今年もお盆が近づいてまいりました。
お盆は「亡くなった人が年に一度、家族のもとに帰ってくる日」と言われています。
また、四十九日を済ませて初めて迎えるお盆のことを「初盆(はつぼん・ういぼん)」や「新盆(にいぼん・あらぼん)」と言い、通常のお盆よりも念入りに供養を行います。
ここでは
についてお伝えしていきます。
初盆(新盆)とは?
亡くなって、四十九日を済ませた後に初めて迎えるお盆を初盆・新盆と言います。
お盆は亡くなった人が年に一度、家族のもとに帰ってくる日と言われていおり、通常のお盆よりも念入りに供養します。
初盆(はつぼん)と言ったり、新盆(にいぼん・あらぼん)と言ったりしますが、大辞林によると
◆初盆:「新盆 (にいぼん) 」に同じ。
大辞林より
◆新盆:その人が死んで最初の盆。初盆 (はつぼん) 。あらぼん。しんぼん。《季 秋》
とあり、初盆と新盆での違いはありません。
初盆(新盆)・旧盆・月遅れ盆の時期は?
お盆の時期には7/13~16にお祭りや花火大会がありますよね。
これは初盆(新盆)や旧盆が7月15日であることに由来します。
以下のとおり、地域によって「初盆(新盆)」「旧盆」「月遅れ盆」のどれで亡くなったかたを供養するのかが異なっていましたが、今は「8月15日」前後に供養することが一般的です。
関東甲信越、北海道函館、石川県金沢市
関東甲信越、北海道函館、石川県金沢市では「初盆(新盆)」=「7月15日頃」ですが、改暦後は8月15日が一般的になっています。
多摩地区の一部を除く東京、函館、金沢の旧市街地
多摩地区の一部を除く東京、函館、金沢の旧市街地では「旧盆」=「7月15日頃」にお盆を行っています。
年 | 新暦(旧暦における7月15日) |
---|---|
2017 | 9/5(火) |
2018 | 8/25(土) |
2019 | 8/15(木) |
2020 | 9/2(水) |
2021 | 8/22(日) |
2022 | 8/12(金) |
2023 | 8/30(水) |
2024 | 8/18(日) |
2025 | 9/6(土) |
九州・四国・中国地方
沖縄を含む九州・四国・中国地方(大阪や京都などの関西地域)では「月遅れ盆」で、お盆から1月遅らせて行うため、8月15日にお盆を行っています。
初盆(新盆)供養のスケジュール【13~16日】
- 13日迎え火でお迎えする日
- 精霊棚の飾りつけやお供え物の準備などをして、先祖を迎えるための用意
- 仏壇から位牌を取り出して、精霊棚の中央に置く
- 誤って迷い込まないよう仏壇の扉は閉めておく
- お墓参りをしてお墓の掃除を行う
- 日が暮れてきたら、盆提灯に火を灯して先祖の霊を迎え入れます。
- 14~15日初盆の供養を行う
- 親族や友人などを招き、住職を呼んで読経を上げてもらって焼香などをする法要を行う
- 墓参りをする
- 自宅または用意した会場で会食を行う
- 16日送り火でお送りする日
- 日中:最後のお供え物をしたりお祈りをするなどして、先祖の供養
- 夕方:送り火を焚いて先祖をお送りします。
初盆(新盆)と四十九日や一周忌が近い場合
初盆(新盆)は、四十九日が終わった後に初めて迎えるお盆に法要を行います。
8月15日がお盆(初盆(新盆)・旧盆・月遅れ盆)であれば、8/13の迎え火までに四十九日を迎える場合は、亡くなったその年が初盆(新盆)になります。
亡くなった日 | 初盆(新盆)の年 |
---|---|
6月25日までに亡くなったかた | 亡くなったその年が初盆(新盆) |
6月26日以降に亡くなったかた | 翌年が初盆(新盆) |
7月15日がお盆(初盆(新盆)・旧盆)であれば、7/13の迎え火までに四十九日を迎える場合は、亡くなったその年が初盆(新盆)になります。
亡くなった日 | 初盆(新盆)の年 |
---|---|
5月25日までに亡くなったかた | 亡くなったその年が初盆(新盆) |
5月26日以降に亡くなったかた | 翌年が初盆(新盆) |
一周忌が近い場合、お盆は「祖先に対する供養」で、一周忌は「故人に対する供養」になりますので、厳密にいえば分けた方が丁寧ですが、最近では一緒にしてしまうケースも多いようです。
うちは初盆と一周忌を一緒にして執り行うこととしました。
初盆(新盆)で参列する場合の服装
喪主(施主)も参列者も、基本的に喪服を着用すれば失敗しません。
男性
- ブラックスーツ
- 黒のネクタイ
- 黒の靴
女性
- 黒で無地のワンピースやアンサンブル
- 黒のストッキング
- 黒の靴
- 黒いハンドバック
妊婦
- 黒や紺などのダーク系のゆったりとしたワンピース
- ローヒールやフラットな履物
子ども
制服があれば制服
男の子
- 白いシャツ
- 黒のズボン
- カーディガンOK
女の子
- 黒や紺などダーク系の色のワンピースや白いシャツ
- 黒っぽいスカート
新盆の法要って絶対やらないとダメ?
