『リチャード三世』『リア王』『マクベス』『オセロー』『ハムレット』『ロミオ&ジュリエット』……シェイクスピアのすべての作品を横糸に、江戸末期の人気講談「天保水滸伝」を縦糸にして見事なまでに織上げた井上ひさしの傑作戯曲を、2020年に続き、藤田俊太郎さんの演出で立ち上げる絢爛豪華な祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』。
2024年12月22日(日)昼公演にて、おけぴ観劇会の開催が決定しました!
シェイクスピアの全作品からセリフや設定を引用して、江戸時代末期の侠客争いを描く本作。演出の藤田さんは2020年の上演の際に、「生きる活力と死の闇が入り乱れた活劇です。喜劇であり、悲劇」と表現。
人心を操り、その争いを利用してのし上がろうとする佐渡の三世次には
浦井健治さん。前回(2020年)のきじるしの王次からの役替わりです!
“三世”次という名前からも、足が不自由で歪んだ心という設定からも……やはり思い出すのはリチャード三世。それだけでなく、シェイクスピアの数多のキャラクターが投影されている超難役をシェイクスピア作品に多数ご出演経験のある浦井さんがどう魅せるのか!
旅籠街の争いを陰から操る異形の流れ者佐渡の三世次、稀代の極悪人に必ずや一本筋を通してくれることでしょう!
二つの家の争いに身を投じる若き跡取り息子、純粋なきじるしの王次には新キャストの
大貫勇輔さん。「ハムレット」「ロミオとジュリエット」を思わせる、復讐とキラキラな愛の物語をどう紡ぐのか、こちらも期待が高まります。
リア王的な鰤の十兵衛の娘たち、三女のお光を演じた
唯月ふうかさん、次女のお里の
土井ケイトさん、清滝の老婆の
梅沢昌代さん、語り部でもある隊長の
木場勝己さん、ほかにも
阿部裕さん、
玉置孝匡さん、
章平さんが続投。
さらに、新たな配役として
大貫勇輔さん、
猪野広樹さん、
綾凰華さん、
福田えりさんに加え、
瀬奈じゅんさん、
中村梅雀さんもご出演です。
また、本作は“シェイクスピア讃歌”に始まる祝祭音楽劇。多彩な音楽を手掛けるのは宮川彬良さん。帰り道はきっと「もしもシェイクスピアがいなかったら~♪」か「賭場のボサノバ」が頭の中に流れてるはず♪
シェイクスピアと井上ひさし、ともに人間の本質を描いた二人の劇作家の交錯。
演出を手掛けるのは2020年の本作を含む3作品の演出で読売演劇大賞最優秀演出家賞、松尾芸能賞優秀賞を受賞した藤田俊太郎さん。
2005年の蜷川幸雄さん演出版に演出助手として携わり、また今年9月には『リア王の悲劇』で初めてシェイクスピア作品の演出を手掛ける藤田さんが再び本作に挑む!というのも大注目ポイントです。
(ちなみにそこでリア王を演じるのは木場勝己さん。木場さんは、蜷川版でも隊長を演じられています!胸熱!隊長ときじるしの王次による「ハムレット」の名台詞「To be, or not to be ~」の歴代日本語訳披露の名場面もお楽しみに!)
1974年の初演からちょうど50年の今年、盤石の布陣で挑む2024年の藤田俊太郎版『天保十二年のシェイクスピア』。おけぴ観劇会では、人物相関図付きおけぴマップも配布予定&終演後の出演者挨拶も予定しています。ぜひおけぴ観劇会で一緒に観劇いたしましょう!
~おけぴ管理人一言~
シェイクスピア全作品とひと言で言っても……
「ヘンリー六世 第1部」「ヘンリー六世 第2部」「ヘンリー六世 第3部」「リチャード二世」「リチャード三世」「アテネのタイモン」「間違いの喜劇」「ジョン王」「ヘンリー四世 第1部」「ヘンリー四世 第2部」「ヘンリー五世」「ヘンリー八世」「夏の夜の夢」「ベニスの商人」「尺には尺を」「から騒ぎ」「お気に召すまま」「タイタス・アンドロニカス」「ロミオとジュリエット」「ジュリアス・シーザー」「ハムレット」「トロイラスとクレシダ」「十二夜」「終わりよければ全てよし」「テンペスト」「ペリクリーズ」「ヴェローナの二紳士」「オセロー」「リア王」「マクベス」「アントニーとクレオパトラ」「コリオレーナス」「冬物語」「ウィンザーの陽気な女房たち」「シンベリン」「恋の骨折り損」「じゃじゃ馬ならし」
と、まあこれだけあるもので(全37作品)。いくつかの作品は、劇中で一瞬の登場となるのもご愛嬌!
演劇はもとより、ミュージカル、バレエ、オペラ、歌舞伎……様々な舞台芸術として今もなお愛されるシェイクスピアですが、そこから設定やキャラクター、台詞などエッセンスを抽出し、どのように描かれるのか!
物語の舞台となる下総国清滝村を牛耳る親分・鰤の十兵衛と三人の娘たち、「代官手代の花平一家」と「よだれ牛の紋太一家」の対立など、これはあの作品だ!と思い浮かべるのも楽しい作品です。
(逆に詳しくなくても木場勝己さんの語りがとてもわかりやすいのでご心配なく!)
井上ひさしが紡いだ『天保十二年のシェイクスピア』、舞台好きの皆々様にお勧めです!
ぜひおけぴ観劇会で一緒に楽しみましょう!!