益が増加傾向にあるのを目の当たりにしています」とKandji 社の製品戦略担当シニアバイスプレジデントであるウェルドン・ドッド (Weldon Dodd) 氏は語ります。

ここでは、Kandji、Blackboard、TripActionsなど、当社のお客様が現在 SaaS アプリをどのように活用しているかをご紹介しましょう。

新規顧客の獲得とオンボーディング

ビジネスの規模が拡大するにつれて、アプリケーションへのオンボーディングプロセスを合理化し、企業顧客が製品の使用や同僚とのコラボレーションをすぐに開始できるようにする必要があります。そうすることで「定着性」を高めることができます。Okta の API や SDKを使用すれば、セルフサービスオンボーディングをアプリケーションに直接組み込むことができるため、エンジニアリングチームに負担をかけることなく、顧客がアクセス制御をプロビジョニングし、シングルサインオン (SSO) を設定し、組織の他のメンバーを招待することができます。

顧客体験をパーソナライズする

技術チームは、新規の顧客ごとに ID を手作業で設定するのに数週間を費やしたり、変更の実装を何度も繰り返したりすることがあります。 Organizations は、SaaS 企業が企業顧客の ID を(単一のテナント下の) 組織として管理およびモデル化するためのツールセットです。あらゆるソースとのエンタープライズフェデレーション、アカウントのプロビジョニング、オンボーディングとマイグレーションフロー、カスタマイズされたブランディング、最も厳しい要件を満たすセキュリティポリシーなど、顧客のニーズを満たす認証エクスペリエンスを提供できるように、組織ごとにラストワンマイルのカスタマイズを行うことができます。

オンデマンドセキュリティの実現

Oktaの「2022 State of Secure Identity Report」によると、クレデンシャルスタッフィングは、ログイントラフィック全体の34%を占めており、一部の国 (61%) や、米国および業種 (小売業では80%以上) では、通常のトラフィックを上回っています。 Credential Guardとボット検出による攻撃防御を使い企業顧客のデータを保護し、最も一般的な ID ベースの攻撃を防ぐことができます。社内チームの ID セキュリティ管理の負担を軽減し、製品の新機能の提供に集中できるようにします。

複雑なユースケースのための認証のカスタマイズ

どの企業顧客も同じではありません。そのため、複雑なユースケースに合わせてプラットフォームをカスタマイズしてほしいという要望が頻繁に寄せられます。拡張性(認証パイプラインのどんなポイントでも安全なカスタマイズを可能にするカスタムコードブロックと拡張ポイント) は、長い間 Auth0 の差別化要因でしたが、現在は、Okta Customer Identity Cloud を通じて利用できます。また、Okta は、拡張フレームワークを維持しているため、独自の認証ニーズを満たし、将来の適応性を備えた RFP 要件を自信を持って対応することができます。

エンタープライズ対応と拡張

顧客 ID プラットフォームは、多くの顧客をより頻繁に獲得・成長させるのに役立ちます。SaaS アプリでは、 SSO と MFA に関する顧客の要件をすぐに利用できます。AWS と Azure から選べるクラウド、データレジデンシーのための地域インフラストラクチャ、99.99%の SLA を組み合わせることで、ID ソリューションを自社でホスト、管理、またはスケーリングすることなく、世界中のどこにいても、一度に1回のログインでビジネスを成長させることができます。

SaaS アプリの新機能

Oktane22で発表された SaaS アプリ向けの新製品イノベーションが、Okta のすべてのお客様にご利用いただけるようになりました。

  • Okta Workforce Enterprise Connection: Okta Workforce Enterprise Connection を使って、SaaS アプリビルダーは、Okta Workforce Identity Cloud にすばやく統合することができ、エンドユーザーにシームレスで信頼性の高いログイン体験を簡単に提供できるようになります。このエンタープライズ接続は、すべてのエンタープライズプランおよび B2B セルフサービスプランに追加料金なしで含まれており、SaaS アプリのユースケースの検出と構成が簡単にできます。
  • Organizations の機能強化: お客様のビジネスの成長をサポートするため、1ユーザー (テナント) あたり最大200万組織、1組織あたり200万人のメンバーまで拡張できるようになりました。また、管理ダッシュボード内で組織の検索が容易になり、マルチテナントアプリケーションにおける数百万社の企業顧客の検索・管理がより簡単になりました。

アイデンティティでビジネスを加速させる準備はできていますか?Okta Customer Identity Cloud for SaaS Apps の詳細については、https://www.okta.com/customer-identity/をご覧ください。