宗派や菩提寺、地域によって異なるのが前提ですが、親戚の新盆に呼ばれたことがあるかどうかがひとつの指標になります。
「喪主(施主)」が初盆(新盆)で準備すべき9つのもの
「喪主側」の初盆(新盆)の準備は何をどう準備すればよいのでしょうか?
初盆(新盆)で準備すべきものは次のとおりです。
法事の案内状
参列者は遺族や親族、生前のご友人などになります。
うちはわざわざ案内状なんて出しませんでしたよー
会食の会場準備
法要後の会食を行う場合、1人5000円程度の予算で会場を調整します。
うちは会食なんてしませんでしたよー
1か月くらい前までに住職へ読経の日程調整
お寺のお盆は忙しいのは言うまでもないですよね。
早めに住職のスケジュールを押さえておきましょう。
うちは、「14日に初盆の法要を行います」と菩提寺から葉書が来ました。
菩提寺としては書き入れ時ですので「マーケティング」の面は除いて、こうやって積極的に案内が来ると檀家としては楽で良いですね。
精霊棚(盆棚)【しょうりょうだな】
先祖の霊を迎え入れるための棚のこと。
うちは浄土真宗なので、位牌以外準備しませんでしたが
今は通販でセットで売りしてますね。
(棚は女性でもかんたんにたためて、収納できるようです)
お供え物はお花と故人が好きだったものを
精霊馬【しょうりょううま】はキュウリと茄子の例のアレ
精霊馬【しょうりょううま】とは、馬と牛をかたどった人形のことで、割り箸や爪楊枝などをキュウリやナスに刺して、キュウリで馬を、ナスで牛を作ります。
精霊馬を作る理由は、先祖が帰ってくる時に馬に乗って早く帰ってこられるように、帰りは牛に乗ってゆっくり帰ってほしい、という思いを込めて作ります。
精霊馬は宗派によって作成必要有無が異なります。
盆提灯は先祖への目印と、冥福のお祈り・感謝の気持ち
迎え火・送り火と言って、先祖の霊が迷わずに帰ってこられるように目印となる盆提灯を飾ります。
実はもうひとつ、盆提灯は故人の冥福を祈ったり感謝の気持ちを表して供養するという意味合いもあります。
通常のお盆の際には絵柄のついた盆提灯を飾り、初盆の場合には白提灯を飾ります。
「清浄無垢の白で故人の霊を迎える」や「戒名や経文を白提灯に書いて軒先に飾る」ため、から、白木でつくられた白紋天の提灯を使うのが一般的で、玄関先や軒先、仏壇の前などに吊るす飾り方をします。
盆提灯の場合には二つ一組で飾るのが一般的ですが白提灯はひとつ(対にする必要無し)あれば良いです。
本来、白提灯は初盆が終わったあとに燃やして処分したり菩提寺に供養してもらったりします。
絵柄の入った盆提灯は、精霊棚のわきに飾っても問題ありません。
数についても制限はありません。
お勤めいただいた住職への「お布施」は3万円~5万円が相場
読経をお勤めいただいた住職にお渡しするお布施の相場は
「30,000円~50,000円前後」です。
のし紙の表書きは「御布施」または「御経料」とします。
初盆供養に御参加いただいた方々へのお返し
初盆供養に御参加いただいた方々へ、
お帰りの際に「お返し(頂いた金額の半額を目安)」
を手渡しします。
お返しの相場は
「1,500円~3,000円」が相場です。
概ね、タオルなどの消耗品や乾物、水菓子をお返しとしてお渡しします。
のし紙の表書きは
「志」「初盆志」「御初盆志」「新盆志」「御新盆志」「初盆供養」「新盆供養」
と記載し、
「〇〇家」または喪主の氏名
を記載します。
コロナ禍もあって、参列を避け、お供え物(お見舞い)が郵送されてきた場合
頂いた金額の半額を目安(3,000円~5,000円)にお返しを行います。
うちは「お布施」で3万円、お車代で「5,000円」をお渡しします。
「参列者」が初盆(新盆)で準備すべきもの
一方、初盆(新盆)で参列者側は何をどう準備すれば良いのでしょうか?
参列者は「香典・御提灯代」または「お供え物」のいずれか、または両方を準備します。
初盆(新盆)の香典・御提灯代は5000円~1万円が相場
「香典」もしくは「御提灯代」として、包む金額は、5千円~1万円程度。
参考までに例を挙げると次の表のとおりです。
亡くなった方 | 香典の金額 | お供え物もお渡しする場合の香典の金額 |
---|---|---|
親・義理の親 | 1万円 | 5000円 |
兄弟姉妹・親戚・親友 | 5000円 | 3000円 |
遠い親戚・友人・知り合い | 3000円 | 1000~2000円 |
初盆(新盆)の香典・御提灯代の「のし袋・封筒」の書き方
のし袋・封筒の表書きは、「御仏前(ごぶつぜん)」「御沸前」「御供物料」
提灯代として包む場合は、「御提灯代」
水引は「双銀」「藍銀」「黄白」とし、可能であれば蓮絵が入ってないもの。
水引の結び目は、「結び切り」、または「鮑(あわび))結び」。
淡路結び
結び切り
初盆(新盆)でお供え物を持参するなら3,000~5,000円のものが相場
初盆(新盆)でお供え物を持参するなら、
・仏壇にお供えする「線香やろうそくなど」
・ご遺族で分けていただく「お菓子や果物・飲料・缶詰の詰め合わせ(日持ちのするもの)」
を準備します。
準備するものの相場を参考までに例を挙げると
亡くなった方 | お供え物の金額相場 |
---|---|
親・義理の親 | 5000円 |
兄弟姉妹・親戚・親友 | 3000円 |
遠い親戚・友人・知り合い | 1~2000円 |
初盆(新盆)でお供え物の「のし紙の表書き」の書き方
のし紙の表書きには「御供物(おくもつ)」または「御供」とします。
水引は弔事用の白黒か黄白の結び切りのものを使用します。
初盆(新盆)供養への準備まとめ【喪主と参列者それぞれの対応方法】 まとめ
いかがでしたでしょうか?
かんたんにまとめてみると次のとおりです。
初盆(新盆)とは?
亡くなって、四十九日を済ませた後に初めて迎えるお盆を初盆・新盆で、通常のお盆よりも念入りに供養します。
初盆(新盆)・旧盆・月遅れ盆の時期は?
「8月15日」前後に供養することが一般的
- 初盆(新盆)は「7月15日頃」
- 旧盆は、「7月15日頃」
- 月遅れ盆は、お盆から1月遅らせて行うため、8月15日にお盆
初盆(新盆)供養のスケジュール【13~16日】
- 13日 :迎え火でお迎えする日
- 14~15日:初盆の供養を行う
- 16日 :送り火でお送りする日
新盆と四十九日や一周忌が近い場合の区切りは?
初盆(新盆)は、四十九日が終わった後に初めて迎えるお盆
- 初盆(新盆)は6月25日までに亡くなったかた
- 旧盆は5月25日までに亡くなったかた
初盆(新盆)で参列する場合の服装
喪主(施主)も参列者も、基本的に喪服を着用
喪主(施主)は初盆(新盆)で何をどう準備すればよいか?
- 法事の案内状
- 会食の会場準備
- 1か月くらい前までに住職へ読経の日程調整
- 精霊棚(盆棚)【しょうりょうだな】
- 精霊棚(盆棚)へのお供え物
- 精霊馬
- 位牌
- お勤めいただいた住職への「お布施」
- 初盆供養に御参加いただいた方々へのお返し
住職へのお布施の相場は「30,000円~50,000円前後」
参列者へお帰りの際に「お返し(頂いた金額の半額を目安)」を手渡しします。
参列者へのお返しの相場は「1,500円~3,000円」が相場
参列者は初盆(新盆)で何をどう準備すればよいか?
香典・御提灯代の相場は「5000円~1万円」で、お供え物を持参するなら「3,000~5,000円」を包めばOK。
お供え物の相場は「1000~5000円」
供養やお坊さんに困ったら
定額35,000円で、全国宗派を問わず対応してくれる「法事・法要の僧侶手配サービス」があります!私に菩提寺が無ければ、お布施が相場通りですし、ひとりの住職と深い関係にならずに済むので、間違いなくこのサービスを使いますね。
終活に関連した記事は「終活は何をしたらいい?エンディングノート・遺言書・葬儀・墓じまいまとめ」にまとめていますので、是非ご覧ください。